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二ヴルヘイム その③ ミナの尋問

ダークハートの予告状によると今夜の0時に『堕天使の楔』を奪いにくるそうだ。

一般公開されていないものだからもちろん俺たちがどこにあるかなんて分かるわけがない。

警備員なんかをつけてたらそこにあると言ってるようなものだから警備員も目立たないようにしてるだろう。

知ろうと思えば街の長の所に行ってフリュネの名前を出せば聞くことはできるだろうが話しをこじらせたくないから却下だ。

つまり、俺たちは騒ぎが起きた方に出向い手捕まえるしかない。

完全に後手だ。


「そう言えばダークハートの手口とかは分からなかったのか?」


「狙われてるものが非公開のものだから一般人じゃ盗まれた後のことしか分からないから詳しく聞けなかったんだけど、追っている最中に見失ったかと思うと離れた場所で見つかってそのまま逃げられるらしいわよ。」


「それは、ダークハートは複数犯っていう線は無いのか?」


「さぁ、実際警備に着いた人からの話じゃないから詳しくは分からないわ。

でも、聞いた話では可能性高いわよ。」


そんなに単純な相手なら簡単に捕まえられるんだが何度も警備の目をかいくぐって来てる凄腕の怪盗というくらいだ。

逃げ道くらいは念入りに確認してるだろう。


「配置はどうする?」


「俺とミナが高いところからダークハートを見つけて残りの3人が捕まえるってのが無難だな。

危険な物ってことは人が寄り付かないところに保管されてるはずだからどこかの建物の中か地下に保管されてるだろうから3人は適当な位置に待機だな。」


「どうやって合図を送るつもりじゃ?」


「それは私が遠くにいてもこれを持っている同士なら連絡を取れるものを作ったから問題ないわ。」


なんでも一定の魔力の波長を発して、その波長の魔力だけを感知するらしい。

魔法に関してはまったくの素人なので凄いのか分からないが流通してないところを見ると凄いんだろう。

遠距離で連絡を取り合えるってのは本当に便利だ。

地球では携帯があって当然だったから無くなったら改めてその便利さに気付かされる。

ちなみにこれはコストが高すぎて量産はできないらしい。

それに、常に一定の波長を発する物を作るにはかなり精密な制御が必要らしくミナレベルじゃないと作ることはできないそうだ。


「それじゃあ夜まで時間あるし、皆で観光に行きましょうか。」


「昨日は何してたんだ?」


「3人で適当にぶらついてたわよ。

ここは見る物は山ほどあるわけだし退屈はしなかったわね。」


「今日はどこに行くつもりなんだ?」


「特に決めてないわ。

いつも何か起きるから観光なんて少ししかできないと思ってあんまり調べてなかったから。」


一応、旅行だよな?

期待すること間違ってないか?


「それじゃあ適当にぶらつくか。」


昨日は美術館だったから今日は街並みを見て回るか。


やっぱり今回は何も起きないらしく午前中の観光もあいつらが軟派されるくいのことしかなかった。

カップル成立率が高いこの街ってことで芸術家の他にも出会いを求めてこの街を訪れる人も多い。

そんな中、美少女4人がうろついていたら声もかけたくなるだろう。

もちろん俺もいたがあの4人と一緒にいると存在なんて霞んでしまう。

結果はもちろん一蹴、しつこい奴等は言うまでもなく無残な結末を迎えた。


「そろそろね。」


「しかし、わざわざ予告状を出すなんてよほどの目立ちたがり屋か馬鹿かどっちかだな。」


いや、目立ちたがり屋が馬鹿だから結局は馬鹿な奴になるのか?


「いろんな人がいるってことよ。

それより、フリッグとのデートはずいぶん楽しかったみたいね?」


「・・・・・・なんのことだ?」


まさか、ミナにまで言ってないよな?


