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平穏な生活を目指して

とりあえず無事街に着くことができた。

ちなみにこの街はアルフヘイムっていうエルフの街らしい。

そんなところに人間が入っても大丈夫か不安だったがこの世界ではどの種族も結構友好的らしい。


「さて、まずはどうやって金を稼ぐかだ。

何かいい案はないか?」


「私が何か造って売れば一気に大金持ちになれると思いますよ。」


さすが神様、考えもつかなかったことはさらりと。

でもそれっていいのか?


「ちなみにどんなものを造るつもりだ?」


「例えば、どんなものでも切れる剣でしょうか。」


「そんなもの世界に持ち込んでいいのか?」


「当然駄目です。

でもレンが望むなら・・・・」


その続きは何だよ。

だが聞いたらなにか終わりそうな気がするからあえて聞かないが。


「その案は却下だ。

そもそもこの世界に戸籍って必要なのか?」


戸籍が必要なら絶望的だ。

最悪、裏の仕事をやるはめになってしまう。


「ちょっと待ってください。」


そこらへんに歩いているエルフに触れただけ?

あ、またか。


「お待たせしました。

どうやらこの世界は1つの国で成り立っているようです。

そして9つの街がそれぞれの地域を治めているそうで戸籍のようなものはあるみたいですが申請さえ行えば簡単に手に入るそうです・・・・お金は必要ですけど。」


「まさか、記憶を奪ったのか?」


「違います。

この世界の常識を複数の人間・・・・エルフですけど、収集して照合したんです。

もちろんプライバシーのようなものは覗いていませんし、後遺症のようなものもありません。」


それなら・・・・まぁぎりぎり許容範囲だな。

俺は自分の為に他人に迷惑をかけることが大嫌いだからな。


「結局、問題は振り出しに戻るわけか。」


まさか異世界に来てまで金の心配をしなければならないとは。

現実は厳しいな。


「いっそのこと貨幣を複製しましょうか?」


「それができるなら早く言え!!」


あんまりやりすぎると経済バランスが崩れるから駄目だが、少しなら問題ないだろう。


「とりあえず戸籍を申請するか。」


「分かりました。

こっちです。」


それにしても本とかでもよくあるがエルフって皆美形ばっかりだな。

まぁそれ以上の奴が近くにいるからどうとも思わないが。


「着きましたよ。」


今更だが言葉が通じて文字が読める。

これはデフォなのか?


「どうかしましたか?」


「なんでもない。

それより早く申請を終わらせてしまおう。」


記入項目多いな・・・

まず名前、これはレン・カザミネでいいか

生年月日、この世界は元の世界と同じでいいのかな? 適当に書いておこう。

次は家族構成、こいつとの関係か・・・・・とりあえず兄妹ということにしておこう

次は住所? 戸籍申請してきてるやつにそんなこと聞くのか? 後回し

次は職業? 戸籍がないなら職に着けるわけないだろう、とりあえず無職。

ようやく記入が終わった。


「承りました。

レン・カザミネ様とフリッグ・カザミネ様ですね。

初めて戸籍を申請した人には仮住居が与えられます、貸し出し期限は1年です。

もし引っ越す際にはここで申請してください。

職業は何かお決まりですか?」


「いや、まだ決まってない。」


「それならばいくつかご紹介しますがどうなさいますか?」


「見せてくれ。」


飲食店に魔法薬、魔法具の見習いに自警団かいろいろ求人があるもんだな。

他には、教師、神父、役員、農業、芸術、医療関係、最後の2つはどう考えても素人じゃ勤まらないな。


「何かやりたいことあるか?」


そういえば神様って腹減るのかな?

そもそもこいつ殺せるの?


