表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/127

縁談

総合PV20万突破しました。

これからもよろしくお願いします

「レン、ちょっとお願いがあるんだけど。」


「あ~、やばいなこれ、ちょっと熱あるみたいだ。

それに吐き気もするし、風邪だな。

そう言う訳だからちょっと寝てくるわ。」


俺の厄介事センサーが反応してる。

いつも厄介事ばっかり巻き込まれてるせいか反応してしまう。

出来ればこんな物に目覚めて欲しくなかったな。


「レンは不老不死でその間は健康状態が保てるんでしょ。

ばればれの嘘はつかないで。」


くっ、やはり回避できないのか・・・・・


「まぁ、待てミナ。

それは俺じゃないと解決できないものなのか?

それは無いはずだ、ミナならきっとできるはずだ。

だから頑張ってくれ。」


せっかくフリュネが来てから2週間、ようやく安定してきたというのに。

どうせ、旅先では何かしらに巻き込まれるのは決まってる。

せめてこの短い間くらい夢を見せてくれ。


「それができれば頼んでないわよ。」


「だからなぜ俺なんだ!!

フリッグにでも頼めばいいだろう!!」


荒事なら俺より遥かに早く片がつくはずだ。


「レンも知ってると思うけど、私はヴァナヘイムの長の息子からずっと求婚されてるのよ。

いつも適当にかわしてたんだけど父さんが縁談を進めちゃって私1人じゃ難しくて。」


ああ、聞いてしまった。

しかも街同士のトップの問題。


「お願い。

私はレンが好きだからあんな奴と結婚なんてしたくないの。

そもそもレンがいなくてもしたくない相手なのよ。」


「ミナ、ここは私たちの家ですよ。

ここではレンを誘惑しようとしないでください。」


「朝から修羅場とは見てて飽きぬの。」


「お姉ちゃん、出来たよ。」


「はい、上手にできましたね。」


「妹さん、これはここでいいか?」


「あ、これも持って行ってください。」


なんだこれ?

いつのまにか、当然のように皆で朝食を食べるようになってる。

そのことにまったく違和感を覚えない程だ。

そもそも、ジン、お前のシスコンはどうした?

こういう時はお前の出番だろう。


「最近、私にはレンがいるってことで妹離れし始めた見たい。

それに、彼女もできたみたいでそっちで忙しんでしょ。

それでも大切には思ってくれてるみたいだけど。」


それはいいことだ。

ようやく真人間になったんだな。

友達としてそれは祝福したいがせめてこの問題をどうにかして欲しかった。


「とりあえず話は聞こう。

俺に何をして欲しんだ?」


もうこの話の流れからある程度は予想はつくが認めたくない。

そもそも定番の流れになったとしてもフリッグが絶対に止める。


「私の恋人の役を「駄目です。」そう言われると思ってたわ。

だから、レン、一緒に考えて。」


まぁ、予想通りの展開だな。

予想通り過ぎて泣けてくる。


「お兄ちゃん、これアリスが作ったんだよ。」


ああ、俺の癒しはアリスだけだ。

この可愛い笑顔を見てると和む。


「アリスも上達してきたな、偉いぞ。」


「うん。

それじゃあ、あ~ん。」


「ん、美味い。」


「レン!!

どうしてアリスの時はそう簡単に食べてるんですか!!

私の時は全然食べてくれなかったのに!!」


「食事中に叫ぶな。」


結局食べただろうが。

それも大観衆の目の前という公開処刑のような場で。

それに、アリスは妹だからいいんだよ。


「レンがそのセリフを言う日が来るとは驚きじゃ。」


「俺だって好きだ叫んでるわけじゃないんだよ。

なにもなければ俺だって静かに食べたい。」


「私を無視しないでください!!

もう容赦しませんよ。

次のデートの時は嫌というほど甘えますからね。」


お前は手加減なんてしてたのか?

そして、今でも十分嫌だからな。


「覚悟しててくださいね。

デートの間はずっと腕を組んで、街中でこれでもかってくらいべたべたしますよ。」


「却下だ。

俺がそこまでする理由がない。」


デートするだけでも崖っぷちを歩いているようなものなのに、なぜ自分から崖底にダイブしなきゃらならないんだ。

そこが天国ならともかく、落ちたらクモの巣に絡まった蝶のように抜け出せなくなる。


「そうですか。

では記憶を消します。」


は?


