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鈴音の力

GW、第2話目。


本を読んで、書いて、の繰り返しなだらだら生活を送ってます。


こんな日がずっとつづけばいいのに・・・・・

「やぁ、おはよう。」


「お、おはようございます。」


天笠が来てから翌日、ミナやフリッグが毎日こっちで朝食を取ってるってことで必然的に天笠もこっちに来ることになる。

そして、フリッグの怯え方が凄い。

天笠からできるだけ離れて震えながら俺の腕にしがみついる。

自分から言ったからか無下にも扱えないらしい。


「そう怯えないでほしいな。

何も取って食ったりはしないよ。

・・・・・今のところはね。」


こいつわざと言ってないか?

フリッグの反応を見て楽しんでるな。

微妙にその気持ちがわかるのが嫌だな。


「リンネ、そういうのは朝食の後にいくらでもやっていいからまずは食べなさい。」


「分かった。」


「後にもやらないでください!!」


「それで後2日後大丈夫なの?

私とレンはデートでいないのよ。

フリュネも仕事で忙しいでしょうし。」


「アリスはギルドのお姉さんのところに行ってくる。」


気を利かせたつもりか、それとも本当に用があったのか、どちらにせよフリッグにとっては最悪の1日になりそうだな。


「レン、行かないでくさい!!

もうレンしか頼れないんです!!」


「そういうのはミナに言ってくれ。」


俺が行かないと言っても俺の意見が通ることなんてないしな。

自分で言ってて悲しくなってきた。


「ミナ!!」


「もちろん駄目よ。

私だってレンとのデート、ものすごく楽しみにしてるんだから。」


ミナがこう面と向かって言うのも珍しいな。

微妙に顔が赤いところを見るとやっぱり恥ずかしいらしい。

ミナはこうでないと可愛くないというか面白くないというか。


「うぅ、せめてフリュネかアリスは一緒にいてくれませんか?」


「すまぬ、仕事が忙しくてのう。」


「頑張って!!」


フリュネはともかくアリスは誤魔化す気満々だな。

それにしてもアリスは随分押すな。

ライバルを蹴落としておきたいのか、百合カップルを見たいのか、どちらにせよ10歳くらいで考えてほしくないことだな。


「私はこの街に来たばかりだし、案内してくれれば嬉しいな。

皆は忙しようだから、頼んだよ。」


「ぜ、絶対に変な事しないでくださいよ!!」


「それは振りかい?

風峰が相手をしてくれないから溜まっているものあるんだろうし、気が利いてなかったようだ。

だが安心していい、皆が出払ったらきっと満足させよう。

ふふっ、これは楽しみだ。」


こいつが男だったらセクハラでここにいる女性陣から殺されてるな。

いや、セクハラは性的嫌がらせだから普通にセクハラだな。


「レン、やっぱり無理です!!

お願いしますから一緒にいてください!!

2人になったら私食べられちゃいますよ、リンネに手籠めにされちゃいます!!」


いざとなったら撃退すればいいだけだろうに。

それすら思いつかないほど混乱してるらしい。


「天笠、そのへんにしとけ。

本気で怯えてるぞ。」


「それはすまない。

フリッグの怯えている姿を見ているとぞくぞくとしてね。

どうやらやりすぎてしまったみたいだ。」


こいつドSだな。

俺も似たようなとこがあるが相手を怯えさせる趣味はない。

でも、フリッグは結構Mっぽいし相性はいいのか?


「うぅ、どうして私が・・・・・」


それは俺も言いたい。

どうして俺はヤンデレに付きまとわてれるんだ。


「そういえば天笠は今日どうするんだ?」


「街の案内は2日後でいいとして・・・・・

今日は君たちの仕事ぶりを見ることにしよう。」


変に迷われても面倒だしそれならいいか。


「それじゃあ行くか。」

「あっ、今日はお兄さんも一緒なんですね。」


「ああ、いい加減アリスに変な事をふきこないでくれ。」


「あれはアリスちゃんが聞いてくるんですよ。

いいじゃないですか、あんなに可愛い娘に一途に想われてて。」


その一途さが問題なんだよ。

フリッグもだがアリスもミナも一途すぎる。

もっと外を見れば俺以上の男なんているだろうに。

まぁ、アリスに彼氏なんてまだ早いから許さないけどな。


「それにしてもまた可愛い娘を連れてきたようですけどまた妹さんですか?」


「いや、今は違うな。」


もしフリッグを落とせば将来的には俺の義妹となるわけだからな。

しかし、同性愛なんてものを以上と思わないのはまずいか?

