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レベル1の最強賢者 ~ 呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れて最強に ~  作者: 木塚 麻弥
第十章 転生勇者

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勇者とアイテム創造

 

 翌日、アカリはアプリストス王都の中心にある大広場に来ていた。その広場の中心には、巨大な石像が立っている。


 風の精霊王シルフを従えた、ハルトの像だ。


「はる(にぃ)じゃ……ない、よね」


 彼女の兄とは、顔つきが違う。


 石像なので目の色などはわからないが、昨晩エリックに渡された本の表紙に描かれた青年の目は、綺麗な青色をしていた。


「アカリ、どーしたの?」


 石像を眺めながら、落胆した表情を見せるアカリを心配したテトが声をかける。


「テト……私ね、この世界でお兄ちゃんに会うための力が手に入らないかなっておもってたの」


「アカリの、おにいさん?」


「うん。この石像の人と同じ遥人(はると)って名前なの。はる兄は……私が五歳の時に死んじゃったんだけどね」


 アカリは遥人の妹だった。


 しかし、目の前の石像が自分の兄が転生した後の姿であることには気づいていない。


 彼女は女神からスキル<超直感>をもらっているが、まだカインのようにはスキルを使いこなせていなかったからだ。


「私がもとの世界にいた時に読んだ物語だと、異世界で力を手に入れた主人公が、元の世界に戻って死ぬ運命だった人を助けちゃったりするの」


 全て遥人が読んでいたラノベに書いてあった作り話なのだが、現にアカリはこうして異世界にいる。


 異世界があるなら、物語にあったような能力があってもおかしくないのだ。



「私、はる兄にもう一回会いたい」


「できるよ」


「えっ」


「だから、できるよ」


「で、できるって……?」


「アカリのおにいさんにあえるよ。まだアカリはじかんそうさのスキルをもってないけど、このせかいにはそれができるスキルがあるの」


 もちろん世界間転移魔法もある。

 既にハルトは、それが使える。


 そしてテトが言うように、時間を戻すスキルも存在する。


 元の世界に転移して時間を戻せば、アカリは遥人に会うこともできるのだ。


「テト、それ……ほんと?」


「うん! アカリはこれから、いろんなスキルをてにいれる。きっと、おにいさんにあえるよ。テトがそれを、おてつだいするから」


「テト!!」


 アカリがテトを力いっぱい抱きしめる。


「がんばろーね。アカリ」

「うん……うん。私、頑張る」


 兄に会えるかもしれないというアカリの微かな望みは、テトの言葉で大きな希望に変わった。



 ──***──


「まずは、魔王を倒す準備をしようと思うの」


「うん。さんせー!」


「そのためにはまず、アイテムを作ったりしてお金を手に入れます。その途中で、魔王の情報も集まるかなって」


「そうだね。ところでアカリは、なにをつくるつもりなの?」


「ブレスレットとかネックレス、あとはイヤリングかな」


 それらはアカリが元の世界で、趣味で作っていたもの。


 作ったものを両親にネットで販売してもらっていたのだが、出品したものは全て売れていた。そのためアカリには、他人に売れるものを作れるという自信があったのだ。

 

「それじゃ、そのアカリがつくったイヤリングを、イメージできる?」


「イメージ? 形とかってこと?」


「そー。できるだけはっきりイメージして」


「わ、わかった」


 テトがなにをさせたいのかよくわからないが、素直に従うアカリ。


「イメージできたー?」


「うん」


「そしたら、『クリエイトアームズ』っていって」


「ク、クリエイトアームズ」


 アカリの手が輝く。

 その手のひらに──


「えぇ!?」


 彼女がイメージしたイヤリングが現れた。


「うん、できたね。これもアカリのスキルだよ」


 アカリは女神から<クリエイトアームズ(装備創造)>というスキルをもらっていた。


 イメージさえできれば、どんな武器でも防具でも、その手に創り出すことができるのだ。



「う、うそ。これって……」


「これ、うれるかなー?」


 アカリは一切の出費もデメリットもなしに、好きなだけ装備を創れる。


 そもそも<クリエイトアームズ>は本来、神が使うスキルだ。それに加え、こちらの世界の神より力のある女神が与えたスキルなので、アカリは伝説級の装備であっても創ることができる。


 好きな装備をいくらでも創り出せるため、装備を買う必要などない。


 加えて彼女は<体力自動回復(極)>も持っているので、回復アイテムすら不要だ。


 つまりアイテムを作って金を稼ぎ、装備や回復アイテムを買って魔王に挑むという過程のほとんどは、すっとばすことができる。


 しかし──



「さすがにコレを、そのまま売るのはダメだよ」


「えっ、ダメ?」


「そうだね……例えばこの石を、この世界で採れる宝石に変えるとかするならいいかな」


 アカリは真面目だった。


 自分がなんの苦労せずに手に入れたものを売ってお金を儲けるのは、なんだか悪いことのような気がしてしまうのだ。


「なるほど! なら、ほうせきをゲットしにいこー」


 そしてテトも、アカリが魔王を倒しに行く準備をいつでも完了させることができるということに、まだ気づいていなかった。



「テト、宝石が採れる場所とかもわかるの?」

 

「もちろん。テトに、おまかせあれ!」


「頼りにしてる。案内よろしくね、テト」


「うん!」



 ──***──


 アカリは一旦ギルドに寄り、エリザにアイテムを採取しに行くことを伝えた。


「アカリ。王都のそばにある森は、奥の方まで入ると強い魔物が出るから気をつけてね」


「わかりました。それでは、いってきます!」



 その後彼女はテトを抱えて、門の所にいたエリックとも少し挨拶をし、アプリストス王都の外に出ていった。


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