「私はレンに従います。」


予想通りの答えだがせっかく神様がいるんだから上手く利用できる職業がいいな。

となると魔物退治とか荒事が向いてるな。

俺もこいつの補助があればそこそこ戦えるだろう。


「魔物を狩って収入になる職業はあるか?」


「それだけというわけではありませんが国から出された依頼で魔物を倒して収入とする職業ならあります。

もちろん魔物退治だけでなく犯罪組織の壊滅や人探しなど危険が付きまといますが受けるか受けないかは自由に選択できる職業です。

最初はランクが低いと難易度の高い依頼は受けることはできませんが。」


それはそうだろう。

いきなり素人に犯罪組織に乗り込む依頼なんて頼んだら失敗するにきまってる。


「なら俺とこいつの職業をそれにしといてくれ。」


「承りました。

それではこちらに記入をお願いします。」


またか・・・・


「ありがとうございます。

ギルドカード申請を行いますのでしばらくお待ちください。」


見たことない文字をかけるってすごいな。

元の世界でこの力があったら翻訳の仕事とか簡単にできたのに。


「レン、お腹すいてませんか?」


そういえばこっちの世界に来てから何も食べてなかったな


「どうぞ。」


サンドイッチみたいなものだけど中身がグロい。

まぁ空腹で倒れるよりましだろう。


「以外と美味い。」


「それはよかったです。」


なぜ俺はこうもこいつに懐かれてるんだろう?

懐かれて悪い気はしないが相手がこうも美少女(見た目が)だと対応に困る。


「お待たせしました。

これがギルドカードになります。

紛失したら再発行の為、お金がかかりますので紛失しないようお気を付けください。

依頼の受け付けは街にあるホームギルドで行っていますのでそちらでお願いします。」


とりあえず住むところと職は手に入った。

後は衣と食だが・・・・・・・造ってもらった方が早くね?


「食べるもの造れないのか?」


「私生命は造ることできないんです。」


流石に無理だったか。

だが衣は大丈夫そうだ。

後は一番大事な食だが金を複製できるからあまり困ることはないだろう。

あまり多用するつもりはないけど。


「あの、いつになったら名前で読んでくれるんですか?」


そういえばそうだな。


「お前が俺を死なせてくれたら。」


「やっぱり諦めてないんですね。」


当然だ、早く解放されるに越したことはない。

それに名前で読んだら取り返しのつかないところまでいってしまうような気がする。


「とりあえずホームギルドに行くぞ。」


そんな目で見られても無駄だ。


「レンのばか。」


拗ねられたけど、すぐに治るだろう。

とりあえず最優先は豊かな生活だ。

貧乏なまま百年間も苦しみたくないしな。




side フリッグ


レンのばか!!

名前で呼ぶくらいしてくれたっていいのに・・・・

やっぱり私って嫌われてるのかなぁ

もう怒ってないって言ってたけど怒ってると嫌ってるって別物だし・・・・

最近すぐ泣きたくなってくる。

私ってこんなに涙もろかったんだ・・・・・


side out



またか!!

どうしようか、慰めたらまた好感度が上がってしまうがこれを放っておくと罪悪感が・・・

そもそも今回は俺は何もしてないはずだ、だから俺の責任ではないはず・・・・・だよな?

とりあえず気を逸らしやれば泣きやむかな?


「着いたみたいだぞ。」


「ふぇ・・ぐすっ、なんですか?」


駄目だ・・・・

こいつほんとに神様か? 俺の中の神様のイメージ像が崩壊していく。

とにかくこの情緒不安定なのをどうにかしないと精神衛生的につらい。


「はぁ、今度はどうして泣いてるんだ?」


「ごめんなさい。

もう泣きませんからこれ以上嫌いにならないでください。」


そういうわけか。

別に俺はこいつのことを嫌いなわけではない。

こいつが俺を殺さなかったら元の世界で普通どおりに暮らしていただけでこいつがいればこっちの世界の方が暮らしやすいだろう。

それに、なんだかんだ言ってもこいつの外見は俺の好みだ。

見てるだけで眼福で和む。

まぁ、中身がこれでなければ最高なんだが。


「なにを勘違いしてるかは知らないが別に俺はお前のことを嫌いなわけじゃない。

転生に関しては迷惑してるがもう割り切ってるから死なせる気がないなら無駄に気にするな。」


「ありがとうございます。」」


やっと泣きやんだか。

やっぱり美少女は笑っていた方が世の為だ。


「さて、初仕事だ。

期待してるぞ。」


「頑張ります。」


こいつがいればどんな仕事でも楽にこなせるだろうが他人に迷惑をかけっぱなしというのは俺が耐えられないから邪魔にならない程度に頑張るとしますか。


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