表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/127

ニダヴェリール その⑧ 覚醒

side リース


「よく、やった。

ミーアの力を操ることに成功したら、貴様の願いも叶えてやろう」


「ど、どうして、アリスが……!」


「2つ目の忠告、人を簡単に信じちゃだめだよ」


「くくっ、貴女はこの娘に騙されていたんですよ。

先程、この娘が倒した奴らは貴女を影から守るために貴方の父が付けた者たちです。

私も彼らには非常に困らされましたよ。

『ニーズヘッグ』も結局は名前だけで尻尾を巻いて逃げ、他の連中も役立たずばかりでしたからね。

貴女を呼び出すことができても、何度も邪魔されてきましたが、ようやく捕まえることができました」


「それじゃあ、あの声は……」


「ええ、貴女だけに聞こえるように魔法をかけさせてもらいました」


そ、そんな、私はまた8年前と同じことを繰り返すんですか……

また、私は何もできずに……


「……お願いします、ミーア姉さんには手を出さないでください!」


「美しい姉妹愛です。

ですが、そう言う訳にもいかないんですよ。

彼女の力さえあれば、私はすべてを手に入れることができる!」


「私たちにそんな力はありません!」


「ならば、なぜ8年前あなた達は生きて帰ることができたんです?

彼女には伝承に存在する竜の力が宿っている。

その力を引き出し、操る為にも私にはあなたが必要なんですよ」


どうして、そっとしてくれないんですか……?

私達はただ平穏に生きていたいだけなのに、こんな眼があるから……!


「もうすぐだ、もうすぐ私が全てを手に入れこの世界の王になる!

ははははははははははははははははは!!」


「…うっ、…ぐすっ……」


誰か、誰か助けて……


side out


side アリス


「もう、お姉ちゃん、ちゃんとお兄ちゃんを見てないと駄目だよ!」


「うぅ、すみません

しかし、レンを気絶させたのは誰なんでしょう?」


「アリスが駆け付けたときにはもう気を失ってたから分からないけど、お兄ちゃんは狙われやすいんだから、ちゃんと守ってあげないとだめだよ」


「はい!」


本当にお姉ちゃんは純粋で単純で癒されるなぁ。

アリスには絶対にまねできないね、真似する気もないけど。


「それじゃ、アリスはまだ用があるから、お兄ちゃんのことしっかり見張っててね。」


「任せてください。

例え、最高神が現れても必ず守って見せます!」


「アリスよ、貴様たちはいったい何を企んでおる?」


結構、時間押してるんだけどなぁ……


「レンが危害を加えられたにしては反応が鈍い。

さらに、その介抱をフリッグに簡単に任せる、普段のアリスならば考えられないことじゃ」


「確かにアリスはお兄ちゃんのことが大好きだよ。

気絶しているお兄ちゃんを食べちゃおうかって、ここに来るまでに悩んで、我慢してお兄ちゃんの口内をたっぷり味わうだけに留めても、やらなきゃいけないことがあるんだよ。」


「え、それって我慢できてるんですか?

で、でもアリスがやったなら私もやっていいですよね?」


「ダメ」


「どうしてですか!」


「レンを気絶させたのはアリスではなかろうな?」


「もし、アリスがそんなことしてたらお兄ちゃんは今頃、アリスが美味しく食べちゃって、アリスENDになっちゃてるよ。」


「……そうじゃな。

引きとめて悪かったのう。」


「ううん、お姫様もお兄ちゃんの事守ってあげてね。」


ふぅ、危ない危ない、本当にお姫様の直感は怖いなぁ。

お兄ちゃんが起きる前に、早く終わらせないとね。


「軽くなら、軽いキスなら良いですよね?」


「だ~め!」


「アリスばっかりズルいです!」


「お兄ちゃんはアリスのものだからいいの!」


「レンは私のものです!」


「妾の考えすぎかのう……」


side out

 


side リース


「リース!」


「ミーア姉さん、逃げて!」


「おっと、余計な事は言わないでください。

おい、連れていけ。」


「はいはい、リース、少しおとなしくしててね。」


ダメ、逃げて、私はどうなってもいいから、ミーア姉さんだけは……


「リースを返しなさい!」


「それはあなた次第です。

……そうですね、手始めに目障りな長を消してもらいましょうか」


「そんなことできるわけないでしょう!

