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プロローグ
イギリスとアイルランドの昔話、語部たちの民間伝承に息づく人と妖精たちの物語は、蝋燭の炎が揺れるたびに微妙に変化するやわらかい光と陰のように、いくつもの表情を持って、この微睡みの時に静かにしのびよって来るのです。
夢想の中にいる子どもたちよ、眠りから夢の扉を開いて、遥かなるエーリンを冒険しなさい。そこには、善も悪もない、豊かで荒漠とした、自由だけど不自由で基準を持たない世界が広がるのみ。あなたはただ瞳を輝かせてわたしの話に聞き入った。あの時の、あなたの心のままに。
sleep a little, a little sleep
you to who i gave my love
son of d'adnangoahn
「sleep song」より