日常(フリッグ視点)
side フリッグ
「フリッグ、ちょっといいか?」
レンから用があるとは珍しいですね。
「大丈夫ですけど、何かあったんですか?」
「まぁ、あれだ。
そろそろ答えを出そうと思ってな。」
「そ、それって・・・・」
まさか、ついに私を・・・・
「ああ、フリッグ、俺はお前が好きだ。
ずっと傍にいてくれ。」
「っ!!」
嬉しすぎて頭が真っ白になってるのに顔が熱いです。
「やっぱりそういうところは可愛いな。」
「か、からかわないでください!!
もしかしてさっきの告白もこのためじゃないですよね!!」
「俺がこんな冗談を言う訳ないだろう。」
聞き間違いじゃないですよね?
ついにこの時が来ました。
この時をどれほど待ち望んだか・・・・
「フリッグ、好きだ。」
「レン・・・・」
ああ、これです。
自然に顔を近づけてキスしして、そのまま・・・・
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「レン・・・・・」
あれ、ここは?
「まぁ、レンがあんなことを言う訳ないですか。」
なんとも欲望に忠実な夢でしたね。
それにしても夢なら夢でもう少し先の方まで行ってくれもいいと思うんですが、夢の中までガードが堅いとは流石レンですね。
「いつまでもこうしても仕方ありませんか。」
レンが起きてくる前に朝食の準備を始めなければいけませんしね。
「おはよう。」
とはいっても、いつもレンは私より早く起きてるんですけどね。
「おはようございます。
今日も行くんですか。」
「ああ、今から行ってくる。」
こっちの世界に来てからレンは毎朝ランニングをしています。
私やアリスと違ってレンはあくまでも一般レベルですからね。
努力していないとすぐに衰えて何かあった時の為に対処できなくなるということで毎朝走り込んでいます。
私はレンが帰ってくる前に朝食を準備し終えておく、これがカザミネ家の朝です。
「おはよう、お姉ちゃん。」
「おはようございます。」
私が起きてからしばらくした後、アリスも起きてきます。
アリスは朝は弱いんですけど朝食の準備を手伝うために頑張って早起きしてます。
ちょっと寝ぼけてるアリスは本当に可愛いです。
これを見るたびに私とレンの娘にしたいと思うのですがレンもアリスも納得してくれないんですよね。
「アリス、いつも通りお願いしますね。」
「うん。」
ちょっと前までならアリスを含めても3人分だけでよかったんですが最近はそれに加え3人分作らなければいけないですからアリスの手伝いは助かります。
「「おはよう。」」
「おはようございます。」
レンと2人きりというのも捨てがたいですが、食事はみんなで取った方が楽しいですしこうやってみんなで集まるというのはいいもです。
「レンはまだ帰ってないんだ。
本当に頑張るわね。」
「まぁ、妾達のような規格外という訳にもいかぬからの。
しかし、毎日続けられるというのは素直に褒められることじゃな。」
ちなみに、ジンは途中でレンと合流して一緒にランニングです。
それにしても、私は神ですから体型を維持することは容易なのですがミナとフリュネはどうやって維持しているのでしょうか?
アリスは成長期ですから問題ないんですが、ミナとフリュネは特に運動をしているようには見えないのにあの細さは反則だと思います。
「ただいま、もう揃ってるみたいだな。」
「妾を待たせるのはレン以外におらぬ。」
「そりゃ、悪かったな。
待ちたくなけりゃ城に帰れ。」
毎朝恒例となりつつあるレンとフリュネの言い合いなんですが最近レンとフリュネがやけに一緒にいることが多いような気がします。
お互いにその気はないと思いますが、やっぱり他の女性と仲良くしているというものは良い気分にはなれませんね。
「それじゃあ食べるとするか。」
「・・・・そうですね。」
相変わらず私が不機嫌になるとすぐにその空気を察知してきますね。
そんなに分かりやすくしてるつもりないんですがレンには隠せないようです。
これは私のことをよく見ているということでしょうか?
