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妹の理由

参った、確かに前もそう簡単には行かなかったがここまでとは・・・


「いい加減機嫌直せ。」


「ふん!!」


あれからすでに3日、まともに口をきいてもくれない状況だ。

フリッグならからかっても次の日になれば元通りだから同じ調子でやったらこれだ。

さて、どうするか・・・・


「ミナ、腹減ってないか?

昨日試しに作ってみたから食べて見てくれ。」


昨日この状態だった時点で今日もこれだろうと思ったからな。

作戦その① 甘い物でご機嫌を取ろう


「・・・・・おいしい。」


「向こうの世界には結構普通に売ってあった物なんだけどこっちじゃなかったみたいだからな試しに作ってみたんだが問題ないみたいだな。」


久しぶりに出すが、向こうの世界では義妹が甘い物が大好きだったからお菓子作りはそこそこできると思ってる。

今回はシュークリームを作ってみたが腕は鈍ってないようだ。


「ふ~ん。」


会話が続かない。

どうやら失敗のようだな。

しかし困ったな、作戦その①とか行ってみたがこれ以上何も浮かばない。

下手に物を送ろうものならフリッグやアリスにも買ってやることになってしまう。

それで機嫌が良くなってもまた悪くなるだろう。

しかし、妹ってのはそんなに悪いものだったか?

ある意味一番近い存在のはずだ。

まぁ、ミナの気持ちを考えれば脈なしってことで機嫌も悪くなるだろうがここが俺が最大で譲歩できるところだ。

ゲームなんかでは義妹から恋人にランクアップなんて良くあることが現実ではありえない。

世間から後ろ指をさされたり、身内からの受けもよくないし、他にも色々なリスクがあるからな。

それを差し引いても妹を恋人にしようなんて思わない。

だから俺は妹というフィルターを敷いてそれ以上進むことはないと自己暗示をしてる。

正直言ってそうでもしないと本気で襲ってしまいそうになる。

本当にこいつら可愛いんだよ。


「レン、私ってそんなに魅力ない?」


「いつもジンが言ってるだろう?

ミナは十分に可愛い。」


「私はレンの意見が聞きたいの。

いつもはぐらかそうとするんだから。」


誤魔化しきれなかったか。

この程度ミナを誤魔化せるなんて思っていなかったけどな。


「可愛いと思うぞ。

向こうの世界と合わせてもミナ以上の美少女はそうそういない。」


「うっ・・・・」


こういう直接的な言い方に弱いのか。

次にいじめるときに参考にしよう。


「それじゃあ、どうして私はレンにとって妹なの?」


どう答えたものか・・・・

正直に答えようものなら何が何でも妹というフィルターを外させようとするだろう。

そうなれば理性を持たせる自信なんてない。


「前にも言っただろう?

ジンは俺の親友だからその妹は俺の妹のようなものだって。」


「そんな当たり前のような顔して嘘つかないで。

確かに兄さんとレンは仲いいけど兄さんは私とレンをくっつけようとしてるんだから、なおさら妹としては見れないはずよ。」


くっ、これだから頭が良い奴は面倒だ。

どうやったら誤魔化せるんだ?


「もしかして私がレンのこと好きって信じられない?」


あれだけはっきり言われて分からない奴なんているわけないだろう。

それにあれが嘘だというなら女優にでもなることお勧めする。


「私、レンになら何をされてもいいよ・・・」


やばい、この空気はやばい。

どうしてこんな時に限って誰もいないんだよ!!

これ程フリッグがいて欲しいと思ったことはない。

今ならあのプレッシャーが喜べるような気がする。


「お、落ち着け。

フリッグが帰ってきたらいい訳が効かなくなるぞ。」


「ちょっとずるいけど、私が本気だってこと教えてあげる。」


駄目だ、こっちの話まったく聞いてない。

熱にうなされてるような表情になってる。

あれはまともな思考が働いてない。

やばい、脱ぎ始めやがった!!


「待てミナ!!

そういうのはちゃんとした関係になってからだって言っただろう!!」


「だって、こうでもしないとレンは私のこと妹だって言うもん。」


ここにきて幼児退行・・・・

まずい、まずいぞ。

ミナの体は目の毒だ。

まだ服をはだけさせてる程度だがそれでもあの朱に染まった白い肌に細い腰、形のいい胸・・・・・・・・はっ!!

見惚れてる場合じゃない。


「落ち着け!!

もっと自分を大事にしろ!!」


「してるもん!!

ずっとずっとレンの為に大事にしてきたんだよ!!

だから、私の初めて貰って。」


耐えろ俺の理性!!

