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アースガルド その① ミナの嫉妬

「ここがアースガルドですか!!」


「大きい・・・・」


確かにここに初めて来れば驚くのも無理はない。

中央にでかい城があってその周りには重役たちの大きな屋敷、そしてさらにその周りには市民たちで賑わっている。

ちなみにあの後、王子は襲われたりしないよう適当なところに隠して置いてきた。

あの様子だとフリッグのことは諦めてないだろうからな。

懸念することは王族の権力にものを言わせてフリッグを探し出さないから不安で仕方がない。

そうなれば面倒過ぎる。

一応俺が勝ったんだから諦めてくれれば一番なんだけどなぁ。


「辛気臭い顔してるわね。

せっかく首都にきたんだかだから楽しむわよ。」


「半分くらいはミナの責任だからな。」


「いいじゃない。

厄介事が片付いた後の平穏はいつもよりいいものでしょ?」


まぁ、それはそうなんだが毎回あんな思いをさせられるのは勘弁して欲しい。


「それを開き直れたら私がレンを変えたことになるから頑張って開き直ってね。」


このまま流されるのも癪だな。


「いいのか?

俺が変わるってことはミナを貰うってことだぞ。

言っとくが俺は一度手にした物は絶対に離さないから、ミナが嫌といっても愛し続けるぞ。」


「え、あの、その、レ、レン?」


顔を真っ赤にしてうろたえるところは本当に可愛いな。

振り回され分、こっちはからかってやることにしよう。


「ミナは美少女だから他の男の目を引くだろうがそれも許さないぞ。

あんまり目立つようなら監禁して俺だけのものにするからな。」


「レ、レン!?

そ、その気持ちは嬉しいけど・・・・・」


楽しいなぁ。

そう言えば最初にフリッグと会った時もこんな風だったな。

ん? フリッグ?


「なにをやってるんですか・・・・・・」


やばい。

からかうことに夢中になってフリッグのこと忘れてた。

しかも、今の構図を見ると俺がミナに詰め寄ってるように見えてしまう。


「少し前はアリスばっかりに構ってると思えば次はミナですか?

前にも言いましたがレンが女として見ていいのは私だけですよ。

あんまり度が過ぎると・・・・・・・・壊しますよ。」


冷や汗が止まらない。

ここで判断を間違えたら最低で監禁、最悪記憶抹消で一からやり直しだ。


「とりあえず落ち着け。

これはからかってただけだ。

フリッグと初めて会った時もやっただろう。」


「私は落ち着いてます。

これ程ないまでに冷静ですよ。

私はミナとは友達でいたいんです。

いいですかレン?」


ここで頷く以外の行動がとれるだろうか?


「それじゃあ誠意を見せてください。」


これはやるしかないよな?

フリッグのヤンデレが日に日に進化してるのは気のせいか?


