表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/127

日常を守るために

アリスと主従契約を結んで数日、最初は渋っていたフリッグも同じ髪の色だからなのか本当の妹のように扱っている。

アリスもフリッグに懐いて受け入れられていた。


「そろそろ仕事を再開するか。」


「そうですね。

アリスも大丈夫みたいですし。」


「ありすもおしごとする。」


最近ジンの気持ちがマジで分かる。

アリスが可愛くて仕方がない。

もちろん恋愛感情ではなく家族愛としてだ。


「どうする?」


確かにアリスは強いが危険な目に遭わせたくないし、アリスをここまで連れてきた奴等もまだ見つかっていない。


「いいんじゃないでしょうか。

アリスも家に閉じ込めてばかりでは可哀相です。」


「そうだな。

行くかアリス。」


「うん。」


神と吸血鬼か。

向こうの世界では天敵みたいなものだけど現実では普通なんだよな。



side フリッグ


どうもフリッグです。

とりあえず数日前の私を殴り飛ばしてやりたい気分です。


「どうしての、おねえちゃん?」


アリスが、アリスが可愛すぎます!!

レンもかなり溺愛してるみたいですし私たちの娘みたいです。

私が母でレンが父でアリスが娘。

これってもう家族ですよね?

もう身を固めてもいいんじゃないんでしょうか?

実際アリスを引き合いに出せばレンも応じてくれるような気がします。


「なんでもありませんよ。」


相変わらず食事はレンの血だけですがいつか普通の食べ物も食べて欲しいですね。

そして、アリスを酷い目に合わせようとした奴等は許しません。

レンの手前殺しはしませんが、生まれたことを後悔させるくらいは許してくれるでしょう。


side out



まぁ、分かっていてたことだけどやっぱり吸血鬼って凄いな。


「違いますよアリス。

相手が魔法を使ってきたらこうするんです。」


「こう?」


「そうです。」


神と吸血鬼が無双してる。

ここら一体の魔物いなくなるんじゃね?

ちなみにアリスは純粋な吸血鬼で真祖と呼ばれるものらしい。

最近では吸血鬼と他の種族のハーフだったり、吸血鬼の眷族といった死徒がほとんどで真祖はそうそういないらしい。

それだけあってアリスの強さは出鱈目だ。

自分の3倍はある大剣を片手で振り回してる。

しかも、魔力だけならフリッグを越える素質を持っているらしい。

俺っていらなくね?


「駄目ですよアリス。

魔物も生き物なんですから無暗に殺してはいけませんよ。」


「わかった。」


しかも滅茶苦茶素直だ。

正直俺がアリスの主でいいのか本気で悩む。


「はい、おにいちゃん。」


「ありがとう。

凄いなアリスは。」


「あたまなでて。」


言われた通り頭をなでてやると気持ちよさそうに目を細める。

もう駄目かも、これ以上アリスを可愛がってしまうと死ぬに死ねなくなる。

俺が死んだらアリスは悲しむだろう。

でも、やっぱりこの恐怖だけは拭えないんだよ。


「どうしたのおにいちゃん?」


「なんでもない、帰るか。」


「うん。」


どうか俺がいなくなっても悲しみに囚われなく過ごせますように。



side フリッグ


アリスならと思ったんですがやっぱり駄目みたいですね。

それはそれで嬉しいような、悲しいような微妙なところなんですけど。

私はレンがいてアリスがいてあの兄妹がいて、そんな日常を永遠に送って行きたい。

もちろん、レンは渡しませんが。

だから、レン気付いてください。

あなたはたったこれだけの期間でこんなにも必要としてくれる人がいるってことを。


side out



「見つけた!!」


やっと現れたか。


「アリス知り合いか?」


「ううん、しらない。」


アリスは見た目の割にかなり頭がいい。

これからいろいろ教えて行けばミナや俺のように頭脳戦でも戦えるようになる。

そういえばアリスって何歳なんだろう?


「人違いじゃないんですか?」


「そんなはずは。

ほら血だ、戻っておいで。」


「いらない。」


そういってフリッグの後ろに隠れた。

それでいい。


「もう止めてもらえませんか?

アリスも怯えています。」


「あの子はどこで拾ったんですか?」


「アリスは私たちの親戚の子ですよ。

あなたたちは何者ですか?

その言い方から予想するにアリスと似たような子に逃げられたようですね。

逃げられるということは虐待、またはそれに類することをしたということですか?」


「し、失礼します!!」


「どうするつもりですか?」


「ほっとけば勝手に捕まるだろう。

俺たちが関与する必要はない。」


「そうですか、生まれたことを後悔させてあげようと思っていたんですが。」


こいつは自分が好意を持っている相手に手を出されるとこうなるのか?

