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きみに想う ~王の妃~  作者: 間宮沙紀
寵姫として
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半外に面した廊下の外にあたる庭のほうから

ぷっと誰かが噴き出す笑い声が聞こえる


「誰?」


葵は声の主の元に近づくと予想外の人物がそこにいる


汚れたつなぎ服に

植木に寝そべるようにして笑っているのは

王、翡翠だ…


「中身までそっくりなんだな」


翡翠は地面から立ち上がり葵の前に立つ

葵は身長が大きくない

向かいあって立つと葵は翡翠を見上げる


「なんでこんなところでそんな格好を?

まさか、今の話聞いてましたか?」

「最初から聞こえてたね」


うわっ…恥ずかしい…


寵姫なのは芙蓉姫で私ではないのに

それを理由にして偉そうなこと言ってるなんて


「芙蓉も同じことしてただろうな

あいつは誰よりも身分で人を判断することを嫌うから」


翡翠は芙蓉を思い出しているのだろうか

クスっと柔らかく笑う

笑う顔は年相応に見えて若く可愛らしい


「あの、王さま?」

「ひすいだ!」

「は?」

「ひすい!俺の名前!昔からの知り合いは俺をそう呼ぶ」

「ジェードじゃないの?」

「あぁ、それは公式な王の名だ」

「あ、そうか・・だからあの時バレたんだ…」

「前日からなんか違和感あったのはあったんだが、

芙蓉が俺をジェードと呼ぶことは絶対ないから変だと思った」


あの日から翡翠に合うことはなかったのに

こうして目の前で話すことがあるなんて

結構普通に話せたことで安堵感が葵にあった


翡翠と分かれ

当初の目的であった華原の元へ向かった


「華原、私はどうしたらいい?」

「確かに噂にはなってますからね。王と芙蓉さまが不仲なのではないかと…」


そう。噂とはさっきも

白蓮に言われたばかりの内容

”寵姫なのに最近翡翠の渡りがない”

という噂が広まっている


噂ではなく事実ではあるのだが

世間的には寵姫が飽きられたとしか見えないのだろう


「いきなり王が行かなかったら変だと噂されるのは仕方ないことだわ。かと言って手紙でそのことを伝えることは出来ない。どこで誰の目に触れていいものじゃないし、事実を隠したとして渡りがないことがバレたら終わりよ」

「私から王に申し上げるしかないですが…

貴方はそれでよろしいのですか?」

「えっ?だって本当に寵姫になるわけじゃないもん。部屋に来るという事実だけが欲しいだけだから、王と対面するくらいなんてことないよ。もう、バレていることだし」


事実的に寵姫となる訳ではない

だけど部屋に自分から呼ぶことは・・

どういう意味なのかと全く考えてない様子の葵に

心配が残る華原だったが

その葵の話の旨を直接王に伝えると

今宵のうちに行くと返事があった

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