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魔導書と秘密の魔法訓練


 この世界に転生して半月。


 俺は毎日、ティナに隠れて魔法の練習をしている。また父上の書斎に侵入して、そこに保管してある魔導書を読むのも日課だった。


 書斎に入るなとは言われていないから、別にいいよね。


 賢者としての特性か、転生特典なのかは不明だが、俺はこちらの世界の文字を読むことができる。


 父上の書斎にある魔導書は、五歳になったばかりの本来のハルトだったら絶対にわからないような内容ばかりだが、今の俺は職業が『賢者』になっているおかげで、それを理解することができた。

 

 中には俺でも読めない言語で書かれた魔導書も数冊存在した。そうした本にもいくつかわかる単語があって、それを別の本の単語と照らし合わせていくことで少しづつ読めるようになっていく。


 先日、俺が完全に読めるようになった本はどうやら、この世界でも難解とされている『古代ルーン語』で書かれた本だった。


 俺、成長してる!!


 自分が成長していることを実感できて、嬉しくなった。


 俺は邪神の呪いで、ステータスが固定だ。だからいくら訓練しても、ステータスが向上することはない。だけど勉強によって、知識量は増やせるんだ。


 今後読もうとしているのは、エルフ語で書かれた書籍。ただこれに関しては父上の書斎に一冊しか本がなく、なかなか解読ができない。


 俺の面倒を見てくれるハーフエルフのティナに教えてもらえばなんとかなると思うけど、この世界の人族の子供がエルフ語を読めるってのは異常なんだとか。古代ルーン語ほどでないにしろ、人族からしたらエルフ語も超難解な言語だという。


 だから、ティナに聞くことは諦めた。


 俺がもう少し大きくなったら、ティナの使う言葉に興味があるとかって言って、彼女に教えてもらうことにしよう。父上の書斎には他にもいっぱい魔導書があるので、無理にエルフ語を読めるようにならなくてもいいのだ。


「今日は、どの本にしよっかな」


 書斎には数百冊の本が保管されている。どの本も、今の俺にとっては興味深いものばかりだ。


 そうした中、一冊の本に目が留まった。


「なつかしいな……『魔法の基礎』か」


 この本は、(ハルト)が四歳くらいの時、ティナが読み聞かせてくれた本。俺は五歳のハルトの身体に転生してきたのだけど、それまでハルトとして生きてきた記憶も持っている。


 当時のハルトはまだ、この本の文字を読むことができなかった。


 遥人が転生し、賢者になった今は──

 

「うん。読めるね」


 少し難しい内容ではあったが、なんとか読むことができる。本のタイトルとしては魔法入門用の本に思えるのだか、実はそうではなかった。


 この世界の魔法を構成する基本的な知識。それが事細かに説明されていた。賢者となった俺でも、少し難しいと感じる内容。 


 ティナはこの本から本当に重要なことを抜粋し、さらに四歳児でも理解できるようにかみ砕いて読み聞かせてくれていたんだ。改めて、ティナの有能さを感じる。


 この本の内容を彼女が読み聞かせてくれたおかげで、今の俺は魔法のベースとなる知識が身についている。


 おそらく、この本を理解しているのといないのとでは将来、魔法の威力に雲泥の差が出るだろう。それほど重要な魔導書だった。


「すごいな、この本。いったい誰が──」


 本の著者が気になり、最終ページを見る。


 そこには、()()がこの本の内容を完璧に理解していて、当時四歳の俺にもわかりやすく説明できた理由があった。



 著:ティナ=ハリベル


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