まさかの展開
意外な展開になってきたな。
自分を道具として扱うような生き方をしていたなら新しい目的を与えてやれば立ち直れるとは思うが、まさかフリッグの為にとは。
聞いた感じ俺なんかより男らしくないか?
「分かった。
天笠鈴音という音をフリッグに預けよう。
君を癒し、君を守ることを誓う。」
本当に格好いい。
口調も合わさって普通に俺より格好いいな。
「よろしくおねがしますね。」
これって、また新しい住人が増えるのか?
今回はフリッグが言い出したことだから俺に非はない。
ミナやアリスを説得するのはフリッグに任せよう。
「ああ、こちらこそよろしく。」
美少女同士絵になる・・・な!!
「ふぇ?」
「ふぅ、キスがこれほどいいものだとは知らなかった。」
「え? え? 今何をしたんですか?」
流石のフリッグも相当混乱してるな。
いや、俺も相当驚いた。
まさか、いきなり唇を奪うとは。
「言っただろう?
私は君を癒すと、心も、もちろん・・・・体もね。」
なんだこの展開?
予想外にもほどがある。
「い、いやぁああああ!!
わ、私にそんな趣味はありません!!
リンネには音を望んでるんです!!」
おお、フリッグがこんなにも怯えるとは。
俺を盾にしたところで意味はないと思うが。
それにしても、天笠はフリッグに対しての切り札になるかもしれないな。
使ったら使ったでフリッグに記憶を消されると思うが。
「それは困ったな。
私も同性同士というものには興味がなかったが君ならば大歓迎だ。
私を背負ってくれると言ってくれたとき胸が高鳴ってね、君を私の物にしたくなった。
それに君は神なんだろう?
神と人より同性同士の方が現実味がある。」
冗談には聞こえない。
これは本気で言ってるな。
しかも、かなり説得力がある。
「私はレンの物になるんです!!
レンからも何か言ってください!!」
「風峰、君は何も聞いていないはずだ。
それに私は障害が大きければ燃える性質なんだ。」
「だそうだ。」
そういわれたら俺は何もいえない。
むしろ俺としてはフリッグのヤンデレから解放されるから天笠には頑張ってほしい。
「お姉さん・・・」
「ア、アリス・・・」
フリッグは何か言ってくれると思ってるんだろうが、期待は裏切られるな。
「頑張って!!」
「ああ、任せてくれ。
君の姉は私が幸せにして見せよう。」
「アリス!!」
見事に外堀が埋められていく。
アリスがこれならミナも簡単に賛同するだろう。
「さて、私もフリッグと同じところに住みたいんだがアリスは了承してくれたようだ。
風峰はどうだ?」
「俺は別に「レン!!」・・・」
痛い痛い!!
腕が潰れる!!
「風峰にとってもフリッグにとっても悪くない話だと思わないか?
私が君たちの家に行くことになれば風峰はもうここに来る必要はなくなる。
そうなれば、一緒にいる時間も増えるだろう?」
「そ、それは・・・・」
確かに天笠が来てくれれば俺の仕事も終わりだしな。
それに天笠の能力はかなり使える。
仲間にできれば心強い。
「いったい何の騒ぎじゃ?」
「あ、フリュネから何か言ってください!!」
いきなり来たフリュネに何が言えるんだ。
相当混乱してるな。
「レン、説明せよ。」
「かくかくしかじかだ。」
「成程のう。」
フリュネもすぐに陥落すると思うがな。
天笠の力があれば簡単だろう。
「確か姫は私に祭りの最後を飾って欲しいと言っていたな。
認めてくれるというならやってもいい。」
やっぱり聞いてたか。
「すまぬフリッグ、妾にはどうしようもないようじゃ。」
あっさりと陥落。
あとはミナだけだがもう無駄だろう。
「私は嫌です!!
寝てるところを襲われたらどうするんですか!!」
それは俺も常日頃から言いたい。
お前が来ても分かるように来たら音が鳴る仕掛けまでしてるんだぞ。
なぜか、アリスはそれを躱してくるんだよな。
「なら近くに住むとしよう。
どこかいいところはないか?」
「ならば、妾が部屋を借りているところに来るがよい。
必ず貸してくれるはずじゃ。」
フリュネも必ずをつけるほどそう思ってるのか。
まぁ、俺もそう思ってるけどな。
「レン、私に感情を操作する許可をください!!」
「駄目だ。
フリッグが背負うって言ったんだ、言葉の責任はとれ。」
俺が日頃どんな思いをしてるか知ってもらういい機会だ。
あわよくばそのまま結ばれてほしい。
フリッグと天笠は結ばれて幸せ、俺もフリッグのヤンデレから解放されて幸せ、最高の結末だな。
「レン!!
変な事考えてないでどうにかしてください!!」
「好きになったものはしょうがないだろう。
それに俺がどうこうできる問題でもないし、下手をすると好意が俺に向くってこともあるかもしれないぞ?」
ありえないと思うが、フリッグはそれだけは避けたいはずだからな。
「そうだな、フリッグに捨てられたらショックで風峰に傾いてしまうかもしれない。」
「うぅ、分かりました・・・・
で、でも、私が好きなのはレンだけですからね!!」
「分かってるよ。
だが、私はフリッグが好きだ。
流石に嫌がってることはしないがいつかその心を開いてもらおう。」
めげないなぁ。
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「ふ~ん、事情は分かったわ。
部屋は余ってるから自由に使っていいわよ。」
「感謝する。」
フリッグもいい加減覚悟してたのか反応らしい反応はないか。
「ミナ、私たちは親友ですよね。
何かあったら守ってくれますよね?」
フリッグからそんな言葉が出るとは、よほど参ってるな。
「ええ、私たちは親友よ。」
「ミナ・・・・」
「でも、レンは譲りたくないからリンネには頑張ってもらわないとね。」
今日は散々だな。
全員が天笠を応援って現金な奴らばかりだ。
「うぅ、もういいです!!
私にはレンさえいてくれればそれでいいです。」
ついに拗ねたか。
流石に可哀想になってきたな。
「天笠、フリッグが拒否してる限り手を出すなよ。」
「それはもちろん。
彼女を悲しませるようなことがあればここにいる全員から殺されそうだ。」
応援するとは言ってもフリッグは家族だからな。
家族を悲しませて黙っていられるような奴なんてここにはいないはずだ。
フリュネは・・・・・たぶん大丈夫だろう。
「レン、やっぱりレンは優しいです!!」
「いちいち抱き着くな。」
ミナとアリスが怖いだろうが。
天笠も違う意味で怖い。
side リンネ
「それでは頼んだぞ。」
「分かった。」
まさか、私の目的を奪った祭りを締めくくるとはな。
これも、私を道具として扱い、フリッグと出会えたからか。
皮肉だな、あのまま目的を果たしていたなら私は死んでいたかもしれない。
この世界に来てフリッグに出合い新しい目的を、この命が尽きるまで私を奏でられる目的を得ることができるとは。
「我らが命を育み、見守り続けている我らが神よ・・・」
そして、なにより天笠鈴音という音としてではなく人として成したい目的ができた。
「この命尽きるその時まで貴方を敬い、清く正し生きることを誓います。」
風峰、彼女に合わせたくれたことだけには感謝するが君は私の敵だ。
「この世界に、生きとし生ける命に神々の祝福を。」
必ず奪い取る。
まさかのリンネ×フリッグの百合展開!!
になるか分かりませんがこれ以上レンにヒロインはいらない、かといってフリュネの立ち位置は一人で十分ということでこうなりました。
だんだん作品が暴走して無事完結できるのか微妙・・・・