003話 神界への切符
この物語に出ている都市は何処でしょうか?(実在します)
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和真は松本が気絶したことに気付かず、5分ほど振り回し続けていた。
その後、「一旦落ち着いて整理しよう」と手を離し、考えに没頭し始める。
当然、気絶した松本はドサっと崩れ落ちる。
音を聞いた和真は、足元に松本が倒れているのを見て、
「えっ。大丈夫ですか!」
と声をかける。(主にこいつのせい)
その甲斐あって(こいつが主犯だけど)、松本は意識を取り戻した。
「…んん。ここはどこじゃ?
青い天井じゃのう。」
松本は空を見ながらそう言う。
「大丈夫でしたか?急に倒れられて、目を覚ましたんですよ。」
和真は心配顔で(こいつが主犯。大事だから3回言いました)助け起こした。
「…お前のせいじゃ!鉄道と聞いただけで目が輝き、人を気絶させおって。
…部長が交渉材料にと言っていたが、まさかここまで…(ゴニョゴニョ)
◎
「それで、神界と地上を結ぶのは鉄道だけだと言うことですが、転移などは使えないのでしょうか。」
「転移自体を使うことは出来るのじゃが、悪影響を及ぼすものが地上へ行ってしまうのを防ぐために出来ないのじゃ。」
「なるほど。天界へ行く手段を鉄道のみに絞ることで、悪い輩が逃げ出すことの無いようにしているわけですか。それに鉄道なら切符で乗客がわかりますからね。
切符の買うときに犯罪者かそうで無いかなども確認しているのですか?」
「いいや。その辺りのことは神界の移動局が秘匿しておってな。詳しくは分からない。」
「それで行く気になったか?」
「はい。本当かどうかはまだ分かりませんが、その鉄道を見てみたいです。」
「ふぅ。それは良かった。ワシは10等寝台車しか乗ったことはないが、それでもとても華美な装飾だった。
食事も今までにないくらい良いものを食べられたし、それに…」
「うわぁぁぁぁ!やめて下さい、旅行の楽しみが半減します!」
「おお、すまなかったのう。
では、これが切符じゃ。やはりこのプロジェクトはとてつもないものじゃからか、3等寝台車が用意されたのじゃ。十分に楽しんで転生して欲しいのじゃ。出発日は明日の午前10時で、出発場所は駅ならどこでも良いのでその駅のホームで待っていてくれ。改札は自動改札でも手動改札でも通る。
それから、寄り道は良いが神界に入るまではダメだ。到着日は出発日から5日以内だ。車掌から観光用フリー切符を渡されると思うから自由に使って良いのじゃ。
あと、荷物は転生時に持って行きたいもので良い。参考までに言っておくが、転生場所は剣と魔法の世界じゃ。王族、貴族、騎士、平民などがいて、この世界でいう中世程度の歴史じゃ。もちろん鉄道はないぞ。」
「ありがとう、では。」
「ではな。分からないことは車掌に聞くが良いじゃろう。」
そう言って来た時のウィンドウへ戻っていった。
和真はもらった切符を見る。切符には、
「地球 最寄駅⇨神界 生命部第1棟前駅
経由:地球線( )・第1入り口線・東環状線・東西線・[南3系統]転生線
天界特別寝台急行〔天の光〕乗車券・3等寝台特急券付属」
と書かれていた。
和真は明日までの時間をどう有効活用するか考えていた。
次の投稿で発表します。
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