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新婚生活?

「ごちそうさま。」


この部屋に閉じ込められて大体6時間くらい。

時計が存在しないというか時間の法則が違うから役に立たない。

それは置いておいて、空腹を覚えたから食事となった。

いつも、食ってるんだが美味い。

バリエーションはともかく味に関してはもう教えるどころか教えてほしいくらいだ。


「お粗末さまでした。

美味しかったですか。」


「ああ、いつも通り美味かった。」


「ああ、この夫婦っぽい会話・・・・いいです。」


悦に入ってる奴は放っておくとして、これから何をするか?


「レン、そろそろ寝ませんか?」


意外と早く戻ってきたな。

しかし、気絶してたからそこまで眠くはない。

まぁ、軽い昼寝くらいならいいか。


「そうだな。

それじゃあ、お休み。」


床で寝ることになるが、何とかなるだろう。


「何やってるんですか?」


「何って、寝ようとしてるんだが。」


「レンも一緒にベッドで寝ましょうよ。」


まぁ、そう来るとは思っていた。

だから、その問いに対する答えも用意済みだ。


「却下だ。」


「いいじゃないですか。

一緒に寝ましょうよ。」


いくら妹だからと言って俺の理性にも限度がある。

俺だって年頃の男だし、目の前に飛び切りの美少女が無防備にしていて心が揺らがないわけがない。

2,3日くらいならともかく一週間は流石にまずい。

一度許したらその後もって流れになるだろうからな。


「いいじゃないですか。

私、寂しいと死んじゃうんですよ。

この前、ミナと手をつないでた時も我慢したじゃないですか。

だから、ご褒美をください。」


それを言われるとなぁ。

あの状態のミナを放っておけるわけないってことくらい誰だって分かるし口を出さないことくらい常識なんだろうが、こいつにとっては大変な事だったんだろう。

それに、寂しいと言われるとどうしても構ってやりたくなる。


「今日だけでいいですから、お願いします。」


「・・・・・今日だけだぞ。」


「ありがとうございます!!」


結局、俺は厳しくはなれないらしいな。

こればっかりは、なおせるようなものじゃないし、なおそうとも思わないけどな。

シスコンという自覚はあるがそれを堂々と自分をシスコンと言えるほど羞恥心は捨ててない。

だが、シスコンと言われても仕方ないと思えるくらいには大切に思ってる。

それを、泣かせることになると思うと、やはり二の足を踏んでしまうな。


「こら、引っ付くな!!」


「狭いんだから仕方ないんですよ。」


その割には押し付けられている気がするぞ。


「こうして、同じベットで寝るのはヴァナヘイムの時以来ですね。」


あの時のこいつは、それはもう手が焼ける厄介事の塊だったな。

すぐに、記憶を消すだの監禁するだの物騒なことを言い出すわ、すぐに泣きだすわで大変だった。


「レン、私はあの頃から変われてますか?」


「ああ、手のかかる子供から、手のかかる妹くらいには成長したな。」


「それって成長してるんですか?」


手がかからなくなったら俺は軟禁なんてされてないだろう。

それに、俺としてはいつまで手のかかる妹でいてほしい。

これは俺の我儘でしかないんだがな。


「もう、半年以上も言い続けてるのにちっとも傾いてくれないんですから。

レンから苛められるのは好きですけど、放置されたり焦らされたりするのは嫌ですよ。」


「そういうことを堂々と言うな。」


もう、自分がMだと認めてやがる。

別にそれは構わないんだが、それをオープンにするのはいろいろ危ないな。


「レンが構ってくれるならそれでもいいんです。

もちろん、優しく接してくれる方がいいですけど。」


「はぁ、もう分かったから寝ろ。」


ちょっと前なら優しくするといろいろ危なかったが、今なら少しくらい感情の抑制はできるだろうから前みたいに距離を置く必要はないか。

よくみると、本当に成長したものだ。


「レン、私が起きた時に最初に視界に入るのはレンですからね。

私が起きた時に隣にいなかったら泣きますよ。

私が泣いたら、いっぱいキスしてくれないと泣き止みませんからね。」


・・・・・本当に成長してるのか?


side フリッグ


ん~、こんなに気持ちよく寝れたのは初めてです。

約束通りレンもいてくれてます。

寝ぼけて、抱きしめてくれるという素敵なイベントはないみたいですけど。


「レン、まだ寝てるんですか。」


・・・・どうやら、まだ寝ているみたいですね。

気絶していた間も寝てたんですから、レンは睡眠時間が長いんでしょうか?

