表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

異世界前の話

異世界トリップ前の主人公の話です。

 子供の頃から僕は兄が嫌いだった。

 僕の家は他の家庭とは少し…いやかなり違っていた。それは先祖代々『忍』の家系ということだ。

 父親は曽我家当主であり、人材派遣会社の社長もしている。この会社は忍の為の会社で、現代を生きる忍達の仕事を斡旋している。主に護衛や警護が多いのは忍特有かもしれない。

 そんな父親に幼少の頃から忍としてのいろはを叩き込まれ、ある意味英才教育を受けたのだ。しかし越えられない人物が身近に居た。それが兄だ。

 兄はまさに天才だった。忍としても、また表の生活でも兄は天才と呼ばれていた。その実力は10代にして父親と肩を並べる程だった。

 家族もそんな兄に期待をして、兄に全てを注ぎ込んだ。そして僕への修行は10歳になる前に終わった。実際に手解きを受けたのは3歳から9歳半ばまでだっただろう。その6年間で基礎は身についた。


 そして10歳の頃に僕は考えた。全てが平均以上出来る兄に勝つには何か一つに特化すればいいと、唯一足の速さは勝った記憶が有った為、速さに特化する事を決めた。

 ひたすら走り、本や秘伝書を隠れて読みあさり、『縮地』を体得したのは11歳の頃だ。

 それからは試行錯誤の日々だった。忍の技術と縮地を混ぜ、僕独自の忍術を作ったのだ。それが『虚空』だ。速さを極限まで高めた為、視覚出来ず、音よりも速い為、気が付いた時には永久の眠りについている最速の暗殺を可能にした業だ。

 しかし、やはり兄は天才だった。忍法や忍具を駆使して、己に有利な状況を作り上げるのだ。そして、僕を認めない父親は相変わらずだった。


 時は流れ19歳になった僕はあれからも独学で鍛練を続けていた。そんなある日、暗殺の任務を終え、自宅に帰る途中でビルとの間を飛んでいると視覚がぼやけ、僕は意識を失った。





 これが僕…曽我ハヤトの元の世界との別れであり、新たな世界に渡る前の出来事だった。

次回より異世界での話になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