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きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
魔力、そして始まり
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「ここです」


海斗が扉を開けると

棺のような箱に入れられ横たわる華原の姿がある


棺に膝を立てるようにして座り中を覗き込む葵


「どうして?あなたは護衛になるくらい強いはずでしょ?なんで…」


横たわる華原はきれいに整えられて

顔の傷はあるものの眠ったような顔だった


雫と海斗はただ黙って様子を見ていた

葵は露店で買ったペンを華原の胸元にそっと置いた


「これ、華原にって…街で買ってきたんだよ

どんな顔で受け取ってもらえるかなって?

翡翠とも色々話せたこと、聞いて欲しかったのに…」


昨日あれだけ泣いたのに、涙があふれ出し、止まらない


「どうしてよぉ~なんで答えてくれないのよ・・」


葵は棺につがりつくようにして泣いた

その間、雫も海斗もただ黙って一緒にいてくれていた

その後は、海斗は仕事があると別れ、雫と葵は部屋に戻った


外は、嵐と言っていいほど強い風と雨が降っていた


「雫さん。お願いがあるの・・」


何かを決意したような目で、雫に真剣に向き合う葵


「華原のいない今、頼れる人もいない世間知らずの私が…

もう芙蓉姫の身代わりでいる必要も分からないけど、ここで正体を明かしたところで今回の事件に関係しないとも限らない。だからまだ、芙蓉を名乗るよ。ここで生きていく以上、私には知らないといけないことが山ほどあるってことが分かった。それに‥今回の犯人については絶対に許さない…

だから…そのために色々と教えて欲しいです」


深く深く雫に向かって頭を下げる葵に

頭を上げるようにと声を掛ける雫


「芙蓉さま…あっ違う。葵さま?」

「葵でいいです」

「葵ちゃん?でいいかな?わたしに敬語は使わないで!

わたしもそうするから!

芙蓉さま・・王様のお妃様に敬語を使われたら、不審に思われちゃうしね!もちろん、わたしの出来る限りで協力するわ」


雫は葵の両肩を掴んで、可愛らしいウインクをした


「葵ちゃん、魔力の制御できる??」

「え???魔力?」

「わたしはタヤル族だから生まれつき高い魔力を持ってるんだけど・・」


雫が円を描くようにすると

風がふわっと操られるようにして

動いているのがわかる


「私は風魔法が主なのだけど・・葵ちゃんは何属性?」

「えっ?持ってないそんなの!」

「あら?無自覚?それも珍しい」

「私の世界では魔力なんてなかったもの。魔法なんて、お伽話の中のことだもの…」

「魔力は王族、貴族が持っていることが多い。あとはタヤル族ね、平民は稀だから魔力を持つ人は城や城下に集まりその能力を生かした職に就くことが多いの。

魔力は、自然界に存在するものに干渉して発動するのが一般的で・・例えば、地、水、火、風とかね

魔力を持っている人はね、大体匂いがあるから葵ちゃんは間違いなく魔力持ちよ、匂いがあるもの」

「えっ?臭いってこと?」


自分の体の匂いを嗅ぎ出す葵をみて雫は笑う


「違う、そういう訳じゃないの、今回のことで目覚めたという可能性もあるけど・・

私は、多分アレは葵ちゃんに影響されていると思うんだよなー」

「アレって?」


雫が指をさす方向は窓の外の雨や風だった


「この天気!これは葵ちゃんの能力に反応してると思う」

「へ?」


今窓の外は嵐のように雨が打ち付けていた


「そんな、まさか」

「まさかでもないのよー

今朝の突風あったでしょ?あれは葵ちゃんの心の乱れによって生み出されたもの。

私の呪文にも反応しておさまったってことは、魔力によるものって証拠なの」

「天気が心の乱れによって変化する?まさか、そんなはず…」

「さぁ、まずは魔力のコントロールの勉強から!コントロール出来ないと

天気だからね、王都が大変なことになる」


そんなこんなで

始まった第一歩とは

魔力コントロールを覚えることからだった


何かに打ち込んでいれば

悲しさや寂しさなどを少しは抑えられた

イライラと恐怖

それらも入り混じった落ち着かない心

ずっと側にいて教えてくれた雫の優しさや人柄も心を落ち着かせてくれた要因のひとつだと思う


雫から魔力コントロールの訓練を受け

自覚はないが、外の荒れた天気が落ち着いたように見える


数日間続いた大雨や風が曇天までに快復していた


魔力は体力と同じようなものらしいが

生命にも関わる大事なものということで

休憩を入れながらの訓練だ

魔力は使えば使った分回復するが

使いすぎると寿命に影響すると教えられた


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