噂の吸血鬼
今日は頑張って2話登校したいと思います。
「なぁ、レン、最近街を騒がせてる吸血鬼の話し知ってるか?」
「何人も血を吸われてるってやつか?
別に死人が出てるってわけでも噛まれた奴が吸血鬼になってるとかそういうことはないんだろう?」
「そうなんだがミナが探しに行くって聞かなくてな。
よかったら「拒否する。」最後まで話は聞いてくれ。」
ふざけるな。
ようやく今日の分の仕事が終わって息抜き程度に思っていたジンとの会話で面倒事を抱え込まなきゃいけないんだよ。
「これは一種の依頼だ。
ミナはきちんと報酬は出すと言ってる。
それでも断るか?」
くっ、俺のギリギリのラインを突いてきやがる。
「いくらだ・・・・」
まだ了承したわけじゃないぞ。
ただ報酬がどの程度か気になっただけだからな。」
「前金、金貨10枚、捕獲成功でプラス15枚だ。」
「乗った!!」
当然だ。
1日で最低金貨10枚、成功したら25枚だぞ。
最近仕事が少なくなってきたらからこんな実のいい仕事を断れるはずがない。
「それじゃあ、今夜ここに来てくれ。」
「分かった。」
どんな仕事だってあいつがいれば問題ないだろう。
side フリッグ
さて、今の状況を軽く説明させていたたぎます。
軽く街を滅ぼしたい気分ですね。
レンから頼まれ吸血鬼を捕まえるということになり私、レン、ミナ、ジンと集まり2手に別れて探すということになりました。
ここまでは別にいいんですが
「どうして私がレンと一緒じゃないんですか!!」
よりにもよってミナと、なにかの嫌がらせですか?
「だから言ってるだろう。
パワーバランスの問題だ。
お前は正直問題ないが妹は戦力にならない、俺は戦えると言ってもまだまだだからな。
そこで経験豊富のジンが俺と一緒。
これなら吸血鬼と会っても捕まえられるだろう?」
「それなら私とレン、その兄弟でいいじゃないですか!!」
「それは不公平でしょ。
ただでさえフリッグはレンと一緒に住んでるんだから不公平にならないための措置よ。」
「うぅ、分かりました。」
「よし、それじゃあ行きましょうか!!
言っておくけど殺しちゃ駄目だからね。
ちゃんと生け捕りしてよ。」
side out
あっちは大丈夫だろうがこっちは大丈夫か?
いくらジンがいるとはいえあいては本物の吸血鬼なのかもしれないんだろう?
吸血鬼の弱点と言えば太陽、十字架、流水、銀の弾丸、思いつくのはこれくらいか。
大丈夫かなぁ・・・・・
「そういえばレン、いつの間にミナと妹さんは仲良くなったんだ?」
あれで仲良く見えるのか?
「実際仲がいいかは知らないが数日前くらいだ。
俺があの時残らせただろう、その時に話し合わせたんだよ。」
「そうか、俺たちは立場立場でなかなか友達が作りにくい環境だからレンたちには感謝してる。」
これでシスコンじゃなかったら・・・・・・
どうして俺の周りの奴は受け入れがたい欠点を持ってるんだろう。
「気にするな。
打算的に言えば長の子息子女であるお前たちと仲良くなれて損はない。
それに、俺たちもこの街に友達と呼べる奴はいないからお前たちの存在はありがたい。」
「俺はお前のその遠慮のなさが結構気に入ってる。
俺たちに関わろうとする奴は父に取り入ろうと近づいてくる奴ばかりだからな。
そういう奴はミナが追い返していたんだがミナも友達ができて嬉しいだろう。」
こいつらの立場も結構疲れるんだろうな。
「なにかあったら相談くらいには乗ってやるよ。」
「そりゃありがたい。」
やっぱり男友達ってのは良いものだな。
向こうにも何人かいたが・・・・・・・あいつら元気でやってるかなぁ。
「どうかしたのかレン?」
「なんでもない。
それより来たみたいだな。」
10歳くらいの少女だが見た目にそぐわない程、危険な感じがする。
「確かにあれのようだ。
濃い血の臭いがする。」
「ちをちょうだい。」
「悪いがおとなしく同行してくれないか?
子供に危害を加える趣味は持ってないんだ。」
「ちをちょうだい。」
駄目か。
話が通じない。
「どうするレン?」
「できるだけ穏便にことを済ませたかったが仕方ない。
ジン、なるべく無駄な怪我を負わせないように意識を刈り取れるか?」
「任せろ!!」
最初見た時は驚いたがジンが使う武器は片刃の刃に鞘。
つまり刀だ。
まさか刀がこの世界にあるとは思ってなかったらから驚いた。
刀ってのは想像以上に扱いが難しい。
「いただきます。」
なんだこの嫌な予感は・・・・
side ジン
任せろとは言ったが正直ぎりぎりかもしれない。
見た目は子供だが、その力は俺と同等、もしくはそれ以上。
手加減はいらない、一撃で意識を刈り取る!!
