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第22話 パートナー契約

 ガルムを呼び戻した後、それぞれ気の合うガルムとパートナーになってもらう為、庭でちょっとしたお茶会を開いた。


 と言っても、ガルムは飲食ができる訳ではないので、話をする程度なんだけどね。


 俺も昨日一気に増えたガルムたちの性格を掴みかねていたので一緒に参加する事にした。


「自分は誰ともパートナーになるつもりはないであります! 自分はリョーマ殿一筋であります!」


 そう言うのはガルム隊の隊長、少し小柄なガルムであるコガルムだ。ちなみに、イガルムとウガルム、そしてエガルムは昨日レミの救援に連れて行ってそのまま護衛をお願いしたのでこの場に居ない。


 あの3匹も昨日と今朝少し話をしたけど、かなり濃いキャラをしていた。イガルムは執事風、ウガルムはツンデレ、そしてエガルムはなんちゃって京都弁。しかも女言葉だった。なぜこんな性格に作ったのか、もうゴブ・リーンが良く分からない。


 1時間ほどして、ジョージ、ゼムスさん、鈴木さんの3人がそれぞれ気の合うガルムを見つけたらしく、俺の所に連れて来た。


「鈴木さんがアガルム、ジョージがカガルム、ゼムスさんがオガルムですね?」


 鈴木さんは元々この1年で仲が良くなっていたらしいアガルムだ。ゼムスさんが選んだオガルムはおじさんキャラ。おじさん同士、気が合ったのかも知れない。


 問題はジョージが選んだカガルム。カガルムは気の強い女の子キャラだった。ジョージは女の子にぐいぐい引っ張ってもらいたい系なのかな!?


「それでは、皆さんパートナー契約を結びますが、本当に良いんですね?

 実質僕の配下的な扱いになるんですよ? する気はないですが、僕が理不尽な命令をしたら意に反して逆らえないんですよ?」


「もちろんだ。そんな事些細なことだぜリョーマ! 強くなれるなら俺は悪魔にだって魂を売ってやる。

 ……とまでは言わないが、リョーマなら大丈夫だと思ってる。この1年リョーマを見て来たからな。

 ガルムのパートナーになった途端に理不尽な命令とかする事はないって知ってるぜ!」


「ああ、そうじゃな。わしも心配はしておらんぞ。むしろこの状況じゃ。少しでも戦力を底上げせんと、王都が亡びかねない。ジョージ君じゃないが、悪魔にでも助けを乞いたいくらいじゃわい」


 鈴木さんもほぼ同意見なようで、ガルムのパートナーになる事に依存はなさそうだ。


「みなさんの覚悟、しかと確認させて頂きました。ではそれぞれパートナーに選ばれたガルムと……」


「ちょっと待ったーー!!」


 そこまで言ったところで、屋敷から叫び声が聞こえてきた。太郎さんだ。ノリが昭和のバラエティ番組だ。


「僕もガルムのパートナーになりたいです!」


 どうやら太郎さんもガルムのパートナーになりたいらしい。


「太郎さん、話を聞いていたとは思いますが、良いんですか? ガルムのパートナーになると言う事は、【テイマー】のスキル上、僕の配下になると言う事ですよ?」


「もちろんです。全く問題ありません。いや、むしろ是非、貴方のシモベにして下さい!」


「あーあ、もう太郎さんは完全にリョーマの信者ね」


 太郎さんが重い。ちょっと声が出るようにしただけなのに!


「分かりました。太郎さんはパートナーになるガルムは選び終わったんですか?」


「パートナーは選んでます。気の合う子がいたので」


 そう言って太郎さんが連れて来たのはえっと……。見た目がほとんど同じだから裏にある数字を見るか、【鑑定】しないと名前が中々分からないや。


「マスター。ボクはガルム8号、クガルムだよ。

 ボクからもお願いするよ。タロウとパートナー契約を結ばせて欲しいんだ」


 この1時間で結構仲良くなっていたらしく、クガルムからもお願いされてしまった。


「じゃあ、4人とも選んだガルムとパートナー契約を結ばせてもらいますね。みなさん、それぞれパートナーに選んだガルムと握手をしてください」


 4人はそれぞれのパートナーと握手をする。するとリーナさんとミルクが契約した時のように、それぞれと俺の間に何か繋がりのようなものを感じる。


《4人からそれぞれパートナー申請が届きました。マスターの承認は得られていますので、このまま契約を行います》


 【サポーター】さんの言葉と共に、薄っすらと感じていた繋がりが確かなものとなっていく。


《ジョージをカガルムのパートナーに設定しました。

 スズキをアガルムのパートナーに設定しました。

 ゼムスをオガルムのパートナーに設定しました。

 タロウをクガルムのパートナーに設定しました。

 これにより、4人はマスターの配下となり【従魔超強化】の恩恵を得ます》


「こ、これは……力が漲ってくる! 凄いぞリョーマ! 予想以上だ! ……もう何も恐くないぜ!」


「ジョージ、それは死亡フラグだからやめといて」


「冗談だ。ステータスが約2倍になったところで、俺のレベルじゃまだ役に立たない事ぐらい自覚してるさ。

 けど、経験値は11倍だろ? レベルを上げて、少しでも役に立てるように頑張るぜ!」


 くれぐれも無茶をしないで頑張ってもらいたい。


 ☆


 とりあえず神殿でも課題は山積していると、ゼムスさんが神殿に向かった事で、一旦お開きとなった。また夜に集まって状況共有する予定だ。


 鈴木さんは太郎さんにこの世界について勉強会を開くとの事で、太郎さんを連れて行った。


「さて、リーナさん。王城はこの後どうします? 残りの勇者を放置しておく訳にも行かないですよね?」


「ええ、そうね。でもその前に変異した魔物の対処もしないとね。最低でも西はダイダの街、南はエナンに向かう街道の半分、森の辺りまで魔物が変異してるみたいだから、このまま放っておくと大惨事になるわ」


 北はダンジョンとその先は国境、東は大森林が広がっている為、被害は限定的だろう。そう考えると、西と南を何とかする必要がある。


 北の街道沿いはミルクとシルクにコガルムを付けて、見回って貰う。東は一旦放置だ。


「仕方ないの。ケーキとクッキーにプリンで手を打つの!」


 ミルクはそんな事をいいながらコガルムに乗って出発して行った。


「南の街道沿いはレミの護衛に残してきたガルムたちがある程度キレイにしてくれると思いますので、僕たちはまずダイダの街までの街道沿いの魔物を殲滅しましょう」


 南も3体では護衛以外に手が回らないかも知れないのでキガルムとケガルムに援護してもらおう。


「じゃあ、私とリョーマ、そしてジョージ、カガルムで西……ダイダまでの街道付近の魔物を一掃しましょう!」


「分かりました」


 そして、今日はダイダまでの街道沿いの変異した魔物をサーチ&デストロイする事になったのだった。


「やっぱり、また空を飛ぶのかぁぁぁぁ」


 ジョージの悲鳴と共に。だって街道を普通に進んだら往復で2~3日かかっちゃうからね。

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