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オレの心の小さな変化

 ――そういえば、身長とかってどうなってるんだろう。


 食事を終えて、そんなことを考える。

 退院前が身体検査の日なのだけど、どうにも気になって仕方ない。きっと低くなってるんだろうな。と、ふと思った。


「まあ、考えても仕方ないか」


 そう割りきってしまえば、あとは悩むことはない、……いや"アイツ"がいた。


 オレが中2の時にこの街に引越してきて、どうにも中学のクラスに馴染めなかった時に真っ先に話しかけてくれたオレの大親友。


 ――アイツがオレのこと見たらどんな顔するんだろう。

 何て考えた時だった。


 トン、トンとノックの音がする。


 この音、看護師さんじゃない。


「薫、入るぞー」

「岳?どうしたんだ?」


 来てたのは噂のアイツ、こと鈴井(すずい) (がく)だった。


「どうしたは俺の台詞だ!一週間も寝たままだし、性別変わってるし」


 ああ、なるほど要するに――


「岳か。毎日見舞いに来てた男子ってのは」

「ま、そういうことだ」

「……でもお前、もう面会時間終わるぞ?」

「えっ」


 オレはそう言って時計を指差した。

 時計は6時になろうかというところ、面会時間は6時までなのでかなりギリギリだ。


「うわ、まじだ。来てすぐだけど帰るよ」

「やっぱりお前、真面目そうに見えてなんかぬけてんなあ」

「うるさい」


 そんな会話のあと、岳は急ぎ足で帰って行った。


「……まあ、お前のお陰でちょっと楽になったよ」


 なんて岳のいない病室で呟いてみる。


 岳の前では言えないな、アイツにこんなこと言ったら間違いなく笑われるし、恥ずかし過ぎる。


 ふと、自分の考えに疑問が浮かんだ。


 ――なんで恥ずかしいのだろうか、ただお礼を言うだけなのに。


 ○


 しばらくして夕食を済ませると、オレはすぐ眠りについた。

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