最近常識というものを悉く覆すようなことばかり起こっているせいか常識が揺らいでる。


「ということは彼女ですか!!

駄目ですよ、可愛い妹さん2人にあんなに愛されてるのに浮気なんてしちゃ。」


兄妹同士の家族愛ではない愛をそこまで応援できるこの人は一度病院に連れて行くべきだな。


「心配しなくてもそんなんじゃない。

どちらかといえばフリッグの彼女・・・・というより彼氏だな。」


考えてみるとまともなカップリングがないな。

俺とフリッグだと妹以前に神と人だし、アリスが吸血鬼と妹ということを除いても10歳で犯罪だし、フリッグと天笠は同性だ。

唯一まともなのは俺とミナか?

ミナも一応エルフだが人間とエルフなんてこの世界じゃ普通だしな。

そうはいっても、ミナも妹みたいなものだからありえないけどな。


「ということは百合ですか!!

それはそれで素敵ですね!!」


なんというか何でもありだなこの人。

いや、アブノーマルならいいのか?

なんというかお近づきになりたくない人種だな。


「ところで何か仕事はあるか?」


「それで2人の関係はどこまで進んでるんですか!!

もしかして、もう人には言えないような関係にまでいっちゃってるんですか!!

そうなると、やっぱり妹さんはネコですよね、ちょっとMっぽい妹さんに・・・・・・」


興奮しすぎだろ。

やっぱり、この人にアリスを任せるのは不安だ。

はやくなんとかしなければ。


「・・・・・妹さんは体中を火照らせながらも「おい。」抵抗しようとしますがそんな抵抗も虚しく「おい!!」っは!!

す、すみません、ちょっとトリップしてしまいました。」


本当にこの人にアリスは任せておけない。

しかし、アリスはなぜかこの人に懐いてるし。

誰かに真っ当な情緒教育を頼みたいが俺の知り合いには癖の強いやつしかいない。

いっそ、フリュネに頼むか?

アリスのためだ貸しの1つや2つくらいどうってこと・・・・


「あの~、呼びかけておいて無視するのはどうかと思うんですけど。」


「悪い、とにかく仕事はあるか?」


「そうですね・・・・・・・

これなんかどうでしょう?」


「アクアライトの納品か。

この前取ってきたやつはもうなくなったのか?」


「そもそもアクアライトは結構貴重なんですよ。

採掘場所は基本的に魔物がうようよいますし、道も悪いですから。

それをあんなに安価で売り出したらあっという間に売れてしまいます。」


それはそうか。

あの時は採りすぎて単価が安くなっていしまったからな。

今度は必要量だけ取るとしよう。


「それじゃあこれにする。」


「承りました。

ご武運を祈ります。」


この切り替えだけはすごいんだよな。

「本当にゲームのような世界だ。」


「俺たちから見ればな。

この世界に生きてる人にとってはそれが現実だ。」


生きるために魔物を退治するのは当たり前だし、何かを作るために材料を取ってくるのも当たり前のことだ。

この意識の差が異世界に来たときに一番厄介なことかもしれないな。


「まぁ、私はフリッグと一緒にいれればどこでも構わない。」


「ひっ!!」


そういう反応が天笠を喜ばせてるって分かってないのか?


「風峰、2時と7時の方向に何かいるようだ。」


今のフリッグには期待できないがアリスが気付く前に気づくとは、能力は使えるんだが人格の問題があるな。


「できるだけ接触しないように案内を頼む。」



本当に一体も魔物と遭遇せずにつけるとは。

そんなことアリスにだって無理だぞ。


「採掘するなら早めにした方がいい。

臭いで嗅ぎ付かれるぞ。」


「フリッグは・・・・駄目か。

アリス頼む。」


神をここまで怯えさせたのって天笠が初めてじゃないか?

本当に2日後が心配になってきた。


「採ってきたよ。」


「それじゃあ帰るか。」


「アリス、ちょっとそれを貸してくれ。」


「?、はい。」


何をするきだ?


「こんな感じか・・・・・」


「それは・・・・分解してるのか?」


アクアライトに付着していた汚れを完全に消した。

汚れたものを持ち歩きたくはないから助かる。


「ああ、できるか分からなかったがやってみるものだな。」


分子の結合を振動で分解するとは、俺が思っている以上に汎用性のある能力だな。

流石に分子分解となると戦闘では使えないとは思うがそれを抜いても十分に強い。

しかも、力の制御を誰に習うわけでもなく使える頭脳といいかなり有能だ。

まぁ、その分性格に難ありだがフリッグを掛け合いに出せば制御することも不可能じゃないか?

これで少しは平和になればいいんだが・・・・・

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