頼むからそんな誘うような表情で俺を見るな!!


「レンは私の体じゃ興奮してくないの?」


そんわけあるか!!

俺は向こうの世界ではまだ高校生だぞ。

相手がミナじゃなかったら確実に襲ってる。


「私はレンが助けてくれた時なんて自分で慰めてたんだよ・・・」


とんでもないことをカミングアウトすんなぁぁ!!

なんだこの可愛い生き物は?

こんな生き物が存在していいのか?


「ミナ!!」


「あっ・・・」


ああ、どうして女の体ってこんなに柔らかくていい匂いがするんだよ!!

本当にこのまま押し倒してくなってくる。


「俺がミナを妹だって言ってる理由はなそう見てないと本気で好きになってしまいそうだからだよ!!

どこの世界にこんな美少女に迫られて揺らがない男がいるんだ!!」


「それほんとう?」


「本当だ。

正直、今ミナを抱きたくて仕方ない。」


「それじゃあ「でも、それはフリッグやアリスを裏切ることになる。」・・・」


「俺に家族を裏切らせないでくれ。」


ちゃんとした関係になるまでお互いに手を出さない。

俺が言ってフリッグやアリスは従ってくれてる。

まぁ、たまに暴走する時もあるが・・・・

それを俺が破るわけにはいかない。


「・・・ごめんなさい。」


「分かってくれればそれでいい。」


「でも1つだけ確認させて。

レンは私の子と1人の女の子として見てる?」


「そう見ないように妹として見るよう努力してる。」


「そっか、ごめんね。

フリッグやアリスはちょっとづつでも進んでるのに私だけ置いてかれてるみたいだったから。」


俺ってそんなに分かりやすいか?

フリッグの時はともかくアリスの時は誤魔化せたと思ったんだが。


「本当にこんなのはこれっきりにしてくれ。

心臓が破裂しそうだ。」


「本当、レンの心臓の音が伝わってくる。」


普段凛としてるイメージからのこれだ。

これがギャップ萌えってやつか?

威力が高すぎだろう・・・・


「レン、もうちょっとこうしてていい?」


「あと3分ならな。

フリッグが帰ってきたら問答無用で記憶を消される。」


半裸のミナと抱き合ってる状況なんて見たら説得の余地なんて皆無だ。

アリスに押し倒されたことといい、最近こんなの多いな。


「ありがと。」


はぁ、今夜眠れるかなぁ・・・・・・

「ミナ、機嫌直ったんですね。

どんな手を使ったんですか?」


「甘い物で機嫌を直してもらった。」


「本当に美味しかったわ。

今度また作ってね。」


フリッグに尋ねられることくらい分かってるから、ミナとは前もって口裏を合わせてる。

これって本当に浮気してるみたいだな。


「本当にそれだけなのじゃな?」


「それ以外になにかあるのか?」


っち、どこまでもひっ掻きまわそうとしやがって。

見てる方は面白いかもしれないがこっちはこれまでの記憶と貞操がかかってるんだぞ。


「ふむ、つまらぬの。」


「帰れ。」


まったくこの我が儘姫は


「お兄ちゃん、ミナお姉ちゃんと抱き合ったりしたでしょ。」


「・・・・・なんのことだ。」


アリスが血を吸っていた状態でよかった。

これなら誰にも聞こえない。


「お兄ちゃんからミナお姉ちゃんの臭いがするよ。

一応確認しておくけど最後までやってないよね?」


今までこれほどアリスが怖いと思ったことはないな。


「心配せずともキスすらしてない。」


「抱き合ってたことは否定しないんだね。」


アリスも頭がよくなったなぁ・・・・

こんな徐々に追い詰めてくやり方でくるなんて。

アリスには純粋でいて欲しかった。


「何かして欲しいことあるか?」


「どうしてそんなこと聞くの?」


本当に頭良くなったなぁ。

ここでそう返してくるのか・・・

しかも満面の笑みで。

いつもの状況なら可愛いで済ませられるが今は恐怖しか湧かない。


「ふふっ、冗談だよお兄ちゃん。

後でキスしてくれれば許してあげる。」


はぁ、心臓に悪い。

背中が冷や汗でびっしょりだ。

どうしてアリスとこんな駆け引きをするはめになってるんだ?


「2人になれたらな。」


「うん、大好きだよお兄ちゃん。」


ああ、あの純粋で真っ白だったアリスが黒くなっていく。

お願いだからこれ以上黒くならないでくれよ。

まぁ、どんなに黒くなってもアリスは俺の癒しなんだけどな。


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