「レン、今日はどうするんですか?」
「いつも通り、適当に仕事を貰いに行って終わったら自由行動だ。」
となれば午後はほぼ予定はないということになりますね。
今日はアリスの講習の日ですからいませんし
「レン、今日、買い物付き合ってくれませんか?」
とは言いつつも本命はデートですけど、表向き買い物という理由がありますから止められる心配もありません。
「別にいいぞ。
何を買うんだ?」
「普通に食材ですけど、そろそろ新しい料理でも覚えようと思ってるのでお願いします。」
作れる料理ではレンより上という自信はありますがレパートリーの豊富さではまだまだレンには勝てません。
将来の嫁として夫に家事で負けていては嫁として立場がありませんしね。
「それじゃあ行くか。」
「はい。」
「うん。」
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「それにしてもいつも仲の良い兄妹ですね。」
「その内、夫婦になりますから。」
「その時は私も呼んでくださいね。」
毎日、仕事を受けているおかげですっかり受付の人とは仲良くなってます。
「今日はどんな仕事がありますか?」
「これなんてどうですか?
フリッグさんにはちょうどいいと思います。」
内容 畑を荒らす魔物の討伐
人数 最大5人
報酬 金貨5枚(1人当たり)
「確かに悪くはないんですけどどうして私たちに回すんですか?」
「フリッグさんたち以外では割に合わないんですよ。
魔物の数もはっきりしていない上にどんな魔物かも分かっていませんから経費だけで報酬を上回ってしまいますから。」
なるほどそういう訳ですか。
確かに私たちならドラゴンがいても相手になりませんしね。
「それじゃあこれをいつもの3人でお願いします。」
「分かりました。
それではお気をつけて。」
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「今回は魔物の討伐か、俺は役に立ちそうにないな。」
フォローしたいんですが出来ませんね。
もともと、レンがこの職に就いたのは最低限の自衛が出来るようになるためです。
だからと言ってはなんですがレンには別の職についてもらってもいいんですけどね。
「アリスはお兄ちゃんの物なんだからお兄ちゃんは弱くないよ。」
「ありがとうな。」
事情を知らない人から見ると微笑ましい兄妹に見えるんでしょうが私から見ればレンはまだしもアリスは思いっきりアピールしてるようにしか見えません。
アリスの可愛さはロリコンでなくてもロリコンにしてしまうくらい可愛いですけど、レンなら大丈夫でしょう。
もし、そうなろうものなら・・・・・・・・・
「ど、どうした?
早く行こう。」
監禁だけでなく調教も加えなければいけないようです。
「そうですね。」
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『ブリザートテンペスト』
アリスも魔力の扱いに随分慣れてきました。
とは言いましてもアリスが古代魔法で外の魔力を使うより持っている魔力の方が大きいのであまり古代魔法は意味がないんですけどね。
「しかし、アリスは強くなったな」
「確かに最初にあった時は力の使い方をまったく知りませんでしたからね。」
『エクスプロードノヴァ』
「終わったな。」
「終わりましたね。」
これでもう魔物も寄ってはこないでしょう。
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「お疲れ様です。」
思った以上に早く終わりましたね。
報酬も十分ですし、早速デートに行きましょう。
「レン、行きましょう。」
「ああ、気をつけて帰れよ、アリス。」
「うん、お兄ちゃんも気をつけてね。」
アリスも言うようになりましたね。
確かに手を出したいのは山々なんですがミナから牽制されてますし、なによりレンがその気じゃありませんしね。
よほどのことがない限り私からということはない・・・・と思います。
「それで、どこに行くんだ?」
「とりあえず市場に行きましょう。
あそこにはいろいろな食材がありますから。」
そういえばいつも抱いて欲しいと言ってるんですが私にそういう経験はまったくありません。
それでレンを満足させられるんでしょうか?
