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フリュネと平和な1日

とりあえず昨日のことだが、フリュネにフリッグの恐ろしさを学んでもらった後、ミナには紅い宝石が付けられているブレスレット、アリスには黒い髪飾りを買ってやった。

その時のミナはやばかった。

正直、フリッグがいなければ普通に落ちてたかもしれないってくらい可愛かった。

誰にでも分かるくらい赤面させながら


「その、大切にするね・・・・・」


照れ隠しに顔をそむけながら言われた時はマジでくらっとした。

俺も年頃の男というわけで人並みの性欲くらいはあるわけでこの状況はなかなかつらい。

適当な店をジンにでも紹介してもらった方がいいのか?

ちなみにアリスは満面の笑顔でお礼を言われた。

それはもう可愛かった。

これも我慢できた理由の1つかもしれないな。


「そういうわけなので、デートは次の街へ行ったときにしましょう。」


まったく話を聞いていなかったからどういうわけか分からないが次の街ということで決まったらしい。

美少女とのデート、聞こえはいいが相手がフリッグだからな。

とりあえず蘇るヴァナヘイムの悪夢。

そして、限度をわきまえず優しくし過ぎると押し倒されてバットエンド一直線。

これはデートと言えるのか?

俺にとっては何かの試練だぞ。


「楽しみです。

では、私は次の街はどこにするかミナと相談してきますね。」


ちなみに今日の仕事は午前中で終わり。

俺たちが仕事を取り過ぎているということで他の人に回らないそうだから、俺たちが受けられる仕事数に制限がついた。

それでも十分に暮らしていけるんだがフリッグとアリスがいれば1つ1つはすぐに終わるから時間を持て余してしまう。

言っておくが俺も戦いには参加しているぞ。

前衛はあの2人が無双しているから後衛からの援護射撃。

ぶっちゃけ必要ないが腕を磨いておかなければ先日のような事態に対応できなくなる。

最初は動いている敵には反動の強い銃は扱えなかったが今ではそこそこ使えるようになってるし、遠距離からの狙撃も最大400m位なら当てられるし罠を張る技術もちょっとずつ上達してきた。