「気付かないと思ってるかもしれないけどレンを良く見てる私たちからすればあからさまにフリッグから距離を置いてるわよ。

わざわざ距離を置くってことは昨日のデートで危なかったってことでしょ?」


くっ、いくらなんでも鋭すぎるだろう。

距離を置くと言ってもあくまで不自然にならない程度だぞ。


「ちなみにアリスも気付いてるわよ。

それで、昨日はいったい何があったのかしら?」


「黙秘する。」


まさかアリスまで気づいてるとは・・・・・

だが、何をやったとまでは知られていないのは唯一の救いだな。


「言えないほどのことだったてことね。

フリッグの様子からすると手を出したようには見えないけどその一歩手前ってとこ?」


これだから頭のいい奴は厄介だ。

迂闊に反応することもできない。


「沈黙は肯定と取るわよ。」


「想像にお任せする。」


俺は何も悪いことはしてないよな?

それなのになぜこんな尋問を受けなきゃならないんだ。


「そう、あんまり悠長なことを言ってられないところまで来てるってことね。

流石はフリッグてことかしら。」


極寒の街なのに背中は汗でびっしょりだ。

徐々に追い詰められてる。


「昨日はフリッグとキスした、それだけだ。」


こうなったら開き直った方が良いだろう。

別に知られて弱みとなるものじゃないし、このまま追い詰められたらどんな約束を取り付けられるか分かったもんじゃない。


「どっちから?」


「フリッグが頼んできたからした。

一応俺からってことになるな。」


「ふ~ん。」


これで終わってくれればいいんだが


「本当にそれだけ?」


どうして、デートの内容を根掘り葉掘りしゃべらされてるんだ?

お前は俺の保護者か


「それ以上のことがあると思うか?」


「質問に質問で返すってことは話しを逸らしたいってことよね?」


くっ、まずい。

本当のことを言えばさらに積極的なるだろう。

そんなことになれば俺の身が持たない。


「まぁ、いいわ。」


た、助かったのか?


「私ね、アースガルドではレンが幸せになってくれれば私じゃなくてもいいと思ってたんだけど、最近アルフヘイムでもヴァナヘイムでも助けてもらったじゃない?

ああいうところ見せられたらやっぱり私を見て欲しいって思っちゃうのよ。」


俺にどうしろと?

あの場面で助けないわけにはいかないだろう。


「だから、レンがフリッグの方を向いてると正直良い気分って言う訳にはいかないわけよ。」


「別に俺はフリッグを特別視してるってわけじゃないぞ。」


確かに、昨日は雰囲気にのまれて危なかったが落ちたという訳じゃない。


「特別視してなくても警戒はしてるでしょ?

私はフリッグみたいに縛り付けたいわけじゃないからあんまりレンを追い詰めるようなことはしたくないんだけど、それでレンがフリッグを選ぶっていうなら私も考えを変えざるを得ないわけよ。」


やけに、遠回りに追い詰めるような言い方をしていたのはそのせいか。


「・・・・・・・何が望みだ。」


「フリッグにお願いされてキスしたんでしょ?

それなら私もお願いしたらしてくれるわよね?」


断るという選択肢はもうないな。

ここで断るということはフリッグが2人に増えるようなものだ。

流石にフリッグのようにヤンデレになるわけじゃないと思うがそれでもフリッグのように迫られれば正直やばい。


「このことは誰も言わないでくれよ。」


「もちろんよ。」


こう振り回されてばかりはまずいな。

フリッグもいないし少しからかうとするか。


「んっ!!」


「どうかしたのか?」


「い、今、し、舌・・・・」


「キスはキスだろう?

このくらいで恥ずかしがってたら本番は無理だな。」


「そ、そんなわけないでしょ!!

これくらいなんともないわよ!!」


こうなったら俺のペースだな。


「そうか?

それじゃあもう一回キスしてやる。」


「うっ、ちょ、ちょっと待って!!」


顔を真っ赤にして、フリッグもだが攻められると弱いんだよな。


「どうしてだ?

何ともないんだろう?」


「そ、それはそうだけど、心の準備が!?」


「冗談だよ。

それより、ようやく来たようだ。」


「へ?」


どんな手を使うか見させてもらうぞ。


どうやら今日か明日が連続投稿の限界のようです。

そこからは更新が不定期になると思います。

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