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種明かし

「レン、説明してもらうぞ。」


「ん? ああ、昨日のことか。

もう隠す必要もないし別にいいか。

で、何を聞きたいんだ?」


「どこからお主の手が入っておった?」


ここは日頃のお返しと行こう


「どこからだと思う?」


「日頃の仕返しのつもりか。

器の小さい男じゃ。」


説明するの止めよう、一生もやもやしたまま過ごせ。


「くだらぬプライドを刺激された程度でいちいちいじけるな。

だから小さいというのじゃ。」


「それが人に教わる態度か?」


「妾は姫で、レンは部下じゃ。

一般論など通用せぬ。」


なんという傲慢不遜、いっそ清々しいな。


「まぁいい、どこから俺の手が入ってたかだったな。

それは、最初から最後まですべてだ。

あの脅迫状だってフリッグに頼んでばら撒いたものだしな。」


「なぜ、最初に言わなかった?」


「フリュネが戸惑っているところを見る為だ。

なかなか見ものだった。」


日頃俺がどれだけ悩まされてるか少しでもわからせる良い機会だったし、唯我独尊のこいつに仕返しもしたかったしな。


「そうか・・・・」


嫌な予感が・・・・


「フリッグ、実は先日レンが妾をはずか「フリッグ、昨日は助かった!!」」


「それは反則だろう。」


そんなことをフリッグに言ったらどんな目にあわされるか。

最近おとなしい分、爆発した時が怖い。


「レンが馬鹿なことを言うからじゃ。」


「まぁ、それも半分は本当だがもう半分はフリュネに知られたらどうしても不自然なところが出てくるからな。

フリュネには自然に動いてもらいたかったんだ。」


有能だからこそ無駄のない動きをする。

だからこそ動きが予測しやすい。


「では、あの暗殺者は・・・・」


「あれはフリッグだ。

ちなみに王も共犯だぞ。」


事前に説明するときに2人で話した時は本気で寿命が縮むかと思った。

なんだあのプレッシャー、内心冷や汗だらだらだった。


「どうやって、父上を協力させたのじゃ?」


「ムスペルヘイムの一件があっただろう。

身内内では王位継承権の剥奪で済んだんだろうが、被害者である俺に何の処置もなかったことを利用した。」


身内の恥をばらされたくなかったら、我ながら悪党にしか聞こえないな。


「妾が父上のもとについたときにギリギリだったのはそのせいか。」


「別に本気で危害を加える気はないが、本気だと見せつけるためにはあれくらいやった方が効果的だっただろう?」


「まんまと乗せられたというわけじゃな。」


「次は、フリュネが追いかけてた時だな。

その時、やけに通る声がなかったか?」


「言われてみればそうじゃな。

妾の声は届いておらぬのに魔法で攻撃しろといった声だけは皆に伝わっておった。」


「その声はミナだ。

種を明かすと、あの中にミナと天笠を紛れ込ませてミナの声が届くように天笠に調整してもらってたんだ。」


天笠は魔法を使えると言っても振動に関するものだけだからな。

皮切りとなる魔法を使ってもらうためにミナの力が必要だったというわけだ。

協力してもらうために俺がどれだけ苦労したか・・・・・


「後は、フリッグが外に出てからのことだがここまで言えば大体わかるだろう。」


「あの死体は偽物というわけか。」


「ご明察、あれはフリッグに作ってもらった人型を模した人形だ。

とはいっても、材質は人に限りなく近いものだがな。」


だから、肉が焦げた臭いなんかで識別しようとしても無理だ。

だが、所詮は人形だから普通に見られた違和感がある。

その違和感を消すために黒焦げにしたり、体の一部を削ったりした。


「ミナの魔法を皮切りにそこにいた奴らが魔法で攻撃し始める。

そこで、ミナと天笠は空間転移で退場。

追われていたフリッグも空間転移で退場。

そして、魔法が放たれている方向にアリスが人形を持て行き黒焦げにしてフリュネが来る前に空間転移で退場。

それを、フリュネが見つけ、あとは知っての通りの流れだ。」


公衆の前でフリュネに告白なんて鳥肌が立ちまくって、周りに気付かれないか、そこが一番不安だった。

思い出しただけども鳥肌が立ってくる。

やっぱり、天変地異が起きてもフリュネとは無理だな。


「まさか、本当に2日で解決するとは・・・・」


「言っておくが、思いついたのは偶然だからな。

同じことをまたやれと言われてもできないぞ。」


今回の件だって俺1人じゃあ絶対に無理だったしな。


「そういえば、全員に力を貸してもらったんだから礼は行っとけよ。」


「分かっておる。

妾にできることなら何でもしてやるつもりじゃ。」


それは良かった。

いくら俺が頼んだからと言ってこれ以上あいつらに貸しなんて作ったら俺の理性が保てるか分からないしな。


「そういえばあれからの反応はどうだ?」


「表面上は取り繕っておるが、大騒ぎじゃ。

なにせ、一般人を迎えるのじゃからな。」


「まぁ、その内治まるだろう。

だから、下手に刺激を与えるようなことはしないようにしないとな。」


「分かっておる。

しかし、よいのか?

あんな派手なことをすれば1日の記憶をすべて消す必要があるじゃろう。」


「それなら問題ない。

記憶を消すのではなく、記憶をぼかしてもらうことにしてもらった。

王が狙われていることに気付いたのはレン・カザミネじゃなくフリュネの部下。

俺が言ったことは思い出せないが、王に対してなにか言ったということだけは覚えておいてもらえば矛盾は発生しないし、言った内容は適当に言ってしまえばそれで終わりだ。」


アフターケアまで考える必要があるから本当に厄介だった。

だが、これで今の生活を守れるのなら苦労したかいがあるというものだ。


side フリュネ


「失礼します。」


「フリュネか、このタイミングで来るということは先日の件のことを聞いたようだな。」


「はい。

そこれで一つ聞いておきたいことがあります。

父上はあれを制御することができますか?」


「無理だな。

我ならば即刻始末する。

あのような狂犬を従えられるものなどおるまい。」


妾も今回のことで思い知らされた。

今回は演技だったからよかったものの、あれが本気で父上を亡き者にしようとしたのならすでに父上は生きておらぬ。

先日は城にいるすべての人がレンの掌の上で踊らせられておった。


「フリュネ、悪いことは言わん。

あれとはすぐに手を切れ。

いつか、喰い殺されることになるぞ。」


「・・・・・お断りします。

あれは妾に必要な存在です。

それに、あれを制御できれば妾は父上を超えたことになる。」


今回確かめたかったのはそこじゃ。

これで、明確に父上をを超えた証を見つけることができた。


「そうか、だがもう一度だけ言っておく。

あれは我でも従えさせることはできない。

あれは狂犬の皮をかぶった化物だ。」


「それは重々承知しています。

あれには首輪でなく鎖で手綱を握っているつもりです。」


故に、その鎖を守らなければ妾の命もないじゃろう。


「ならばよい。

これからも期待しておるぞ。」


「はい。

では失礼します。」


レンがいれば間違いなく妾は王になれる。

後は妾次第、レンを従えられるかその一点じゃな。

妾もまだまだ精進せねばな。


可能な限り論理的に組み立てましたが矛盾はないですよね?



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