「おにいちゃんはいいや。
それよりうしろのおにいちゃんはおいしそう。」
まったく最近、俺の自身が粉々に砕かれそうだ。
全力で放った一撃がこうも簡単に、しかも魔法で障壁を張っているとはいえ片手で受け止められるとは。
「どいて。」
まずい!!
side out
おいおい、なんだあの化け物。
ジンの一撃を防いだどころか吹き飛ばしやがった。
「ちをちょうだい。」
「ジン無事か!!」
「なんとかな。」
こうなった以上フリッグが来てくれるのを待つか、手加減無用で倒しきるか。
「ジン、まだいけるよな。
俺が援護する、油断しないで殺しに行け。」
「分かってる。」
ジンの一撃を受け止めた時、刀と手の間に隙間があったてことは何か障壁みたいなものがあるってこと。
それなりの威力じゃないと駄目か。
「ジン、少し時間稼ぎを頼む。」
「分かった。」
あれを倒す、最低でも動きを鈍らせる必要がある。
拳銃じゃ火力不足。
なら
「ジン引け!!」
吹き飛びやがれ化け物。
side ジン
「ジン引け!!」
いつの間にあいつの背後に行ったんだ?
それに何だあの武器は?
レンの使う武器は知らないものばっかりだな。
とりあえず離脱を・・・・・
離脱した瞬間大きな爆音とともに視界が掻き消された。
side out
完全に対人専用の武器じゃないがこれなら威力は申し分ないだろう。
RPG、ソ連が使っていた携帯用対戦車用グレネードランチャー。
これなら
「いたいよおにいちゃん。」
おいおい、倒すどころか傷が治ってやがる。
どんな回復能力だ。
「レン、どうする?」
「正直あれで駄目なら厳しいな。」
あれって携帯できる武器で一番強い奴なんだけど、足止めが精一杯か。
「なにか手はあるか?」
あるにはあるがこれをやっていいものか・・・・・
「なぁ、ジン、俺たちってまだお前たちに言ってないことがあるんだよ。」
「こんな時にどうした?」
「これからそれを見せてやるよ。
一度で覚えろよ、作戦は・・・・・・・・・・」
side ジン
本当に大丈夫なのか?
さっきの一撃は吸血鬼の障壁を貫通してあれだけのダメージを与えた。
それをレンが隙を作るからその隙に撃ち込め、それがレンが言った作戦。
これは引き金を引くだけだから俺にだって使えるが、問題はレンだ。
あの一撃を間近で受けて無事で済むはずかない。
「おいレン、やっぱりこれは止めろ。」
「大丈夫だ。
俺を信じろ。」
「だが!!」
「心配するな。
俺は約束は守る男だ。」
「分かった。
必ず生きて帰ってこいよ。」
くそ!! 自分の無力さに腹が立つ。
side out
作戦は単純明快。
俺が吸血鬼に隙を作り、障壁を作らせずにあれを撃ち込む。
これなら再生にも時間がかかりあいつが駆け付ける。
「行くぞ吸血鬼。」
拳銃を乱射しながらの接近。
気休め程度だがやらないよりはましだろう。
「おなかへった。」
速い!!
「いただきます。」
痛っっっ!!
首から血を吸われているのが分かる。
だが今なら油断してる。
「いまだジン!!」
撃った。
そしてこいつを弾頭に向ければ・・・・
side ジン
どうなった?
レンは無事なのか?
「レン、レン!! 無事なら返事をしろ!!」
「ああ、作戦通り。
死んではいないが当分は動けないだろう。」
本当にあの爆発から生き残ったのか・・・・
これがレンの言いたかったことなのか?
side out
これはやばいな。
体中が焼けるような痛みに襲われたかと思えばすぐに何ともなくなった。
いくら無事だとは言え何度も体験したいことじゃないな。
「レン、お前は何者なんだ?」
「俺は人間だよ。
ただし限定的な不老不死だがな。」
受け入れらるかかなり不安だな。
駄目なら駄目で構わないが変なうわさを流されたら困る。
「レン無事ですか!!」
「やっときたか。
吸血鬼ならそこで寝てる。」
「へぇ~。
これが吸血鬼か、意外と普通なのね。」
「ちょうどよかった。
お前ら兄弟に聞いて欲しい話がある。」
「なに?」
「俺とフリッグのことだ。」
「言っちゃっていいんですか?」
「こいつらならいいだろう。
それに知られても特に問題はない。」
「レンがそういうなら私は何も言いません。」
神って正体ばれてもいいのか?
「信じられないかもしれないがフリッグは神様で俺は別世界から来てこいつに連れてこられて限定的に不老不死にされた人間だ。」
「「は?」」
side ジン
レンから詳しい話を聞いたが正直半信半疑だ。
レンが一度死んで妹さんが生き返らせてこの世界にきた。
不老不死なのはさっきのことを見れば信じるしかないが・・・・
「それでレンはどうかしたいの?」
「別に。
ただジンに不老不死の証拠を見られたから黙っている必要がなくなっただけだ。」
「それじゃあ別にいいじゃない。
それに百年なんてエルフじゃ寿命の三分の一くらいだし、不老不死なのも別にどうでもいいわ。」
そうだな。
レンたちは俺たちの友達。
それでいいか。
「それよりこの吸血鬼どうする?
私は一目見れればそれでいいんだけど。」
そんな理由でレンはあんな目にあったのか・・・・
ミナよレンがかなり微妙な顔になってるぞ。
side out
とりあえず吸血鬼は俺たちが預かることになった。
いざとなればフリッグが抑えてくれるからな。
それにしてもああも簡単に受け入れられるとは予想外だったな。
「よかったですね、レン。」
「フリッグも嬉しそうだな?
妹とは仲良くなれたのか?」
「いえ、ミナとはレンを巡るライバルです。
レンを諦めてくれるまで仲良くなんてなれません。」
こういってるが内心ではそれなりにほっとしてるんだろう。
最初にきた街がここでよかったな。