しかし、これはチャンスです。

レンが寝ぼけて抱きしめてくれないなら、私が寝ぼけたふりをして抱きついちゃえばいいんです。


「それじゃあ、失礼します。」


ああ、最高です。

今まで生きていた中で1,2位を争う位幸せなことかもしれません。

それにしても、こっちの世界に来てからずっと鍛えていますから、レンの体って逞しいです。

・・・・・まだ、起きませんよね。

いつも焦らされてるんですから、キスくらいしても許されますよね?

いえ、許されるべきです。

私をここまで好きにさせておいて、一向に手を付けてくれないんですから我慢させている分キスの1回や2回、これは権利のようなものです。

それじゃあ・・・・・


「なにをしてるんだ。」


・・・・・本当にガード固いですよぉ。



「で、どういうつもりだ?」


うぅ、苛められるのはレンのものになってる感じがしていいんですけど、怒られるのは嫌です。


「その~、私が寝ぼけててレンに抱き着いちゃってたんですよ。

そしてら、キスをしたくなっちゃいました。」


半分くらい嘘ですけど、証拠なんてありませんからばれないはずです。

これで、少しは許してくれないでしょうか。


「フリッグ、俺に嘘が通じると思ってるのか?」


「な、なんのことでしょうか・・・・」


や、やっぱりレンは鋭いです。

でも、このまま黙っていれば


「俺はフリッグが寝付いてから大分後に寝たが、寝相は悪くなかったし寝返りも打ってなかった。

それに、抱きついてきて俺が起きないとでも思ったか?」


「うっ、お、起きてたんですか・・・」


これじゃあ言い訳のしようもないじゃないですか。

それなら、こんな回りくどく言わなくても・・・・・


「鎌をかけただけだったが、やっぱりそういうことか。」


「・・・・レンって本当に詐欺師に向いてますよね。」


「どうやら、反省してないみたいだな。」


あんな自然に鎌をかけられたって分かりませんよ。

結局、レンに嘘はつけないんですね・・・


「すみません。」


「はぁ、もうするなよ。」


でも、ちょっとくらいいいじゃないですか。

別に減るものじゃないんですし、レンはもっとサービスするべきですよ。

だいたい、ガードが固すぎです。

これなら、フリングホルニを墜とすほうが何倍も楽です。


「で、今日は何をするんだ?」


「レンと私の将来設計なんてどうですか?」


「これからも兄と妹だ。」


ここまできっぱりと言われ続けると流石に泣きたくなりますね。

諦めるつもりにはなりませんけど。

しかし、本当に何をしましょうか?

こうなるのなら、少しくらい考えておくべきでした。


「何もないなら、この機会にいろいろ教えとくか。」


いろいろって、もしかしてついに抱かれちゃうんでしょうか!!

レンにエッチなことを体に教えられながら身も心のもレンの物にされちゃうんですね。


「それじゃあ、やるぞ。」



「そこはよく混ぜておけよ。」


まぁ、こんなことだろうとは思ってましたけどね。

よくよく考えれば、キス1つでも全然やってくれないのにその先なんてやってくれるはずありませんか。


「こうしてると新婚夫婦みたいですね。」


まぁ、レンに料理を教わりながら一緒に作るというのも悪くないんですけどね。


「仲のいい兄妹にしておけ。」


「でも、最近は兄妹同士っていうのもあるそうですよ。」


レンの住んでたとこには血の繋がった本当の兄妹同士っていうのもありましたし。


「どこで聞いたか知らないが、現実では絶対とは言い切れないがありえないからな。」


やっぱりですか。

まぁ、いいです。

今はこうやっていちゃいちゃできてればそれで・・・・



なんだかんだであっという間の1週間でしたね。

料理を教わったり、おしゃべりしたり、ゲームをやったり、一度も勝てませんでしたけど・・・・

初日だけと言いながらも、結局毎日隣で寝てもらいました。


「後数時間ですね。」


「ようやく出られるのか。」


「余韻を台無しにするようなこと言わないでください。」


まったく、レンにはデリカシーがたりないんです。

たぶん、わざとでしょうけど。


「レン、どうして1週間もいてくれたんですか?」


レンなら、1週間を待たなくても出れたはずです。


「まぁ、確かに出ようと思えば出れたな。」


「それじゃあ、どうしてですか?」


「寂しいと死ぬんだろ?

俺はフリッグに死んでほしくいし、泣いて欲しくもないからだ。」


うぅ、顔が熱いです。

どうして、こうピンポイントで言ってくるんですか!!

レンはあれですね、ツンデレです。

口ではいろいろ言いながらも、結局は優しいんですから。


「レン、大好きです。」


「兄妹としてなら、俺もだ。」


いつかデレさせて見せます!!

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