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未来予知

総合PV35万、ユニーク3万突破!!


「しかし、未来予知が出来るようになるって、そもそも未来予知なんてできるものなのか?」


アースガルドまで空間転移した後、いつものミナの車で目的地まで走ってる。

ダークハートは自分しか転移させられなかったらしいがミナは普通に俺たちだけじゃなく物も転移できる。

ますます、哀れだ。


「出来ますよ。

未来予知と言っても2つあるんです。

1つ目は誰でもやってることです。

例えば、レンと私が戦うとすればレンと私のことを知っていれば私が勝つことが予想できますよね。

でも、私たちのことを知らなければ普通男であるレンが勝つと思います。

つまり、私とレンのことを知っていれば誰でも結果が分かります。

これも立派な未来予知です。

情報を読み取り先のことを視通す1つ目の未来予知です。

未来予知を出来るほとんどの人がこっちの方で凄い人となるとその人を見ただけで情報を読み取り未来予知ができます。

でも、これは数多の未来の中の1つですから100%そうなるとは言えないんです。

これも、才能の差が出ます。」


そう言われればそうなるな。

しかし、見ただけで情報を読み取るって凄すぎだろう。


「2つ目は望む未来への道が視えるものです。

これは神でも持っている者は少数です。

簡単な例を出しますと、私が美味しく料理を作るためにはちゃんとした手順があります。

2つ目の未来予知を持ってる人はどうすれば美味しく作ることができるかの手順を視ることができます。

これは1つ目の未来予知と違って100%成功します。

そうはいってもレンが私に勝つことは不可能なので不可能なことを可能にすることはできないんですけどね。」


恐ろしい能力だな。

つまり、1%でも可能であればどんなことでも出来るってことだ。

まぁ、退屈しそうな能力でもあるがな。

その能力があれば失敗なんてありえないし、どうなるかすべて分かってしまう。

いうなれば、先の分かってる物語を読んでいるのと同じだ。


「どちらにせよ、先天的な才能の持ち主でなければ使うことはできません。

未来予知を持っている者の脳の構造は普通の物とは違います。

普通の脳が扱える情報を遥かに超えてますからね。

もし、無理矢理使おうとしたらあまりの情報量で脳が焼き切れるんじゃないでしょうか。」


なんとも役に立たない宝だな。

いや、俺なら死ぬ覚悟でやれば一応使えるのか?


「こう話を聞いてると胡散臭さが増したな。

町興しのために流したデマじゃないのか?」


9つもでかい街があるんだから人は基本的のそっちに流れるだろうし、そうなれば小さい村や町は衰退してくる。


「別に宝探し云々はこの際どうでもいいのよ。

用は面白そうな何かがおこればいいんだから。」


頼むから建前だけでも言ってくれ。

本気で挫けそうになる。


「アリスは何があってもお兄ちゃんの味方だよ。」


「アリスは本当にいい子だな。」


くっ、あんなことがあった手前少しぎこちなくなってしまった。

気付かれなければ良いんだが・・・・


「レン、どうかしましたか?」


「なにもないが、どうしてだ?」


「いえ、何か変な感じがしたんですが気のせいみたいです。」


危ねぇ!!

