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最強クラン決定戦 予選(8/22)


 マイとメイの声援を受けた星霊王(おっさん)はめっちゃ強かった。


「うぅ……。ハルト、ごめん」


「大丈夫。まだ対戦は始まったばかりだから気にしないで」


 おっさんに強く殴られ、イフリートとノームは精霊界に強制送還されている。シルフとウンディーネはこっちに残れたが、戦闘直後は起き上がれないほどだったので俺が魔力を渡して回復させた。


「ハルト様、シルフ様」

「それからみなさん」

「「ごめんなさい!」」


 みんなに向かってマイとメイが頭を下げる。彼女たちの応援で星霊王が強くなってしまったことを後悔しているみたいだ。


 でも家族が負けそうになっているのを見て、つい応援しちゃったのだから仕方ないと俺は思う。


「マイたちは悪くないよ。星霊王様が凄かった」


「うん。マイとメイのせいじゃない。精霊王四人でやれば全力の星霊王様にも勝てると思っちゃった僕の見積もりが甘かったせい」


 シルフが結構落ち込んでいた。でも彼女以上に元気をなくしていたのはウンディーネだ。


「久しぶりに活躍するチャンスだったのに……」


 俺たちから少し離れた所にいる彼女は、この世の終わりかと思うほど暗い顔をしている。気になったのでシルフに聞いてみた。


「ねぇ、シルフ。ウンディーネはどうしちゃったの?」


「えっと……じ、実はね。この戦いでハルトに良い所見せられたら、ウンディーネもハルトの家族にしてもらえるよう交渉するつもりだったの」


 あぁー。そういうこと。

 なら解決方法は簡単だ。


 近くにいたティナを見た。


 ティナは『またですかぁ?』と言う顔をする。それでも俺がじーっと見つめていると、柔らかい表情になった。


「ハルト様がその気になっちゃったのなら仕方ないですね」


「ありがと、ティナ」


 他の家族たちを見ても、みんな『はいはい。いいですよ』って感じだった。


 みんなの許可がとれたので、あとは本人の気持ち次第。



「ウンディーネ」


「……ハルトか。役立たずの精霊に何の用だ?」


 だいぶ落ち込んでるな。

 それだけ、この対戦に賭けてきたのだろう。


 普通に家族になろうって言っても、自暴自棄モードに入ってる彼女ウンディーネはすんなり『はい』って言ってくれない気がする。説得するのはちょっと大変かも。だから別のルートでいくことにした。


「力が欲しいか?」

「えっ」


 ヤバい。ちょっと調子に乗った。

 言ってみて恥ずかしくなった。


「星霊王にも勝てる力が欲しいか?」


 でもとりあえず、このままいくことにした。

 乗ってくれるかな?


「ほ、欲しい! 私は、ハルトの役に立てるような力が欲しい!!」


 おぉ! いいじゃん。

 ウンディーネが乗ってくれて良かった。


「力を得るためにはどうすれば良いと思う?」


「修行、とか? もしくは筋トレ」


「精霊は修行してもあんまり意味ないでしょ」


 てか筋トレする精霊っているの?

 想像するだけでも面白いんだけど。


「多少は意味がある! そ、それに私には、それ以外どうすれば良いかなんて……」


「例えばさ、あそこにいるシルフは俺が常時顕現させてそばにいさせてるから、俺の魔力を吸ってどんどん強くなってるよ。彼女がウンディーネたちを召喚できたのもそのおかげ」


 ウンディーネがポカンとしている。

 まだ俺の意図は伝わらないらしい。


「ウンディーネが良ければ、ずっと俺のそばにいてくれない?」


「えっ!? で、でもそれは」


「俺の魔力を吸って強くなって。それで将来、俺や家族のみんなを助けてほしい」


 手を差し出す。

 

 ウンディーネが俺を見てくる。彼女の視線は俺の後ろにいる家族たちも移動した。みんながウエルカムな雰囲気を出していることを感じ取ったのだろう。彼女はほんのり目に涙を浮かべながら、俺の手を握ってくれた。



「私、絶対に強くなる」

「うん。よろしくね」


 こうして二人目の精霊王が、俺の家族になった。



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そう、ヒロインたちが水着になっちゃいます!!!


その様子がこちらヽ(´▽`)/


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素晴らしいでしょう。


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何卒、よろしくお願いいたします!!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 国王「それ、うちの……いえ、なんでもありません」
[一言] 400話おめでとうございます! 遂にですね! そしてハルトのセリフが魔王w(勇者…というか賢者だけど)
[良い点] 400話到達おめでとうございます。 [一言] 書籍5巻面白かったです。
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