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開花:6

遅くなりました。

ノロになったり仕事が忙しかったりと…


やっと落ち着きました。

またよろしくお願いいたします。

 あれから3日目の昼過ぎ町にサイレンが響き渡る。

 町に向かってビースト達が押し寄せているという情報が複数有ったらしく、ギルドより緊急避難指示が発令された情報を集めに行ったゴウが帰って来て教えてくれた。


 フィリアはいつもの鎧を着込み、ハルバートと剣を持って町を防衛する為に、ギルドへと向かった。

 ゴウとカルシアは窓を鉄格子をはめて万が一に備える。ラターク鍛冶屋は避難指示範囲に含まれていない為に、自宅で待機するようだ。ちなみに避難するのは門に近い住人だけらしい。


 とりあえずやることが済んだハヤトは今回の事を考えていた。

 この3日、ハヤトは夜な夜な情報を探り周り、今回のビーストの襲撃が人為的な物だと核心していた。

 部屋に居たハヤトは忍装束を着て、昼過ぎだが静まりかえった町へと窓から飛び出した。




***


「うりゃあぁ!」


 門の外ではハンターがビーストと戦闘を繰り広げられていた。

 フィリアはハルバートを振り回し複数のビーストを攻撃していた。


「フィリアちゃん後ろ!」


 フィリアは声を聞くとハルバートを短く持ち直し、振り返り様にハルバートの先端部で後ろに迫っていたビーストの頭を突き刺さした。

 引き抜くとビーストは地面に倒れ動かなくなる。


「ありがとう。サナ」


「お礼はこれが済んだらでいいわ」


 そうね。とフィリアは笑うと真剣な顔付きに戻り再び迫りくるビースト達にハルバートを振り上げる。




***


 グシャ!


「な、何をするのだ!ゲイツ!」


 宿の近くの裏路地で双剣の男が首もとを押さえながら血の付いた剣を握る男に向かい叫ぶ。


「はっ!さすがスノウお嬢様の護衛だな。完全には仕留めれなかったよ」


「貴様!!裏切ったのか!許さん!!」


 立ち上がろうとする双剣の男だが身体に力が入らずそのまま倒れてしまった。


「おっ。どうやら毒が効いてきたようだな。保険のつもりだったが正解だったな」


「毒…だと」


「あぁ。ビースト用の毒だよ。もって数分だろうな。己の無力を嘆きながら死ぬがいい。ハハハハハ」


「ま、ま……………て」


 笑ながら男はスノウが泊まっている宿に向かって歩き出す。

 双剣の男はかつて仲間だった男が見えなくなっても力強く消えていった道を睨み付けていた。

 薄れいく意識の中で声が聞こえた。


「生きたいか?」



***


 スノウと側近の女性二人は人気の無い路地を歩いていた。

 護衛の男が宿を出た後に女性の一人が裏口からスノウを連れて出たのだ。理由は宿ではいざというとき逃げれないと気が付き、どこか安全な場所は無いかと歩いているのだ。

 これにより意図せず裏切った男から逃げれたのだ。しかし、そう甘くはなかった。


「スノウお嬢様!」


 突然女性の一人がスノウを押して、スノウは転ける。振り向いたスノウが見たのは護衛だった男によって腕を斬られた女性の姿だった。


「ちっ!勘のいい女だな」


「ゲイツ!何をしるんですか!マルスはどうしたのですか」


「マルス?あいつはならそろそろ死んでんるんじゃねぇか。この剣の毒でな」


 三人は驚く。そして斬られた女性に目を向ける。次第に斬られた女性は力が抜けていく。それを支えるもう一人の女性。

「さてと、時間も無いから次はお嬢様の番だ」


「お嬢様お逃げ下さい!」


 黙れ。と言いながらゲイツはもう一人に剣を振るう。避けようにも支えるので精一杯だった彼女は剣を受け庇った掌を斬られた。

 スノウはクナイを取りだし構える。


「早く解毒剤を出しなさい」


「あぁん?なんだそのナイフは?それで俺と戦うのか?笑えるぜ」


 ゲイツはスノウの言葉には耳を傾けず、スノウに向けて剣が振るう。


「お嬢様!!!!」


 路地に女性の声が木霊する。


「なんだ貴様」


 スノウの前には黒い服を着た男がスノウと同じクナイを逆手に持ってゲイツの剣を防いだ。

 突然現れた男に全員が驚愕の表情を隠せないでいた。


「ちくしょう。邪魔をするな!」


 ゲイツは更に剣を振るい、ハヤトは全てクナイで防ぐ。苛立つゲイツは一度距離を取ると左手をハヤトに向ける。


「風の刃!ウィンドカッター」


 ゲイツの指にある指輪が光風の刃がハヤトを襲う。

 ゲイツは勝利を核心していた。男が避ければ後ろのスノウに刃が当たる。しかも、受けるにはナイフごときでは無理だ。それほどの威力のある魔法なのだ。


 ハヤトは避けない。そしてクナイを握る手を横に振る。するとハヤトの周りに風が起こりゲイツの風の刃はかき消された。

 それにはゲイツだけでなく全員が驚いた。魔法を使った気配が無いのに風が起こり魔法が消されたのだ。常識ではあり得ない事だった。

 しかし、ハヤトはやってのけた。そしてハヤトは口を開いた。


「言い残す事はあるか?」

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