いつも通り、アリスの頭をなでる動作が一秒ためらっただけで気付かれそうになるとは・・・


「見えてきたわよ。

とりあえず今日は情報収集ね。」


本当に気をつけよう。

特にミナは勘も良ければ頭もいい。

何かあればすぐにばれてしまう。

俺は浮気をしてるけでもないのにこんなことに気を払わなきゃいけないんだろうか・・・


「では、行くとするかの。」


「ああ。」


「うん。」


町に着いた後、宿を取り情報収集に行こうとした時、全員一緒に行動しても効率が悪ということで2手に別れることになった。

パワーバランスを考えた結果、フリッグ、ミナと俺、アリス、フリュネに別れた。

フリッグは最後まで反対していたがミナとアリスが抑え込みこの編成となった。


「そこの者、『妖精の導』というものを知っておるか?」


「それはもちろん。

この町のはずれにある洞窟に在るそうで屈強な魔物が守ってるそうです。」


「それは誰から聞いたものじゃ?」


「友人から聞いた話ですが突き詰めれば結局噂で聞いたにたどり着くと思いますよ。」


「ふむ、礼を言う。」


結局噂か。

その噂から最も近いこの町でさえもその真意は知っていない。

これは妙だ。

アルフヘイムまで届くほどの噂だというのにこの町でも噂でしか知っていない。

こうなれば、誰かが意図的にこの町に人を集めるために所構わず噂をばらまいている感じだ。

ただの町興しのためには規模がでかすぎる。


「すまない、もう一つ。

『妖精の導』ってのはどんな物と聞いている?」


「未来を見ることができる鏡のような物と聞いています。」


「この町にそんな物が登場する伝承はあるか?」


「分かりません。

詳しく知りたいなら町長のことろを尋ねみてはどうでしょう。

この町に宝探しに来た方はほとんどの人が訪れていますよ。」


これはやっぱりデマの可能性が高いな。

伝承のようなものが存在するなら噂に一貫性が出るはずだがそれがない。

ミナは水晶と言っていたのに今度は鏡だ。

ただの偶然かも知れないが適当に噂をばらまいどこかで内容が変わったんだろう。

だが、そんな噂が俺たちがこの世界に来る前、つまり少なくとも4ヶ月は消えていない。

悪戯にばらまいただけならすぐに鎮静化するはずだというのにまだ広まってる。

そうなればこの噂に信憑性があるか誰かがこの町に人を集めるために今も噂をばらまき続けてるってことだ。


「ふむ、どうやらミナの言うとおり背後に何やら大きいものが付いているようじゃの。」


本当によく当たる勘だ。

少なくとも町興しなんてレベルじゃないな。

情報が足りなすぎてまだ決定的なことは言えないがこの町に人を集めてるってのは間違いない。


「とりあえず町長の所に行ってみるか。」


「あなた方も『妖精の導』を探しに来たのですな。

あれはこの町に北西にある洞窟にあります。

ですが、周囲には魔物も多く、洞窟には『妖精の導』を守っている魔物もいると聞いています。

出来るだけ準備は怠らないよう気をつけてください。」


さてどうするか。

町長としては噂のおかげで町が賑わってきたのに余計なことを知られてそれを台無しにされたくないから何か知っていてもしゃべりはしないだろう。


「この町に『妖精の導』のような物が出てくる伝承か何かあるか?」


「ええ、ありますよ。

この町の市役所に行けば貸してもらえると思います。」


それがあると俺の推測が間違いということになるが、そんなものがあるなら何故、この町の住民がそのことを知らない?

もう少し調べる必要がありそうだ。


「もう1つ、『妖精の導』を守っている魔物がいると言ったがそれは誰から聞いたんだ?」


「あくまでも噂の話です。

私が聞いた話では帰ってきた人がそう言ったと聞いています。」


「どうにも胡散臭いわね。」


「こっちもいろいろ調べてみたが、『妖精の導』なんて大層なものはなかった。」


確かに伝承にそれっぽいものは書いてあったが、小さくしか書かれてないし未来予知じゃなくてあくまで占いのようなものだった。

そもそも、『妖精の導』なんて名称は無かった。

確かにあれならこの町の住人が知らなくてもおかしくないし、それっぽいものはあるんだから噂に信憑性を付けることができる。

誰れもが俺たちみたいに調べてるわけじゃないからな。


「それにしては規模が大きいのよね。

誰かが裏で糸を引いているにしてもこんな辺境の町で何をしようって言うのかしら?」


「今分かってることは、誰かがこの町に人を集めてるってことだ。

そっちに、『妖精の導』を探しに行って帰ってきたって奴を聞いたか?」


「ないわね。

それなのに、『妖精の導』を守ってる魔物がいるって噂が出回ってる。

これは町で物を買わせるためのデマだとしても、誰1人帰ってこないってのは流石におかしいわね。」


面倒な話になってきたな。

ここまで来ると個人で出来るレベルを遥かに超えてる。

つまり、後ろに組織がいるってことだがそれがこんな辺境の町のレベルじゃない。

そこそこ大きい組織だ。

下手をすると『ニーズヘッグ』レベルの組織が控えてる可能性もある。


「これ止めた方がよくないか?

嫌な予感なんてもんじゃないぞ。」


聞き込みをしえていたときに分かったことだがこの噂が広まるまでこの町はここまでの賑わいどころか町として保っているのがやっとだったって話だ。

つまり、かなりの人が集まってる。

そうなると、誰かは知らないがこの町に人を集めている奴の目的はもうすぐ果たされるはずだ。


「そうねぇ、とりあえず明日洞窟とやらを見に行きましょう。

それで何もなければ帰るわ。」


本当に何事もなければいいんだが・・・・・・

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