あらすじ
第四部は過去に書いたブログを元に
ほぼあらすじになります。
名越の滅亡、やがてくる幕府の滅亡の前兆です
時氏は、弟を殺した安達家に復讐をしかけ、それは十数年の時をかけていくものでした。
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玉手は京に嫁ぐ前に密かに時氏との娘を生み、三浦に預けていました。
時実の死のショックで、花夜は急死しますが、子供(男子)は助かっていました。
安達を避けるために、その子も三浦に預ける予定でしたが、時氏は、弟:時実の子を
自分の子:経時として、藤子に渡しました。
自分の子:経時が体が弱いので、弟:時実の子を執権する事で安達に復讐しようとしたのでした。
この秘密は、名越と三浦だけのものでした。
時氏は、玉手を守るために表面上玉手と別れ、玉手は三浦に嫁ぎました。(夫は承知の上で玉手を形の上で妻にしました。)
時氏は玉手と別れた後、女遊びを再開し、身分の低い御家人の娘との間に産ませたのが
檜皮、初瀬の二人の姫になります。檜皮は生まれてすぐに藤子に引き取られました。
時氏の生活に怒った泰時は二人の孫を自分の手元で育てます。
時氏は藤子と別居したまま亡くなりますが、死に際して自分の墓は母と弟の側(時房の家)にしてくれるように得宗家の墓には入れないでくれと頼みました。(後に玉手がその隣に眠る事になります)
長男経時は体が弱く、長生きはできないと言われていました。
次男:時頼は、母:藤子が実母でない事を侍女たちの噂から聞いていましたが、実母については、知りませんでした。
時頼は寺参りの際に見かけた美しい娘が三浦の娘と知り、三浦との融和も考え、乳兄に三浦の姫に文を送りたいと言いますが、兄から三浦が得宗家との縁談を受けるとは思えない言われます。
経時から、安達の家は、自分の孫を執権にするべく、時実を殺した。その結果、時実の妻子は死亡し、祖母である茜も急死(自害した)
名越と三浦は、得宗家と縁組する事はありえない。
時氏が愛したと言われる玉手は、安達の手を逃れるために三浦に嫁いだと、そういわれた時頼は、玉手が自分の母ではないかと思うようになります。
経時は父から、時頼が長じて、「妹」と結婚することがないように、真実を告げられていました。
経時は、実母である母(安達)が、自分達の家のためにやってきたことを嫌悪していました。
名越の血を引く時頼を執権にすることで、安達に報いをうけさせるつもりでした。
名越家では、沙夜の生んだ光時は体が弱く、跡継ぎは初音の長男:時章という事になっていました。二人の外見は双子のように似ていました。
時頼の妹:初瀬は父の許で育った関係で、名越にも受け入れられていました。初瀬は光時に恋し、光時は自分の命は長くない事を自覚していたので、得宗家との縁を結ぶことも目的として、初瀬と婚約しました。
時章は、白拍子の椿を寵愛していました。時章は曾祖父:時房が沙羅のため、祖父:朝時が沙夜との生活のために、政治的な力を得なかったのが、名越の不幸(時実の暗殺、花夜の死、茜の自害もろもろ)を引き起こしたと思っていました。
名越は得宗家に代わる政治力は持っていないが、将軍家の側近としての力を持つことはできる。
何より、周囲を不幸にする得宗家をとめたいと思っていました。
三浦の縁者の讃岐は時章を密かに愛していましたが、時章はそれを承知で、讃岐を将軍家の侍女にします。当初の目的は、讃岐を将軍:頼経の側室にし、将軍家の正室となる檜皮姫の立場を弱めるつもりだった。
しかし、時頼が讃岐に一目ぼれした事で、計画が変わる。
頼経は、讃岐を時頼に与え、時輔が生まれる事になる。
時頼は、讃岐が他の男を愛していると感じていた。それが将軍頼経だと思い込んでいた。
時頼は正室との間に生まれた時宗を嫡子とするしかなく、好きな相手と一緒になれるという特権を持つ名越家をうらやましくおもっていました。
やがて、将軍頼経とその側近(名越・三浦)と得宗家との対立が深まり、
名越家の滅亡が始まります。
光時は、もともと自分が長生きできないと分かっていたので、時章として自害します。時章を助けるために。
椿も、「時章」を助けるため、時章の後を追うという形で自害しました。
初瀬は懐妊していて、生き残った「光時」と共に、伊豆に流されます。
初瀬は、光時となった「時章」に、自分には光時の子供がいる。
あなた(時章)は、伊豆で、光時として生きて、名越の血を残さなくてはならない。
始まりの江間の地で、死んだ人(光時、椿)のためにも生きていかなくてはならない。
時頼が自分の出生を知るタイミングは、経時から聞かされることにしようと思っています。
経時(時氏の実子)が、時頼が名越・三浦と対立しているのを止めようとして、
時頼にその出生を知らせますが、それは手遅れでした。
時頼は、自分が名越の血をひいているにも関わらず。復讐のために、得宗家の息子として育てられた事に怒りました。
名越の息子であれば、自由に生きられたかもしれなかった。
それが、名越・三浦への憎悪につながり、名越を追い詰めたのでした。
讃岐が密かに愛していたのは、時章だという事も知りました。
時頼は、光時が「時章」として死んだ事も、椿が「時章」の死を真実にするために、後を追って自害した事も分かっていましたが、「時章」が死んだ事を事実とすることにしました。
自分だったかもしれない「名越」のために自分ができる最初で最後の事。
讃岐や椿が命がけで愛した「時章」のために、自由に生きる権利をもっているはずの名越のために、やがて自分が滅ぼすであろう三浦へのために。
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