表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/127

婚約者 ユーリア

2件目のレビューで嬉しいやら恐れ多いやら・・・・


期待を裏切らないように描き続けたいと思います。


最後にシェイド様、レビューありがとうございます

「フリッグ、アリス、準備できたか?」


なんだかんだで出発当日。

いつも通りにホームギルドで仕事を貰いながら新たな職を探してたらあっという間だった。

この世界にないお菓子でも作って売ろうかと思ったがそこまでたいした腕じゃないし、この世界の職人に同じ物を作られたら勝ち目ないしな。

そうなると、やっぱりフリュネの補佐に付くべきかなのか本気で悩む。

給料はいいだろうし国の内情を知ることができれば今の生活を守っていけるんだが、上司がフリュネという点がどうにも引っ掛かる。

どうしたものか・・・・・


「今行きます。

アリス、忘れ物は無いですか?」


「うん、大丈夫。」


「それじゃあ行くか。」


はぁ、今回は何が起きるのか果てしなく不安だ。

今回は羽休めってことだからこっちから動くことないんだが、向こうからやってこないということじゃないからな。


「レン、眉間にしわが寄ってますよ。

何があっても私たちが何とかしますから楽しみましょう。」


「そうだよ、お兄ちゃん。

お兄ちゃんは頑張りすぎだからもう少しアリスたちを頼っていいんだよ。」


だから、どうしてお前等はそんなに格好いいことばかり言えるんだ?

裏でこそこそしてる俺が惨めに思えてくる。


「考えるのは俺の仕事だろ?

ちょっとは見せ場を作らせてくれ。」


「私としてはなにもせず私なしで生きられないようになってくれてもいいんですよ?」


さらりと怖いこと言うな。


「アリスはずっと一緒にいてくれればそれでいいよ。」


やっぱり、アリスは可愛いな。

最近ちょっと黒いけどそれも含めてアリスは可愛い。


「あっ、レンたちも来たみたいね。

これで全員揃ったことだしとりあえず紹介しておくわね。」


「ジンの婚約者のユーリア・レヴィンです。

いつもジンがお世話になってます。」


おお、なんという美形カップル。

しかもお淑やかな物腰、俺の周りにはいないタイプだな。

ちなみに今まで会ったことがなかったのはいろいろ巻き込まれてそれどころじゃなかったからだ。


「俺はレン・カザミネでこっちが妹のフリッグとアリスだ。」


いまさらだがフリッグって俺より年上だから姉だよな?

手のかかる姉・・・・やっぱり妹って感じが強いな。


「紹介も終わったみたいだしそろそろ行きましょうか。」

「それにしてもいい人見つけたな。」


「ああ、俺にはもったいないくらいだ。

ユーリアは俺の部下なんだが仕事はできるし、家事もできる。

それに加えあの容姿と正確だからな。」


いきなり惚気が来たか。

もともと極度のシスコンだった分、今度は極度の愛妻家になりそうだ。

ユーリアさんって人もかなりいい人みたいだし親友の俺も喜ばしい限りだ。


「ところで聞きたかったんだが3日くらい前から随分ミナの機嫌が良いんだが何かあったのか?」


「ちょっとからかって機嫌を悪くした時、甘い物を作ってやったらかなり好評でまた作ってやるって言ったからじゃないか?」


本当に良くもとっさにこんな嘘を吐けるもんだ。

親友を騙すってのはいい気分じゃないが本当のことを言えるはずないしな。


「そうか、関係が進展したと思ったんだがどうやらまだみたいだな。」


っ!!

落ち着け、動揺を気取られるな。

ジンのことだから黙ってくれるとは思うが知られないことにこしたことはない。


「まぁな、それにしてもユーリアさんとは出会ってまだ数ヶ月だろ?

婚約って少し早すぎないか?」


「確かにそうなんだが俺もユーリアもいい歳だからな。

親同士の勧めもあって婚約は済ませたんだ。」


よし、どうやら話は逸らせたな。


「そうだったのか。

なにはともあれおめでとう。

幸せにしてやれよ。」


「ああ、ありがとう。

レン、俺はお前が出した答えならどんな物でも受け入れる。

例えそれが死でもだ。

だが、俺は友としてレンには死んで欲しくない。

それだけは知っておいてくれ。」


死にたがりの俺には誰かを幸せになんてできない。

俺に出来ることは誰かの幸せを俺の届く範囲で守ってやることだけだ。


「今の生活は気に入ってる。

だが、大事だと思えば思うほどそれは俺を苛む。

だから、今は何も言えない。」


「・・・・・・そうか。

俺はレンの親友だ。

愚痴くらいは聞いてやれる。」


「ああ、その時は頼む。」



side ジン


やっぱりまだ駄目だったか。

大事だと思えば思うほどレンはミナ達を悲しませる罪悪感で死ぬことができない。

それでも、究極的に信じることができないレンは失う恐怖から逃げ出すために自殺を諦めらない。

今でこそ、レンは妹さんが強制的に生かしているからこそそれを支えに正気を保っていられるかもしれないが、もしその支えが無くなったら・・・・・・

それに、ミナ達の前では決して弱さを見せることもしない。

親友が苦しんでるのに俺は無力だな。

俺に出来ることは誰かがレンの心を溶かしてくれることを祈ることしかできない。


「どうかしたの、ジン?」


「ちょっと考えことをな。」


「先程のレンさんのこと?

