表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
実家編
38/42

37

地下なのだろうか、薄暗い時々水が滴る場所を後ろをついて歩く


老婆は変装だったってこと?

なぜ私は今ここにいるの?

あのお茶は何だったの?

この女の人の目的は何?

というかこの人は魔女と同一人物なの??


ぐるぐると葵が頭の中の考えを巡らせていると

先ほどの場所よりひらけた場所に出た

少し差し込んでくる光が、

眩しく感じられる


「ここで静かに待て。声をだすなよ」


葵はうなづく


少しして戻ってきた女の姿を見て葵は驚く


「え????」

「これに着替えろ」


そう言って葵の服をはぎとり、持ってきた衣装へと着替えさせる


「どういうこと?あなたは・・?」


目の前の女は着物姿で目の色は黒曜石のような黒ではなく

深い緑色をしている、黒い髪はそのままで

恐ろしいほど似合う濃い目のリップをつけたその人は

一度会ったことがある…


娼屋の女将だった


葵は外へと連れだされた


建物中は官能的な赤と黒の壁

濃い目の化粧にきらびやかな露出が多い西の服

王都風なナイトドレスの女たちで賑やかであった


「何ここ?すごい…」

「逃げないのか?」

「え??」

「自分の置かれている状況がわかってないようだ」


ぐっと胸元を掴まれる


「売られる、そうは思わないのか?」

「売られるんですか?、私」

「さっき、お前さんに飲ませたのは媚薬だ」

「媚薬?」


身体はなんともない

具合の悪さもなく、ムラムラしたりもしていない


掴まれていた手を離される

ぐいっと背中を押され、目の前の襖を開けた先に

押し込まれた


すぱんと襖が閉じられる


葵はその目の前の光景に圧倒された

煌びやかな世界

数十人の女たちが化粧をしたり、笑いながら話したりしている


「あなた新人?」


露出度の高い胸を隠しているが、面積が小さく

みごとなくびれに腰パンツをはいた小柄な女性が葵へに話しかけてきた


「は、はい」


そう答えるのが正解なのか、とりあえず返事をする葵


「肌艶もいいし、健康的な体つき、それにいい匂いがするわ

あなたいいところのお嬢さまじゃないの?」


くんくんと近づいてきてジロジロと葵を品定めをするその女性は

葵と同じくらいの年だろうか


「あの・・あの女将さんって」

「ああ、すごい方よね。私たちはみんなあの人のおかげでこうして生きていられる

あなたもよかっわね、ここにいるってだけで幸運よ。こういう場所は初めて??」

「え???え?」

「あのお茶、避妊効果があるやつ、あれを作っているのがあの女将よ」

「避妊効果のあるお茶?」

「ここに来るなら飲んだでしょう?あなたも。あのお茶があるかないかで全然違うわよね~」


「アンジュ、そんなに新人にペラペラと話すものではないわ」


奥で鏡に向かって化粧をしている

真緑色の髪をした、化粧の濃い女性はアンジュと呼ばれるくびれ美人をたしなめた後

また鏡に視線を戻した


「はぁい、すみません」


緑髪の女性のほうが先輩なのか、アンジュはすぐに葵に絡むのをやめた


「あなた、どうしてここにいるの?」


緑髪の女の人は葵に問いかける

葵が答えに困っていると


「あなた、私たちとは違うわね」

「どういうことですか?」

「ふっ・・その顔・・地獄や絶望を知らないでしょう?」


とても綺麗な顔で満面の笑みを浮かべているのに

にこやかで綺麗な表情のゆえに、彼女がなぜか怖いと感じた葵は何も言えなかった

なぜこの場所にいるのか、わからないのだから

どう答えていいかもわからない


朝になるまで、葵はその部屋で過ごした

絡んでくる女の人もそれ以降いなかった

男に売られることも、なかった

日が昇るころには、その部屋にいるのは葵一人だ


すっとふすまが開かれ、女将が現れる


座ったまま、振り返るように葵は女将を見てたずねる


「どうして??何が目的なの?」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