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ハルトの決意

 

 時は来た。


 まさか向こうから、俺の近くに来てくれるなんて思わなかった。


 これで()はできた。


 でもまずは、いざと言う時のために心残りをなくしておかなくちゃ。



 この異世界で無双するって夢は……だいたい叶った気がする。


 どんな魔物であっても一撃で倒せるようになったし、魔人や悪魔にすら苦戦することはない。


 魔王や勇者の全力の攻撃を、軽く防げる力も手に入れていた。


 それだけじゃない。


 竜の巫女や聖女といった、限られた職にしか使えない蘇生魔法(リザレクション)が使えるようになったし、本来は勇者だけが使える転移だって使える。


 神様たちの世界──神界まで自分の意思で転移するのは、勇者であってもできないらしいが、俺にはそれができる。



 家族もいっぱいできた。


 まずは、ハーフエルフのティナ。

 彼女は俺の専属メイドだった。

 百年前、一緒に魔王を倒したこともある。

 俺の、なにより大切な人。


 続いてハイエルフのリファ。

 彼女はアルヘイム(エルフの王国)の第二王女。

 お義父さん(エルフ王)からは宝剣、覇国をもらった。


 王女っていうと、メルディもだな。

 彼女はベスティエ(獣人の王国)の王女。

 猫系獣人で、手の肉球がすごく気持ちいい。


 メルディと仲の良いルナは、転生者だ。

 俺やアカリと同じ世界から来た。

 どんな文字でも読めるスキルを持ってる。


 アカリは俺の妹()()()

 転生したから、血は繋がってない。

 あと、可愛い。めっちゃ可愛い!

 だから、その……まぁ、そんな感じ。


 ヨウコは九尾狐っていう魔族の女の子。

 尻尾がモフモフで、すごく気持ちいい。

 キキョウとのダブルもふもふは、ヤバい。


 キキョウはヨウコの母親。

 竜神様の、育ての親でもあるらしい。

 大人の色気が、なんかすごい。


 同じく大人の雰囲気のシトリー。

 彼女は魔王だった。

 知らずにテイムしちゃった。

 今は俺の、大切な家族のひとり。


 エルミアは、見た目的には大人だけど──

 なぜかつい、からかいたくなっちゃう。

 顔を真っ赤にしてる彼女が、とても可愛い。


 で、そんなエルミアがベッタリなセイラ。

 セイラはサンクタム(聖都)で、聖女をしていた。

 今は聖女を辞めて、俺の屋敷にいる。


 聖女以上の回復魔法が使えるリュカ。

 彼女は竜神様の加護をもらった、竜の巫女。

 ドラゴノイドという種族だ。


 竜関係で言うと、白亜もいるな。

 彼女は最強種族の色竜だ。

 ベスティエの、遺跡のダンジョンで出会った。


 マイとメイは精霊族の女の子。

 マイが火の精霊で、メイは水の精霊。

 ふたりは星霊王の娘でもある。


 精霊っていうと、シルフも家族になった。

 彼女は風の精霊王で、世界樹の化身。

 シルフは俺の屋敷に世界樹を生やした。



 ここまで全部、俺の妻。

 うん。自分でも信じられなくなる時がある。


 まぁ、でも……いいよね?

 ここ、異世界だし。


 はい、次。


 屋敷の一番いいソファーをいつも占領してるのは、神獣フェンリルであるシロ。俺が起こしちゃって以来、うちに居候するようになった。


 最近はアカリがつれてきたテトっていう子猫が、シロと一緒に寝てたりする。テトは異世界──つまり俺やアカリがもといた世界の、神様なんだとか。


 俺の親友ルークは、奥さんのリエルと一緒に俺の屋敷に住んでる。リエルはリファの妹だから、ルークは俺の義弟なんだな。ちなみにルークは、イフルス魔法学園の学園長の孫だ。


 リュカの弟のリューシンも、奥さんのヒナタと一緒に俺の屋敷で暮らしている。邪竜に生贄として差し出されたヒナタをリューシンが助けたのがきっかけで、付き合うようになった。そんで昨年、ふたりはめでたく結婚した。



 最後に、我が家のアイドル──スライムガールズを紹介しよう。俺がテイムして、力をあげたら、なんか俺の分身魔法以上に強くなっちゃったスライムたちだ。


 普段は人化して、幼女の姿で屋敷をウロウロしてる。俺の妻たちの、着せ替え人形と化してたりするのだけど……。


 とにかく、可愛い。

 見ていて癒される。

 俺はパパ、妻たちはママと呼ばれている。



 奥さんが十五人。

 娘が五人。

 同居してる家族が二世帯四人。

 ペットが二匹。


 俺を入れて、二五人と二匹の大家族。


 これだけの大所帯なので、いろんな問題があるけど、毎日がすごく楽しい。


 不満は……ないな。

 この世界での生活に、とても満足してる。


 ずっとこのままでもいいかなって思ってる。



 転生した当初は、どうなるかと思った。


 だって異世界転生したのに『チート』がもらえるどころか、いきなり『呪い』をかけられたんだから。


 俺に呪いをかけた邪神は、俺がこの世界で活躍できないようにしたかったそうだ。


 ただ転生先は、なぜか貴族の子供だった。

 活躍させたくないなら、奴隷にでもしとけばいいのにな。


 アイツのやることは、よくわからん。

 職業も、なぜか『賢者』だったし。


 そのおかげで俺は、レベル1の賢者になった。


 邪神にかけられた呪いは『ステータス固定の呪い』だった。この呪い、ステータスの最大値が固定されるんじゃなくて、()()()()()()()()()が〘固定〙される呪いだった。


 魔力をいくら使っても減らないし、攻撃を受けてもダメージが入らない。魔力も体力も〘固定〙されてるから。


 状態が〘固定〙されてるから、毒や麻痺、強制睡眠といった異常状態にもならない。


 おかげで俺は、レベル1の最強賢者になれた。


 最強の賢者になれたから、ここまで異世界生活を満喫できていると言ってもいい。


 つまり俺は、邪神を──


 いや。()()()を、全く恨んでいない。


 それどころか、感謝すらしている。



 でも──


 それでも俺には──



 やらなきゃいけないことがある



 邪神様を──



 殴 ら な い と い け な い。



 恨みはない。

 だけど、俺は邪神様に殺されたんだ。

 死ぬのは、すごく怖かった。


 だからほんの少しだけ、仕返しがしたい。



 大丈夫。相手は神だ。

 しかも海神と同じ、最も強い神様の一柱。


 俺が全力で殴っても、なんともないはず。


 一応、元部下(?)であるシトリーに許可をもらったし、創造神様にも伝えてある。


 創造神様には、できれば手加減してほしいって言われたけど、『一発だけです!』って言ったら『それなら……よいかのぉ』って言ってもらえた。


 だから大丈夫。


 邪神様を、殴りに行く決心がついた。



 それより問題は、相手が神だということ。

 どんな反撃を受けるかわからない。


 もしかしたら、俺が消されるかも……。


 そもそも俺が最強でいられるのは、邪神様のおかげなのだから。


 俺の直感は『大丈夫』だと告げているが──



 それでも、用心はしておくべきだろう。

 この世界でヤれることは、やっておくべきだ。


 なんとなく先延ばしにしてきたけど……。


 そろそろ、いいよね?



 俺は今晩、寝る時に備えて行動を開始した。


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