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譲れない想い

side アリス


「ねぇ、お兄ちゃん、アリスに溺れていいんだよ。」


ふふっ、もうお兄ちゃんの心は折れてる。

あと少し、あと少しでお兄ちゃんはアリスのものになる。


「・・・・なに?」


「誰かを傷つけることも、誰かを助けることも、息をすることでさえアリスの為ってことにしていいんだよ。

何も信じることができないお兄ちゃんには理由が必要でしょ?

お兄ちゃんのすべてアリスに捧げて、アリスに尽くして、アリスの為だけに生きれば、きっと楽になれるよ。」


さぁ、アリスの手を取って。

アリスがお兄ちゃんを救ってあげる。

誰にも傷つけさせなんてしない、ずっと、ずっとアリスが守り続ける。


「お兄ちゃんは頑張ったよ。

だから、もう休もう?

アリスがずっと守ってあげる。」


だから、アリスを愛して。

強くて、脆くて、誰よりも臆病な愛しのお兄ちゃん。


「ふふっ、それじゃあ誓いのキスでもしようか?」


アリスは一生お兄ちゃんに尽くすことを誓うよ。

だから、お兄ちゃんは一生アリスに尽くしてね。

お互いに隷属してずっと一緒にいようね。


「大好きだよ、お兄ちゃん。

これからは、アリスの為だけに生きてね。」


残念だったねお姉ちゃんたち。

これでお兄ちゃんはアリスのもの。

もう、誰にも渡さない。


「そこまでです!」


side out


side フリッグ


何とか間に合ったようですね。


「はぁ~。」


なぜでしょうか・・

凄く馬鹿にされてるような溜息をつかれてます。


「せっかくお兄ちゃんと結ばれるところだったのに、ちょっとくらい空気よめないのは仕方ないけど、あれはないよ。

それにあんなべたな登場の仕方もないよ。」


まさか、そこを駄目だしされると思いませんでした・・


「とにかく!

私は認めません。」


「別にアリスはお姉ちゃんに認めてもらう必要なんてないんだけど、お兄ちゃんが後味悪いだろうからちょとだけ付き合ってあげる。」


こんなに年下だというのにやけに見下ろされてるような気がしますね。

・・・・確かに中身はアリスのほうが大人なのかもしれませんけど。


「それにしても、お姉さんを仕向けたはずなんだけどよくこれたね?」


あれはアリスの仕業でしたか・・・

リンネを撒くのにどれだけ手間がかかったと思ってるんですか・

それに、本気で貞操を奪われかけたんですよ!


「まったく、皆お姉ちゃんに甘いんだから。

まぁ、誤差の範囲内だからいいんだけどね。」


・・・本当にアリスは10歳なんでしょうか。

実は姿だけ幼くしているだけで1000年くらい生きていると言われても信じてしまいそうです。

10歳の子供が心を折ったり、私を妨害したり、それ以前にもこの計画の為に裏で手を回したり、こんな子供怖すぎますよ!


「ところで、お姉ちゃんはどうするつもりなの?

アリスならお兄ちゃんを救ってあげられる。

だから、お兄ちゃんが大切ならアリスに任せてくれない?