「んっ。」


悔しいという言い方はおかしかもしれないがフリッグに限らずミナやアリスとのキスは驚くほど気持ちいい。

近づけばいい匂いはするし唇は柔らかく甘い味がする。


「えへへ、大好きですレン。」


なんとかことなきを得たか。

おちおちからかうこともできないな。


side ミナ


もやもやする。

あんなふうに言いよってきたかと思えば簡単にフリッグにキスして。


「レン、ちょっと来て。」


「なんだ?」


「ちょっと話したいことがあるの。

フリッグ、悪いんだけど近くに変な奴等が来ないか見ててくれない。」


「なにかあったんですか?」


「ちょっと嫌な予感がしてね。

レンと対策考えるから変な奴が来たら教えて。」


「分かりました。」


「レン、こっちよ。」


「どうし、んっ!!」


私だって女だ。

好きな男に詰め寄られたらドキドキだってするし期待だってする。

それなのにからかっただけで目の前でキスされれば不愉快に決まってる。


side out


いきなりキスされたが流石に今回ばかりは強く言えないな。


「あ~、その悪かった。」


「ほんとうにそうおもってるの?」


久しぶりの幼児退行だな。

今回は俺が完全に悪いから何とも言えない。


「からかい半分で言っていいことじゃなかったな。

でもあれは本当のことだからな。」


からかうつもりで言ったが嘘は言ってない。

俺が誰かを好きになるなんて想像できないが、もしそうなったら手放さないようにするだろう。


「じゃあ、私にもレンからキスして。」


一日に2人の女、しかも美少女にキスをするなんて。

普段なら喜ぶべきところなんだろうが相手が相手だけに素直に喜べない。


「分かったよ。」


相変わらずこいつらとのキスは気持ちいいんだがそれと比例するように罪悪感も募る。


「レン、大好きよ。」


いくらキスしてもその気持ちには応えてやれないから。

「フリッグ、アースガルドにいる間魔法で認証をぼかしておいてくれ。」


「どういうことですか?」


「あの王子に見つかるとアースガルド内では逃げられないからよ。

フリッグだって観光楽しみたいでしょ?」


「そういうことなら仕方ありません。

しかしどうして魔法なんですか?」


「神術だと神だとばれる危険があるから念の為だ。」


「分かりました。」


とりあえず誤魔化せたかな?

もしあの場面がばれでもしたら間違いなく記憶抹消コース一直線だからな。

後はミナの浮かれた表情を読待なれなければ大丈夫だろう。


「お兄ちゃん、お姉ちゃんたちばっかりずるい。」


読まれてたか。

それがアリスだったことは不幸中の幸いだ。

フリッグはもちろんだがジンにばれても厄介だ。

最近、ミナをやけにくっつけたがるからな殺されるか責任取らされるか分からない。


「許してくれ。

ああでもしないと収拾できなかったんだ。」


「あとでアリスにもキスしてね。」


断れないよなぁ。

アリスのことだから駄目といえば聞いてくれるだろうが落ち込むアリスは見たくない。

それにしてもなんだこのハーレム状態。

はっきり言って誰も恋愛対象に取れない。

フリッグは手を出したら最後だし、ミナは恋人というより友達という印象が強いし、なにより手を出そうものならフリッグに記憶を抹消される。

それに、妹であるアリスに手を出す程俺は終わってないしな。


「2人になれた時ならな。」


「約束。」


好意は嬉しいんだが男としてじゃなく兄として見て欲しい。

そうなれば思いっきり構ってやれるんだが今の状況で構いすぎると変な期待を持たせてしまうからな。

俺が死んだときに悲しむことが避けられないならできるだけ長引かないよう一線は引いとかなきゃな。


「そういえばアリスは大丈夫なのか?

ここは信仰の街だろ、気分が悪くなったりしないのか?」


「信仰と言っても人それぞれだから。

異端を許さない人もいれば、すべての人を愛する人もいる。

流石に前者ばかりの街だったらつらかったかもしれないけど、そうじゃないみたいだから大丈夫。」


「それは良かった。」


「レン、早く行きましょう!!」


「分かったから、はしゃぐな。

行くぞアリス。」


「うん。」


せっかく来たんだから楽しむとするか。



side フリッグ


それにしてもすごい人です。

これが首都ですか。

アルフヘイムやヴァナヘイムも凄かったんですが首都は別格ですね。

なにより人の数が違いますし各街から特産品が集められて見て回るだけで楽しそうです。

それに一般人でも城の見学もできるそうなので後で是非行ってみましょう。

見た目から主神の神殿より大きいです。

流石に神殿と比べると構造や城としての防衛機能は比べ物になりませんがそれでも立派です。


「それにしても信仰というか神への祈りを捧げるみたいな道具が多いな。」


信仰の街なのでそれは仕方ないのかもしれません。


「神って言ってもこんななのにな。」


「それは酷いですよ、レン。」


確かに私はちょっと人の考えに染まってきてますけど立派な神です。

まぁ、世界の管理とかやったことないんですけどね。

でも仕方ないじゃないですか!!

私の力を恐れて誰も近づいてこなかったんですから。


「悪い、悪い。

あまりにも身近になりすぎてたからな。」


「それなら仕方ありませんね。」


私はもうレンの平穏の一部。

それはいいんですけど、最近自分を抑えられません。

さっきのことだって本当にミナをからかってただけだと分かっていても私以外でそんなことして欲しくありません。

好きになるって大変なんですね。

レンには負担はかけたくないんですが、今の私は確実にレンの負担になってます。

それでも私はこの気持ちを抑えることも抑えるつもりもないんですから。

でも、できるか分かりませんがちょっとは我慢しましょう。

せっかくできた友達を失いたくありませんからね。


フリッグのヤンデレ、ミナの幼児退行とクーデレは上手く書けてるでしょうか?

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