「待て!!

どうしてそうなる!!」


「このデートはレンがフリュネと腕を組んでいたことを反省して私に対する謝罪の意味もあるんですよ。

それなのに反省の色がまったく見えないようではまた繰り返すかもしれませんし、私もレンを監禁したくありませんからね。」


そんなぶっ飛んだことを平然と言うな。

しかも、俺が他の女を引っかけたら監禁は決定事項なのかよ。


「わ、悪かった。

フリッグの言うとおりにしよう。

だから、記憶を消すのは待て。」


「そうですか。

私も友達は失いたくありませんからね。」


俺ってすでに逃げられなくなってないか?

フリッグ以外の選択肢を選んだら記憶消去。

他の女にしようとしたら監禁。

俺が何をした・・・・・・・


「そう言う訳で今日はレン借りていい?」


「っ~~~~」


そこまでか?

そこまで口に出したくないのか?


「・・・・・・アースガルドで約束しましたから我慢します。

それにミナが知らない馬の骨に取られるのは避けたいですし。」


こいつの価値観はどうなっているんだろうか?

ミナが馬の骨に取られることと、俺がミナと対策を考えることでギリギリミナの方に天秤が傾くって。

あれ?

俺の意思なくね。


「それにそういう問題ならフリュネもいた方がいいですよね?

そう言う訳でフリュネも一緒に考えてくださいね。」


「まぁ、いいじゃろう。」


しかも、フリュネを監視に着けるか・・・・

そこまで警戒するのか。


「それじゃあ、私とアリスは仕事に行きます。

くれぐれも間違いがないようにしてくださいね。」


「頑張ってね、お兄ちゃん。」


「俺も仕事に行ってくる。

ミナのこと頼んだぞ。」


・・・・・・諦めよう。

こうなった以上、逃げることもできないだろうし、逃げたところで罪悪感に苛まれるだけだ。


「まずはどういう流れで縁談が進んだのか教えてくれ。」


「フリュネが狙われた騒ぎで私って殺されかけたでしょ。

それで父さんが危ないことに関わらないように私を仕事から遠ざけたいみたいで縁談を進めちゃったの。」


俺としてはその気持ちは非常に分かるところだがミナが納得してないし、既に身の安全はフリッグが保証してるから大丈夫なんだよな。


「つまり、ミナが今のままでも安全だと証明すればいいわけか。」


「そう言うことになるわね。」


難しいな。

目の前でフリュネに本気で攻撃してもらえば安全なのは分かってもらえるがそれでも納得はしてもらえないだろう。

俺だってアリスが強いとはいえ危険なことには関わって欲しくない。


「妾が説得してはどうじゃ?」


「王族としての命令なら従うしかないだろうがそんなことに使ったら権力の濫用でフリュネの立場が悪くなる。

個人として説得してもあの騒ぎで役に立たなかったフリュネが言ったところで説得力がない。」


「ふむ、難しいものじゃ。」


本当に厄介な問題だな。

説得できればそれが一番手っ取り早いがそれは難しい。

もう一つの方法としては嫁入り先を潰してしまえばいいんだが正直言ってそれはやりたくない。


「ミナは仕事を辞めるつもりはないのか?」


「当然よ。

私が仕事をやめられればこんなことになってないわ。」


自分の仕事に誇りを持ってるしな。

実際、この歳で十分な戦力にもなってるし実績もあげてる。

ミナはいい指導者になれるだろう。


「どうしよう・・・・」


はぁ、俺が一肌脱ぐしか方法はないか。


「これで貸し借りはなしだぞ。」


俺だっていきなり誘拐しようとした奴なんかにミナを任せられないしな。


「うん!!

ありがとう、レン。」


「礼を言うのは無事終わってからにしてくれ。

とりあえずミナはヴァナヘイムで縁談を行うように操作してくれ。」


「分かったわ。」


後はジンだな。


「今回はどんな手を使うか見物じゃの。」


見物料とるぞ。


「妾は何もしなくてよいのか?」


「フリュネの役は一番最後だ。

その時になったら頼むぞ。」


それにしても俺はいつからなんでも屋みたいになってるんだ・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