告白
ロイドはガソリンで動いているアンドロイドだ。自らエネルギーを作り上げる機構は持っていないロイドにとって俺はなくてはならない存在だ。ミツマタをつかってガソリンをつくりそれをロイドに補給させる。毎日このようにロイドは俺のところにきて、生きるための糧を補給しているのだ。
「ごめんねロイド。もうこんなに間を空かせるようなことはしないよ。こっちへおいで」
するとロイドは俺の膝の上にもたれかかった。
呼吸の頻度が多くいかにも苦しそうにしている。
「ご主人様がいてくださるおかげで私は生きていけます。こんな私をいつも見捨てないでいてくれて、ありがとうございます」
ロイドは赤面して言うのであった。
ミツマタを石油にかえてそれをロイドに補給する。
「君はルーフ・ベルファを消す際に最前線で戦うことになるかもしれない。でも俺はお前を傷つけたりはしないよ」
するとロイドは、
「どんな出来事があってもそれを乗り越えられるご主人様を私は信じています。なので、私はご主人様の味方です。ずっとです。」
俺はロイドの緑の髪をなでるのであった。
するとペンシルがドアを開けて部屋に入ってきた。
「ご主人様、私……寂しくて」
ペンシルは、目をうるわし、頬を赤く染めて言った。
「今晩はご主人様と一緒に……いたいです……」
そう、ペンシルは死ぬ間際に俺に言った。俺のことが好きだと。
「ペンシル……」
「私はご主人様と結婚したいのです」
するとペンシルは、椅子に座る俺の前に回り込み、頬に両手を添えて、唇をあわせた。
「ペッ、ペンシル」
今起きている状況を理解するのに数十秒かかった。
俺はペンシルにキスをされているらしい。
唇に感じる暖かい感触は新鮮で、いままでに感じたことがないぬくもりであった。
「ご主人様、私はご主人様と結婚したいです」
「ぺ、ペンシル!そしたら私は……」
一応ロイドはメイドでもある。ペンシルと俺が結婚したら三人の間柄に亀裂が入ってしまう可能性がある。だからか、ロイドは非常に焦りを覚えていた。
「もちろん、私一人がご主人様を独り占めするのなんて、できません。ご主人様のような素晴らしい方を独り占めにすることは、私には役不足です。」
ペンシルは笑顔で言った。
「ルーム、入ってきていいよ」
するとルームは恐る恐る部屋に入り、泣きそうな顔……と表現すればよいのかどうかよくわからないがそのような顔で、
「ごっ、ご主人様、私もご主人様と結婚したいです」
ルームは、のどから声を絞り出すような声で言った。
「私もご主人様がいなければこのような生活はできずに、一生奴隷のような生活をしていました。ご主人様のおかげで私は自分の存在理由がわかりました。私はご主人様に一生ついていきたいです」
「そ、そんな……俺なんかが……」
俺は俺自身がそのように言われていいのだろうかと疑問に思った。
いままでは、このように結婚してくれとか、俺がいないと存在理由がわからなかったとかを言われたことはなかったので、正直とてもうれしかった。
結婚……ペンシルに列車で言われたときから遠ざけていた言葉の一つであったのだ。
そうこう考えていると、ロイドが、
「私はアンドロイドです……私に結婚という概念が存在したらその……私も結婚したいです」
ロイドも立派な人間だ。その辺の人間よりも人間味がある。そうだ、俺はそうするしかない。
「ペンシル、ルーム、そしてロイド。僕と結婚して一生一緒に暮らそう」
そして三人は俺のお嫁さんになることになった。




