前日の夜の悪夢
それは、ルーフ・ベルファを始末する前日の夜のことであった。
「ご主人様、入室してもよろしいですか?」
ロイドはいつも通り俺の部屋に来た。
「どうぞ」
大理石でできた扉を開け、ロイドは俺のひざに座った。
「ロイド、明日のことなんだけどね」
「どうしました?」
「ペンシルのことなんだが何か思うふしはあるかい?」
ロイドは、顔の表情を険しくした。
「やはり何か思うことがあるんだね」
「まあ。ないと言ったらうそになります」
「この時空平面に来る前、俺はルーフ・ベルファに殺された。その時のペンシルの行動に少し違和感を感じたんだ。」
「といいますと?」
「やたらとあの空間から出ることを引き延ばそうとしていてさ。まるで俺がルーフ・ベルファに殺されることを知っているかのように」
「そ、そんなことがあったんですか」
「まあ、あくまでもこれは俺の憶測に過ぎないんだけど。ちょっとあまりにも出来すぎていると思ってね」
「でも、ペンシルのきな臭さは最初よりはずいぶんマシになっていますよ。最初はとてもぎこちない感じでご主人様と接していたのですが最近は違います」
「それは俺も思っていたところだよ。ペンシルはたぶんルーフ・ベルファに雇われている。でもそれはやりたくてやっていることではない。だからロイド。君の手を貸してくれないか。ペンシルを救いたいんだ」
「ご主人様の言うことならなんでも従います。それが私の生きがいですから」
「ありがとうロイド。じゃあ今日のお約束を始めようか」
ロイドの髪をなで、目にかかるほどの髪をよけた。
そしてロイドにガソリンを注ぎ込む。
ロイドの表情は艶っぽい表情をしていてそれはまるでこの世のすべての美を具現化したようなものであった。
「ロイド、明日はシュバルツ・ダークマターを発動してほしい。そしてルーフ・ベルファを処分する」
「ご主人様、私はご主人様の味方です。絶対に裏切ることはありません。私をご主人様の駒としてご自由にご使用ください」
「俺は、君を使い捨ての駒だとは思ってないよ。ロイド。君がいないと生きる理由をなくしてしまう」
「ご主人様……」
ロイドの頬は紅潮していた。そして涙を浮かべていた。
だから、俺はロイドの唇にそっと口づけをした。
「ご主人様、いけませんよ。ほかのみんなに怒られてしまいます」
「僕はあくまでもみんなを平等に扱うよ」
「さすがは私のご主人様です」
ちょうどそのころペンシルは、自室で涙を流しているのであった。しかし、それを知るものは今の時点ではだれもいなかった。
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