今まで考えたことありませんでしたがこれは大問題です。
帰ったらフリュネに相談してみましょう。
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「なるほど、確かにそう言われればそうじゃの。」
「どうしましょう、いざレンが求めてきた時に満足させられないなんて・・・・・」
これではレンを縛り付けることができなくなります。
「まぁ、落ち着くがよい。
とりあえず聞いておくがフリッグは処女じゃな?」
「な、なんてこと聞くんですか!!」
聞くにしても、もうちょっとオブラートに包んで聞いてくださいよ!!
「いや、これは重要なことじゃ。
あの他人を傷つけることが嫌いなレンのことじゃからな。」
た、確かにそうですけど・・・・・
「故に、レンを満足させたいなら、まずフリッグが気持ち良くなることが優先じゃな。
そしておそらく、その後の心配はないはずじゃ。
フリッグのような美少女を抱いて満足せぬ男などおらぬ。
それより心配すべきはレンはああ見えてかなりサドだということじゃ。」
そう言われれば私も最初にあった時は相当苛められた気がします。
「レンにとって純情なフリッグやミナは絶好の的じゃからな。
あのレンのことじゃから痛みを伴う物や精神を壊すほど酷い事をするとは思えぬが、相当に恥ずかしい思いをさせられる覚悟は必要じゃぞ。」
「だ、大丈夫です!!
レンならどんな性癖でも受け入れてみせます!!」
そうです、レンにならどんなことをされても・・・・・・・
むしろ、ちょっといじめて欲しいかもです。
「ふむ、よく言った。
では、レンに・・・・・・・で・・・・・・・と言って来るがよい。
抱くかは分からぬがかなり効くはずじゃ。」
「はい!!
ありがとうございます。」
「よいよい。
妾はフリッグの友じゃぞ?
友の恋路を手伝うのは当たり前のことじゃ。」
やっぱりフリュネは良い人です。
何かあった時には必ず力になります。
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「レン!!」
「ど、どうしたそんなに興奮して・・・・」
おかしいですね、まだ私は何もしてないんですがもう引いてます。
そんなに私は日ごろから酷いことしてますかね?
まぁ、今はそんなことどうでもいいです。
周りにはだれもいないようですし
「そ、その、わ、私を・・・・・」
は、恥ずかしいです。
フリュネには恥じらいを忘れないようにと言われましたがそんなの意識しないでも恥ずかしいです。
「な、なんだ?」
「私をいじめてくだひゃい!!」
うぅ、恥ずかしく泣きそうです。
レンはどうなんでしょうか?
「そ、それは誰の差し金だ?
いや、聞くまでもないか・・・・・」
やっぱり駄目なんでしょうか?
「馬鹿なこと言ってないで飯の準備でもしてろ。」
やっぱり抱いては貰えないんですね・・・・・
うぅ、あんなに恥ずかしい思いをしたのに・・・・
あれ?
何かしたが騒々しいですね。
「てめぇ、フリッグなんてこと吹き込んでやがる!!」
「くっくっ、レンが喜びそうなことを吹き込んだつもりじゃ。
どうじゃ、満更でもないじゃろ?」
「もう、我慢の限界だ。
今日こそ帰らせてやる。」
「出来るものならやってみよ。」
「手加減はなしだ。
お前だけは殺してもいいと思えてきた。」
「ふん、レンごときに殺されるほど軟ではないわ!!」
レンがあそこまで怒ってるのは初めて見ました。
本当に効果があったみたいです。
「ほれ、フリッグが見ておるぞ?」
「っち!!
いつか絶対に追い出してやる。」
「やれるものならやってみよ。」
「あの、レン?」
「もうあんなことは言うなよ。
次に言ったら二度と口を利かないからな。」
どうやら本気で怒ってるみたいです。
そこまで怒ることだったんでしょうか?
「ふむ、効果は上々のようじゃが次は止めておいた方がよいな。
確実に落とせるならば問題ないがそうでない場合は本当に口を利かなくなるやもしれぬ。」
「フリュネ、レンをあんまり怒らせてはいけませんよ。」
「気をつけるとしよう。」
レンの機嫌を取るためにも今日は腕を振るうとしましょう。
今日もいつもの一日でしたね。