生れたことを後悔ってどんなことをするつもりだよ。


「とりあえず帰るぞ。

アリスもお腹すいただろう?」


「うん。」


「そうですね。

後はミナに任せましょう。」


そうなるとミナに手を出す奴がいたら生れたこと後悔させるつもりなのか?



side ???


「どうしますか?」


「取り返すに決まっている。

せっかく手に入れた真祖だぞ。

もうすぐ金が手に入ったってのに。」


「でも、どうやって?

真祖は力ずくでは捕まえるのは困難ですよ。」


「吸血鬼には神だ。

アースガルドから応援を呼んでる。

いくら真祖といえど相手は子供だ。

適当に痛みつければもう逃げ出さないだろう。」


「それでは俺はあいつらの家を探ります。」


「ああ、任せた。」


今だ自分の末路が分かっていない愚か者たちは勝利を疑わず闇夜の中で笑っていた。


side out



「なるほど。

でもそれって所詮使い捨ての駒でしょ。

そんなの捕まえたって根本の解決にはならないわよ。」


「分かってる。

だが、アリスを捕まえるにはそれなりの専門家が必要だろ?

その専門家との交渉に下っ端は使えない。

つまりそいつを捕まえて吐かせればいい。」


最悪、フリッグに記憶を読ませればいいしな。

罪悪感はあるだろうが背に腹は代えられない。


「相変わらずね。

まぁ、そういうところが好きになったんだけど。」


「そういうことはジンのいないところで言ってくれ。

あいつに聞かれたら面倒くさい。」


「分かってるわよ。

それよりフリッグは?

よく私と2人でなんて許可してくれたわね。」


今までは確信犯かよ。


「アリスを頼んでる。

いつ襲われるか分からないからな。

あいつもかなりアリスを溺愛してるからな。

かなり迷った末に許可してもらえたよ。」


「尻に敷かれてるわね。

たまには私の所にも来ない?

フリッグばっかり不公平よ。

私もレンとアリスを侍らかしたいわ。」


こいつも結局アリスの可愛さに負けたか。


「そういう交渉はフリッグと頼む。

俺が勝手に決めるとこの街が滅びかねない。」


真祖の吸血鬼でも神には勝てない。

それもフリッグだと尚更だ。

あれは神の中でも最強と言えるレベルらしいからな。


「確かにあの娘は嫉妬深いわよね。

そういうのって重くない?」


「重いに決まってる。

そもそもお前なら分かるだろ?」


こいつほどの奴に分からないはずがない。

俺が


「死にたがりってこと?

それに、かなり甘いしね。

レンにとって自分の周りにいる人の想いはすべて重荷でしょうね。

自分が死んだら悲しむからって、そんなところ?」


「分かってるなら、俺のことは諦めてくれ。」


「嫌よ。

私はレンが好きなの。

レンが思っているいる以上にこの気持ちは強いわよ。

それに死んだら悲しむなんて今更よ。

レンが死んだら私だけじゃなく兄さんも、アリスもフリッグも悲しむ。」


それが重いんだよ。

喪失への恐怖と悲しませる罪悪感との板挟み。

いっそ記憶が消えてしまえと思ってしまう。


「そもそも幸せが幸せでなくなるなんて私には当たり前のことだけどね。

まぁ、レンの場合はそれが日常だから厄介なのよね。

でも、大丈夫よ。

私がしっかり振りまわして平穏なんて感じさせてあげないから。」


こいつは鬼か。


「それになんだかんだ言っても問題に直面した時のレンは余計なこと考えなくていいでしょ。

それで解決したらつかの間の平穏を感じて私が次の問題を持ってきてあげる。」


吸血鬼の問題も俺の為か。

どうして俺みたいなやつにこんな良い女が惚れるんだか。

こいつならもっといい奴がいるだろうに。


「無理はしないでくれよ。

俺の為に怪我なんてしたらそれこそ罪悪感に苛まれる。」


「分かってるわよ。

私はレンを幸せにしてあげるのが目的なんだから。」


ああ、良い笑顔だ。

ジンが言ってることも満更嘘じゃないみたいだな。


「それじゃあよろしく頼む。

俺たちの新しい仲間、アリスの為に。」


「ええ、もちろん協力は惜しまないわよ。」



もうすぐお気に入り100件を突破しそうなので記念としてレンへの質問集を書きます。

そこで、読者の皆様に質問の内容を募集したいと思います。

ご協力お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