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レベル1の最強賢者 ~ 呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れて最強に ~  作者: 木塚 麻弥
第十章 転生勇者

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Bランク冒険者 ヨハン(3/3)

 

 ……終わった。


 この世界の存亡をかけた戦闘だったとも思える激戦を繰り広げたにもかかわらず、スライムたちは五体とも健在だった。


 しかも、五体とも無傷。


 ハルトたちが勝てないなら、俺がこのスライムを、どうにかできるわけがない。


 いや、俺が──とかじゃない。

 この世界の誰も、コイツらに勝てないだろう。



 二体のスライムがヨウコやシトリーたち八人を拘束し、その他の三体は闘技場の中心で踊っていた。


 勝利を喜んでいるのだろうか?


 コイツらが障壁の外に出ようとした時──



 世界が終わる。


 嫁と息子たちの顔が過ぎった。


 あぁ、最後にもっかい、アイツらに会いたかったなぁ……。


 そんなことを思っていた。



「あ、あの……ヨハン、さん」


「ハ、ハルト! 大丈夫か!?」


 ハルトが、意識を取り戻した。


 俺がいる魔法障壁のすぐそばで倒れていた彼は、顔だけ上げて俺を見ていた。


「スライムって……強いんですね」


「──えっ?」


 いや、お前たちが戦ってたのは、どう考えてもスライムじゃないと思う。


 捕まえて、ここにつれてきたのは俺なんだけど、ほぼ間違いなくアレはスライムじゃない。


 なんか変なのを連れてきちまって、本当にすまん!



「お、俺たちは……負けた、のですね」


 悔しそうに涙を流すハルト。


 いや、負けてない!

 負けちゃダメだ!!


 お前らが負けたら、世界が終わっちまう!!


「ま、まだだ」


「えっ」


「お前らは、まだ負けてない!!」


「ヨハンさん……」


「お前らならまだやれる! お前らしかいないんだ!! 世界の存亡はハルト、お前たちにかかってる!!」


 酷かもしれないが、ハルトたちに戦ってもらわなくてはならない。


 俺が知る限り、あんな戦闘をしていたにもかかわらず、五体満足でいるハルトたちほどのステータスの持ち主は他にいないのだから。


「ち、ちなみに……もし負けても、再戦は可能ですか?」


「さ、再戦?」


「えぇ。今回負けても、改めて昇級試験を受けられるかってことです」


「昇級試験? そんなもん、何回だって受けさせてやる!」


 昇級試験なんて、いつだって受けさせてやる。


 だから、このスライムたちを倒してくれ!


 そんなことを思っていたら──



「そうですか、ありがとうございます。では来週、再チャレンジさせてください」


 そう言って、ハルトが立ち上がった。


「えっ」


 な、なんで立ち上がれるんだ?

 いや、立ち上がってほしいんだけど……。


「とりあえず今日は、ここまでってことで」


 ハルトが指を鳴らすと、彼らの周囲を覆っていた魔法障壁が消えた。


 まずい!

 スライム(世界の破滅)が、外に出ちまう!!



 ──って思ったのだが、スライムたちは変わらず闘技場の真ん中で踊っていた。


 そんなスライムを気にもとめず、ハルトが動き出した。


「おーい、帰るぞー」


 ハルトが声をかけると彼のパーティーと、ティナっていう女エルフのパーティーの全員が、平然と立ち上がる。


 そして拘束されていたヨウコやシトリーのパーティーが、スライムの触手から解放された。



 えっ……えっ!?

 な、なに?


 どーなってんの!?


「セイラ、みんなに回復魔法を」

「はい!」


 セイラって女性が、なんかよくわからんけど凄い回復魔法を使った。


 それで、ボロボロの姿で地面に倒れていたリューシンの怪我が治っていく。


 あと、なぜかその回復範囲にスライムたちも含まれていた。



「リュカ、闘技場の修復をお願い」

「お任せください」


 リュカっていう名の女の子も、ドラゴノイドみたいだ。


「リザレクション!!」


 彼女の身体に点在していた鱗が少しずつ大きくなったかと思うと、いきなりリザレクション(蘇生魔法)を使った。


 蘇生魔法のはずなのに──



「えっ……え?」


 大きく抉れて、真っ黒に焼け焦げた闘技場の床が、綺麗に修復されてしまった。


 驚きすぎて声が出ない。


「セイラ、リュカ。ありがとな」


「いえ。ダメージを受けてたのは、ほとんどリューシンさんだけでしたから」


「ハルトさんが、床に魔力流しといてくれたから、修復は簡単でした!」


 そんなよくわからん会話をしているうちに、ハルトの仲間の全員が立ち上がっていた。



「スライムだからって、油断しちゃダメなのがわかったろ?」


「むぅ、ごめんなさいなのじゃ」

「ごめんなの」

「俺、もうスライムだからって油断しない!」


「みんな、わかってくれたか……よし! 帰って反省会だ。ティナ、今日はカレーを作ってもらっていい?」


「おまかせください」


「ふぉぉお! 今日、ティナのカレーか!?」


 ハルトの肩に乗ってた、ちっさい狼がいきなり喋ったからちょっとびびった。


 アレは、ハルトの使い魔ってことで登録されてるみたいだけど……喋れるんだな。


「「ティナさんのカレー、楽しみです」」

「は、早く帰るのじゃ!」


「はいはい。それじゃ、ヨハンさん。また来週、よろしくお願いしますね」


 そう言って、ハルトは仲間をつれて闘技場を出ていった。


「…………」


 えっ……も、もしかして、残された俺が、あのスライムたちを倒さなきゃいけないのか!?


 そんなことを危惧していたのだが──



 なぜかスライムたちも、ハルトについて闘技場を出ていった。


「それにしても……お主の攻撃、速すぎじゃ」

「きゅぴ!」

「てか、魔衣の練度高すぎじゃね? 師匠って呼んで、いいっすか?」

「きゅぴぴー」

「リューシンさん、この子は『いいよー』って言ってます」

「ルナ、スライムの言葉もわかるの?」

「えぇ、もちろんです」

「さすがなのー」

「「きゅぴ!」」


 先程まであんなに激しい戦闘をしていたというのに、スライムたちはまるで元からハルトの仲間であるように、会話の輪に混じっていた。


「えっと……つまり、どゆこと?」


 なんかよくわからんけど──



 とりあえず、世界は救われたみたいだ。


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