表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
魔力、そして始まり
17/42

17

服や手に付いた赤黒い血

あれから強制的に自室へと連れられた葵

部屋は十分なくらい暖かいのに、震えが止まらない


なぜ?なぜ?あんなに血だらけに?


目の前の光景が頭から離れない


怖い、怖い!


血がついた自分の体をどうすることもせず

カタカタと震える体で

じっと座っていることすら出来ずに

部屋内をウロウロとしていた


触れた華原の体は温かかった


まだ何かがあってから

そう時間が経ってないはず

体は温かかった

けど

呼吸や脈は感じられなかった


死…


嫌なことしか頭に浮かんでこない

頭がおかしくなりそう

ウロウロしていて全く気付かなかったが

部屋に1人の赤い髪の女が立っていた


「はじめまして、芙蓉さま

急遽、芙蓉さま付き護衛となりました。赤の部隊の雫と申します」


ぺこりとお辞儀をすると

ポニーテールにしている赤い髪が揺れ

葵は、雫がいたことに驚いて

びくっと体が反応しどうしたらいいのかわからず

うろうろとしたまま黙って挨拶を聞いていた


そんな葵を気にかけるように優しく声を掛ける雫


「今、このタイミングで知らない人が来たら困惑するのは当たり前だわ

まずは、湯に浸かり着替えましょう」


手際よく湯の準備をし無言の葵を風呂に誘導し

服を脱ぐのを手伝う雫


「私、芙蓉さまに会ってみたかったんです

義弟が王と近しいところで仕事していて、よく話を聞いていたから。でもこのタイミングとは思ってもいませんでしたけど…」


ばしゃん


湯が飛び跳ねるような音が響き

慌てて雫は湯にかけよる


「芙蓉さま!」


血は洗い流され、付いてはいないが


葵はゴシゴシと手を洗い

涙も見せず、震えながらいる

雫は服を着たまま葵を止めるように抱きしめた


「血が…あんなに。なんで?どうして?華原」


雫は葵を抱えるようにして湯を出て、着替えを手伝った


「眠れない…」

「心配なのはわかりますが、今はこうしているほかありません。

王が色々指揮をとっていますから、芙蓉さまは部屋から出ないようにと…」


ベットに横にさせられ、ベット脇に立ち見守る雫

体を半分起こしながら葵は雫にたずねる


「どういうこと?何が起こっているの?」

「芙蓉さまには知らせないようにとの伝達が…

でもそれっておかしい話よね?当事者が知らないなんて。どう思う?芙蓉さま?」


雫が今までのかしこまった話し方から、少しくだけた感じに話すから

緊張感が緩んだ葵は

落ちつきを取り戻しつつあり、頭が冷静にもなりはじめていた


「何も知らないでいいはずがない

華原が死にかけているのに、黙っていれない」

「いい目をするのね。芙蓉さま

私が知っていることでいいなら、お伝えしますわ」

「教えて下さい」

「翡翠さまの治世になってから、今までどっぷりと金にものを言わせていた腐った貴族たちが立場を追われているのはご存知かしら?それだけじゃない。地方の豪族たちや不正を働いていた物たちも一斉されたことで恨みを持っている可能性は高い。度々そういった問題が当事者ではなく周りに被害がでることが未だにあるの。例えば殺人も含めてね

ただ、今回は芙蓉さまの従者が狙われた。これはまた違う問題が発生している場合も考えられる」

「違う問題?」

「妃の揉め事にお心あたりは?」

「先日、大貴族の白蓮姫とちょっと…」

「白蓮姫?芙蓉さまも見かけに寄らず勇気ある方ですね!」


褒められてるのか?微妙に違うな?


「そういった妃争いで、芙蓉さまが恨みをかっている可能性、またはその妃争いと見せかけての何かの陰謀が生まれている可能性もあるということです。ちなみに王は、その白蓮姫とのことは知っていますか?」

「えぇ、翡翠はその場にいましたから」

「今回の件は、まだ理由がはっきりしていないので…」


ふと葵の顔を見ると

何か考え込むようにして暗い顔をしているから

これ以上はマズイと判断し、そこまでで言葉を切ってしまった雫だった


葵は考えがまとまらなくなってきていた


ここは、日本じゃない

人を殺すことも

身分があることも

私の常識を超えている

身代わりといって引き受けたこの立場は

とんでもないことに繋がることになる

もしかしたら芙蓉姫は

私と入れ違いになったのかもとか考えてたけど

まさか

殺されてないよね?

華原だって私の行動ひとつでこうなってしまった可能性が高い?

華原…華原がもし死んだら

私のせいってことも


手先が冷たい


ひゅっと暖かい風が葵の全身を包む感覚がして

顔を上げると


「お茶にしましょう!芙蓉さま」


冷たい手を取るようにして雫が葵を立たせた





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