いくら親友と妹でも色恋沙汰に手を出すのはだめよ。」


「それは一度やってミナに本気で怒られたよ。

・・・・・ユーリア、俺は無力だな。

親友が苦しんでいることが分かっているのに何もできない。」


「そんなことないわよ。

ジンにはジンにしかできないことだってあるはずよ。

男同士でしか話せないことだってあるでしょ?」


「・・・・そうだな。

俺が落ち込んでても仕方ないか。」


祈っていても何も変わらないか。

俺に出来ることをやって行くしかないか。

とりあえず


「ユーリア、愛してる。」


「私もよ、ジン。」


俺たちが幸せなところを見ればレンも羨ましがって誰かを愛そうと思うかもしれない。

いろいろやってみるか。


side out


うおおお・・・

ジン、頼むから俺たちの前でいちゃつくのは止めてくれ。

幸せそうで何よりだがあの3人がどんな反応を起こすか分かったもんじゃない。


「仲が良いようで何よりじゃのう、レン。」


この我が儘姫、ここでそれを俺に振るな!!

ニヤニヤしながら言われると本気で殺意が湧いてくる。


「・・・そうだな。

ところでミナ、ムスペルヘイムにはあとどれくらいで着くんだ?」


「あと数時間で着くはずよ。」


このまま逸らしきってやる。


「なら今日中には着くのか。

観光は明日からでいいのか?」


「そうね、着いたころにはいい時間だろうからそこは自由に行動していいわよ。」


「っち、この甲斐性無しめ。」


やっぱりこいつの下で働くのは良く考えた方がよさそうだ。


「レ「フリッグはどんなとこみて回るつもりなんだ?」」


危ねぇ・・・

何を言おうとしたかは知らないが間違いなく面倒なことを言おうとしたはずだ。


「とりあえず初日は皆で海に行くつもりです。

2,3日目からは何かしら巻き込まれるでしょうから特に何も考えてません。」


流石に学習したか。

しかし、予定で何かに巻き込まれるって悲しすぎる。


「娯楽の街って言われてるくらいだから万が一何も起きなくても退屈はしないから大丈夫でしょう。」


万が一とまで言うか。

最近はアルフヘイムにいても何かしらに巻き込まれるから平穏に過ごした覚えがない。

やばい、泣きたくなってきた。


「大丈夫、お兄ちゃん?」


「心配してくれるのはアリスだけだ。」


本当にアリスはいい子だ。

これで押し倒したりしなければ最高の妹なんだけどな。


「キスのこと忘れちゃ駄目だよ。」


「・・・・アリス、最近ちょっと黒くないか?」


ちょっとした悪戯のつもりなんだろうがこっちは洒落にならない。


「ふふっ、ホームギルドの受付のお姉さんがちょっと黒いくらいが女は魅力的って言ってたから。

それに、お兄ちゃんもちょっとは警戒するようになるでしょ?

そしたら、完全な妹として見れなくなるよね。」


あの人はアリスに何を教えてるんだ・・・・・・

しかも、悪戯のレベルじゃない計算された行動だったとは。


「お兄ちゃんは妹には絶対手を出してくれないけどそうじゃなくなったらどうなるのかな?」


黒い、黒いぞアリス。

ちょっと前までの真っ白だったアリスはどこへ・・・・・


「まったく、悪戯もたいがいにしないと駄目だぞ。」


「そうやって、丸めこもうとするのも駄目だよ。」


「何のことだ?

アリスは俺の可愛い妹なんだからちょっとくらい悪戯しても許してやれるけど、他の人に悪戯すると駄目だから注意してるだけだぞ。

悪い事をした子にはちゃんと注意してやらないと将来困るからな。」


「む~~~!!

絶対妹って言えなくしてあげるから覚悟してねお兄ちゃん。」


行ったか・・・・・

はぁ、まさかアリス相手に絡め手を使うことになるとは思わなかった。

今度ホームギルドに行ったら余計な事を教えないように言っとかないとな。


side フリッグ


本当に羨ましいですね。

私もいつかレンと・・・・・・

しかし、レンを相手にしているとどうしても話が逸らされてしまいます。

私がレンを無視できるはずもありませんし、どうしましょうか?


「悩んでおるようじゃの。」


「はい。

ちょっとは進んでいるとは思うんですが本当にレンは難攻不落みたいです。」


レンを落とす難しさに比べたら神界を落とす方が簡単そうです。


「ふむ、フリッグよいくら話を逸らされようと今回ばかりはそうもいかぬ筈じゃ。」


「どういうことですか?」


「今回の旅先はムスペルヘイムじゃ。

そして、海ともなれば水着になるじゃろう?

どれだけ難攻不落であろうがフリッグの水着姿を見ればなんとも思わぬということはないはずじゃ。

その動揺した時こそチャンスじゃ。」


流石フリュネです。

本当に頼りなります。


「はい!!

私頑張ります!!」


「ところでフリッグはどんな水着を選んだのじゃ?」


「アルフヘイムにはあまり良い物がないそうなのでムスペルヘイムで選んだほうがいいと、ホームギルドの受付の人に聞いたので着いてから買おうと思ってます。」


「ならば、妾が選んでやろう。

レンは意外と単純じゃからどんな物が好きかくらいはおおよそではあるが予想がついておる。」


こ、これが大人の女性です!!

年は私が上ですけど、フリュネは大人という感じがします。


「くっくっ、これは面白くなりそうじゃ。」


side out

先に言っておきます。


水着の描写に期待しないでください。


もうどんな種類の水着を書くので精一杯です。


まぁ、女性の水着に詳しい男にはなりたくないですけど・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