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最強クラン決定戦 本戦(8/10)


 とんでもない速度でゲイルが突撃してきた。


 彼の手にはいつの間にか身の丈ほどある大剣が握られている。俺が持つ覇国より大きなその剣を、ゲイルはまるで小枝を振るうように軽々と振り回す。


「ほぉ、この剣を避けるか。お前、なかなかやるな!」


 魔衣で身体を強制的に動かして攻撃を避けた俺に対して賞賛の声をかけながら、ゲイルは大剣を振り続けた。


「ぐっ!!」

「直撃も防ぐか!! すごいぞ」


 何度か回避できないと判断した攻撃を覇国で受けたが、彼の攻撃はとても重かった。そしてこの攻撃は恐らく、創世級(ジェネシス)の武器である覇国じゃなかったら受けきれない──そんな感じがした。


「ぜやぁ!!」

「っと、あぶねーな」


 全力で覇国を振って距離をとる。


「貴方の剣、もしかして不変金属(ヒヒイロカネ)ですか?」


 ありえない。頭ではそう思うが、俺の直感が間違いないと告げてくる。


「……お前、名をハルトといったか? お前は凄い。ほとんど誰にも見せたことないこの剣の素材に気付くなんてな」


 ゲイルが大剣を天に掲げた。


「この大剣の名はヴァーミリオン。30年の時をかけ、ただの塊から鍛えた俺の相棒だ」


「ヒヒイロカネを塊から鍛えて大剣に?」


 そんなことは不可能だ。この世界のルールでは加工できない金属。だからこそ不変金属(ヒヒイロカネ)と呼ばれているのだから。


「信じられんか?」

「当然でしょう」


 俺は守護勇者であった時、ティナのためにヒヒイロカネの指輪を作っていた。でもアレはスキル(守護者)を発動させ、この世界のルールを無視したレベル360というステータスで何とか加工した一品だ。


 今の俺もヒヒイロカネを加工できちゃうが、それも邪神の呪い(ステータス〘固定〙)があってこそできること。


 普通のヒトじゃ、絶対に不可能なはずなんだ。


「我が一族の名を付けた最強の剣、ヴァーミリオンの素材に気付いたのはハルト。お前が初めてだ。俺は今、とても気分が良い。だから特別に教えてやろう」


 ゲイルが纏う魔力の質と量が爆増した。

 それはもう、ヒトの限界を超えている。


「俺は<限界突破>というスキルを持っている。この世界のレベル上限は300だが、俺だけはレベルを400まで上げることができるんだ」


「……マジっすか」


「もっとも、レベル300以上は必要になる経験値も膨大過ぎて、魔界にでも遠征しなきゃ全然レベルが上がらない」


 あー、なるほどね。

 このヒト、やってますわ。


「まさか魔界に行って、レベル上げを?」

「強くなる手段があるならやるだろ」


 さも当たり前のように言われた。


「ちなみに今のレベルは?」

「370だな。400は流石に遠い」


 マジかよ。スキル発動させた守護の勇者より強いじゃん。


「先ほどまではヒトを相手にするときのステータスで本気だった。今からは悪魔を相手に戦えるステータスで本気を出そうと思うが……。それでも、俺と殺り合うか?」


 脅し半分、俺が勝負を受けるか興味半分ってとこかな。


 良いでしょう。

 その申し出、受けて立つ!


「やりますよ。それじゃ、俺も神様を相手にできるステータスで本気を出します」


 海神様や竜神様と戦う時の力でやろう。

 邪神を殴る時のは流石に止めておく。


「神を、相手に? ──って、な、なんだ! なんなんだ、この魔力は!?」


 魔力を出しすぎたみたいでクランハウスが震えている。あまり時間はかけられそうにない。このままやるなら短期決戦だ。


「いき、ます──」


 魔力で身体能力を極限まで高め、一歩でゲイルまでの距離を詰めた。そして俺は覇国を振りかぶる。


「よっ!!!」


 全力で覇国をゲイルの大剣に叩きつけた。


 創世級(ジェネシス)の覇国も素材はヒヒイロカネ。それに幾重も神々の加護が付与されている武器だったんだ。ただ、そもそもが不変金属なのだから、加護は強度向上系のモノではなかった。

 

 つまり覇国とヴァーミリオンは同じ強度ってこと。そして素材が同じなら、あとはどれだけ魔力で強化できるかで強度が変わる。



 俺がありったけの魔力を注ぎ込んだ覇国は、ヴァーミリオンを両断した。


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― 新着の感想 ―
[一言] 加工出来るからって30年かけて作ったのを叩き斬る容赦のなさよww
[一言]  可哀想だから、勝負が終わったら直してあげなさいよね。 ……それも、目の前であっさりと(笑)。
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