「これから何をするのじゃ?」


我が儘姫ことフリュネは相変わらずミナの家に住み込んで俺たちの家に飯を食いに来てる。


「この際だからフリュネに街を案内しておくか。」


アリスもミナの教育を受けていないし、家に帰っても特にやることもないしな。


「ふむ、そうじゃな。

エスコートは任せたぞ。」


「はいはい、仰せのままに、お姫様。」


俺もそのうち適当に趣味を見つけるか。



「で、まず、ここがこの街の役所だ。」


「最近は複数戸籍を持とうとしている者が多いからどうにかしなければならぬな。」


確か、魔力の色とか波長で識別してるんだったな。


「魔力を誤魔化すってそんなに簡単にできるものなのか?」


「妾も見たことはないが、特殊な装置が必要となると聞いておる。

それが高価ということで普及はしておらぬようじゃが最近は技術の発展は著しいものがあるからの、早めに対策を考えねばらならぬ。」


「姫っていっても遊んでるだけじゃないんだな。」


「妾はもう19じゃからの。

妾より下の王族はまだ遊んだりしておる者もおるが妾くらいの年となると社交の場に出たり、結果を出そうと努力したりするものじゃ。」


俺のイメージでは王子とか姫って家庭教師みたいな人からしか学んでないってイメージだったんだが違ったみたいだな。


「次はミナがお勧めする甘味処だ。」


「では、休憩がてらに寄って行くかの。」


いちいち文句を言っても仕方ないか。


「ちなみにグレイはいまだに何もしておらぬ。」


「想像できるな。」


神の力を持ってるから優遇されているとでも思ってるんだろう。


「実際、グレイは妾にはおよばぬがそこそこ優秀じゃから手に負えぬ。

神力を有しておるのは次期王候補のなかでは妾とグレイだけじゃからな。」


「フリュネの血筋は特別なのか?」


王位継承権を持つ王族ってのは現王の兄妹の子供でも持ってる。

だから、王位継承権を持ってるからと言って全員が王と血が繋がってるってわけじゃない。


「分からぬ。

父上も母上も神力は有しておらぬ。

ほう、確かになかなか美味いの。」


偶然ということか。


「ちなみにフリュネと王子が戦ったらどうなる?」


「妾の圧勝じゃな。

これまでにも幾度か挑まれておるが妾が負けた覚えない。」


本当にあの時は運が良かったな。

一度も負けたことがないって前提で作戦立てたからな。

まぁ、神力を持っているフリュネは例外とでも捕えていたんだろう。


「それにしても今考えてみれば不思議じゃの。

アリスがいればグレイ程度にてこずるはずなかろう?」


ちなみにアリスとフリュネが本気で戦えばアリスが勝つらしい。

いくら神力が苦手といっても真祖の吸血鬼とはその程度では覆すことができない壁があるらしい。


「あの時はアースガルドにいた神から加護を受けてたんだよ。

たぶん、フリュネより強かったんじゃないか?」


「ほう、よくもそれを殺さずに倒すことができたものじゃ。」


「根が単純だからな。

いくつか思いこませて不意打ちしただけだ。」


確かに殺そうと思えばアリスが本気になれば1分程度時間を稼ぐだけで殺せたからな。


「本当に面白い男じゃ。

ふむ、美味かったぞ。

では、次に行くとするかの。」


「そうだな。」


金はもちろん俺が払った。

視察団が帰る前にかなり金を貰ったから1人位面倒を見ても問題ない。


「そういえば聞きたかったのじゃが、フリッグとはどこで会ったのじゃ?

面白いとはいってもレンはただの人間じゃろ?

あれほどの神と出会う機会などないはずじゃが。」


そういやフリュネには言ってなかったな。


「俺はこの世界の人じゃない。

魔法なんて存在しなくて科学ってやつが発展していたところでフリッグが間違えて殺してしまったから転生させてやるってことで転生したんだ。

俺が何もないところから武器を出すのはその時貰った能力だ。

ちなみに、俺が未だに死んでないのはフリッグが限定的な不老不死にしたからだ。」


「なるほどの。

しかし、よく転生など了承したものじゃの。」


「俺がそんなこと望むと思うか?

会った時、ちょっとからかったら泣きだしやがったんで仕方なく転生した。

で、転生した瞬間自殺したんだが今度は不老不死とフリッグがおまけで付いてきた。」


いまだにあの時からかったことは後悔してる。

あれさえやらなければ惚れられることもなかったというのに。


「まぁ、あれじゃ、頑張れ。」


こいつに励まされると情けなくて泣きたくなるな。


「おっと、ここは一回来ただろうが議員が働いたり会議で使ったりする城だ。」


城にする意味はないと思うんだが街を象徴する為にどの街にもあるそうだ。


「流石にアースガルドと比べると小さいがな。」


「あれは王族が住む場所じゃから仕方ない。

あまり質素にしていても面子が立たぬからの。」


俺はあんなところになんて絶対に住みたくないけどな。


「フリッグと知り合った流れは納得じゃがアリスはどうやって知りあったんじゃ?

真祖の吸血鬼というものは絶滅していてもおかしくない種族じゃが。」


強すぎる力はうとまれる。

そんなわけで真祖の吸血鬼ってのはそう簡単に見つからないそうだ。

そもそもアリス以外にいるかどうかすら疑問だ。


「フリュネなら聞いたことがあるだろう?

アルフヘイムでニーズヘッグの影を一掃したって。」


「確かに報告は受けておるがそれがどうしたのじゃ?」


「あの時、なにも分かってなかったアリスがニーズヘッグに血を提供するってことで着いてきてたんだが血が足りないってことで逃げ出したんだ。

そんなわけで、吸血鬼の噂が立ったからミナが確かめに行くってことで探して拾った。」


「何とも波乱万丈な過去じゃのう。

ニーズヘッグの一掃はレンの指揮じゃったか。」


すべて巻き込まれたか振り回されるだけなんだよ。

そして、その波乱万丈の過去の中にお前も含まれてるってことを自覚しろ


「そうはいっても、俺は指示を出しただけで個々の力があってこそこの策だったからな。

ミナがいなければ成功していたかすら怪しいもんだ。」


ジンの役割も大切だったが、代用は効くしいなかったら影からフリッグとアリスが倒せばいいだけだしな。


「確かにミナは天才じゃな。

あの魔法の腕といい、発明といいどれをとっても一流のものばかりじゃ。」


ミナが作った物を公表すればかなり儲けるそうだ。

魔力で走る車ってのはあるにはあるらしいんだがミナが作った物に比べると見劣りするらしい。

その理由として研究があまり積極的行われていないらしい。

だから、ミナが作った物を公表すれば研究も進むし魔力が少ない人でも使える便利な足になる車はかなり売れるだろう。

その分犯罪や事故は増えそうだがな。


「こう並べてみるととんでもない面子から迫られておるものじゃ。」


本当だよ。

全員俺なんかにはもったないとしか言いようのない奴ばっかりだ。


「そろそろ日が暮れる、そろそろ帰るか。」


「ふむ、有意義な話が聞けて楽しかったぞ。」


「満足そうでなによりだ。

晩飯は食って行くんだろ?」


「もちろんじゃ。

フリッグの料理は美味いからの。」


「それじゃあ、帰るとするか。」


久しぶりに平和な1日だったな。

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