別に今いるところから出ていくわけでもないから、何も変わらないよ。

あ、でも、夜の営みはじゃましないでね。」


思ったんですけどアリスに一番悪影響与えているのはレンじゃないんでしょうか。

話し方がなんだかレンに似てるような気がします。


「レンを手に入れるのは私です。

それにレンは簡単に負けません。」


「ふぅ~ん、お兄ちゃんを信じてるんだね。」


「当然です。」


レンは絶対に負けません。

レンが自分を信じられないというのなら私がレンの分まで信じます。


「お姉ちゃんはすぐに何でもできるようになるよね。

半年とちょっとでずっと家事をやってたお兄ちゃんに追いつく勢いだし、神としての力を使えばでいないことなんてほとんどない。」


「だから、どうだというんですか?」


このもったいぶった言い方、レンにそっくりですね。

それも、勝気を見出してる時の。


「でもね、アリスが一番すごいと思うところはどんな時でもお兄ちゃんを信じていることだと思うんだ。

だって、お兄ちゃん自身がお兄ちゃんを信じていないのに微塵の疑いもなく全幅の信頼を置いてる。

アリスだってお兄ちゃんを信じてるけどお姉ちゃんみたいに疑わないなんて無理だもん。」


「いい加減回りくどい言い方はやめて、はっきり言ってくれませんか。」


レンを信じるなんて当然のことです。

むしろ、レンを疑えという方に無理があります。


「じゃあ、はっきり言うね。

アリスはねお姉ちゃんが一番をお兄ちゃんを苦しめてるとおもうんだ。

お兄ちゃんの一番の不幸はお姉ちゃんと出会ったことだとさえ思うよ。」


「なにを「考えてみてよ。」」


「お姉ちゃんと出会わなければお兄ちゃんはもっと早く死ぬことができたんだよ。

アリスたちを守るなんて言い出すこともなかった。

お姉ちゃんは考えたことある?

他人を傷つけることを死ぬほど嫌うお兄ちゃんが自分が信用できない策に皆の安全を掛けるプレッシャーが?

きっと不安に押しつぶされそうになると思うよ。

安全が保障されるまでずっと張りつめっぱなし、余裕を見せせててもアリスにはいつ緊張の糸が切れるか冷や冷やして見てられなかったよ。」


「私がレンを苦しめていたことくらいわかっています。

そのことから言い逃れしようとは思いません。

それでもレンは変わりたいと言ったんです。

だから、私はそばで支え続けます。」


レンは絶対に変われるはずです。

今はまだでも、少しずつ進んでいけるはずです。


「また、それかぁ。

アリスはその言葉を聞くたびに憎しみさえ覚えるよ。」


っ、この殺気は今まで感じたことがない程強いですね。

アリスの実力は把握しているつもりでしたけどどうやら私の前では抑えていたようです。


「初めのころはただ羨ましかっただけだったけど、時間がたつにつれておかしいって思い始めた。

お兄ちゃんは自分のことでも精一杯なのに、不安とプレッシャーに押しつぶされそうになりながらアリスたちを守ってる。

それなのに、お姉ちゃんが信じてるからってお兄ちゃんは頑張り続ける。

もう、ぼろぼろなのに、立っていることさえやっとなのに、それでもお姉ちゃんが期待をかけるから!!」


っく、いったいどれだけ力を抑えていたんだすか。

この力はすでに神に匹敵するだけの・・・


「もう無理をして傷ついていくお兄ちゃんは見たくない。

お兄ちゃんはアリスが守る。

もう誰にも傷つけさせない!!」


あのアリスがここまで感情をむき出しににするなんて・・・・

ですが


「だからといって私も諦めはしません!!

私がそうであったように人は変われるんです!!」


「・・・・・そうだよね。

ごめんね、お姉ちゃん。

お兄ちゃんのことになるとすぐ熱くなっちゃうみたいだから。

まぁ、治そうとは思わないけどね。」


この空気・・・・

やはり、こうなるんですね・・


「それじゃあ、戦おうか?

アリスは意思を曲げるつもりはないし、お姉ちゃんもそうでしょ?

だったら、折るしかないよね。」


「私に勝てると思ってるんですか?」


「かなり難しいと思うよ。

でも、万に一、億に一でもいい。

たった一回それを掴み取ればいいんだから。

それに、もう気づいてると思うけどお姉ちゃんが見てきたアリスと思わない方がいいよ。」


「分かっています。

どんな隠し玉を持っているか知りませんが圧倒的な力の前には無駄だということを教えてあげます。」


「ふふっ、お兄ちゃんも言ってたけど人を舐めない方がいいよ。」



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