私達に何の力もない、ただ眼が蒼いだけの人は昔にもいたことくらい知ってるでしょう!」


「ええ、知っていますとも。

だが、あなた達は、8年前あなた達の力で誘拐犯を退け帰還することができた。

ただの子供にそんなことができるはずがない。

リースを無事に帰してほしいのなら私の言うことを聞け!」


どうして、私はミーア姉さんに迷惑ばかりかけるの?

私が居なければ、ミーア姉さんはもっと自由になれるのに……

私が居なければ……


「ねぇ、あの人が憎い?

リースの大切な人を苦しめようとして、リースの大切な日常を壊そうとしているあの人が憎い?」


……そうだ、ミーア姉さんを苦しめるものなんて全部消えてしまえばいいんだ。


「そうだよ、リースには力があるんだから。

力を持っている者は力を振るう権利も義務もある。

大切なものを守りたいなら何も遠慮することなんてないんだよ。」


「…あ、あああ……」


「さぁ、幾多の願いを叶えてきたその力を見せて。」


「ああああああああああああ!!」


side out



「うぅ、寝こみを襲うなんて、で、でもちょっとだけなら……」


「いつまでそうやっておるつもりじゃ?

さっさとやってしまえばよかろう」


「それは分かってますけど、私としてはレンから襲って欲しいというか……

でも、キスはしたい、うぅ、私はどうすれば……」


「そんな受け身の体制ならば、アリスやミナに取られてしまうぞ?

本当に欲しいものがあるならば奪ってしまえばよい。

襲ってもらうのはその後でも良かろう」


「そ、そうですよね……!

そ、それでは……」


「なにが、それではなんだ?」


「ち、違うんですよ?

これは、レンがちゃんと呼吸しているか確かめるためにですね「俺が常に健康状態を保てるようにしたのはフリッグだろう」うっ……」


「で、俺はどうしてこんなところで寝てるんだ?」


「何者かは知らぬがレンが気絶しているところをアリスが見つけここまで運んできたのじゃ」


「……っち、そういうことか。

見事にしてやられたな。」


今頃、アリスはリースを覚醒させているところだろう。

下手をすれば、もう手遅れかもしれないな。


「さて、聞かせてもらうぞ。

レン、貴様はいったい裏で何をこそこそとやっておる?」


流石に、しらを切りとおすのは無理か……


「……どうして」


「フリュネ、耳を塞いでおけ」


「分かっておる」


「どうして、レンはいつも意地悪ばっかりするんですか!

いつものお礼にキスの1つくらい許してもいいじゃないですか!

早く、襲って私の処女奪ってくださいよ!

できれば、そのままちょっと乱暴に抱いてください!」


耳を塞いでたというのに耳が……


「フリッグ、自分でとんでもないこと言っている自覚あるか?」


「どうして、そんなに冷静なんですか!

こんな美少女がこんな恥ずかしいこと言って迫ってるんですよ!

レンも男なら少しは興奮してください!」


一応、羞恥はあったらしいな。

心なしか顔が赤い、それが興奮からか羞恥からなのかは分からないが


「レン、煩くて敵わぬ。

早く静めよ」


「簡単に言ってくれるな。

まぁ、このままじゃ話も進まないしな。」


「私を無視しないでください!

そもそもレンは私をお嫁さんに貰うんですよ!

私は浮気なんて絶対に認めませんからね!

浮気なんてしたら泣きますよ、……ぐすっ」


……めんどくさい、いや、これはめんどくさいだろう?

確かに俺が悪かったところもあるかもしれないが、寝こみを襲われそうになったのは俺だぞ?

さらに、処女奪えだとか、嫁に貰えだとか、言って泣き出すんだぞ?

それでも、美少女を泣かしているこの構図はよろしくない。


「な、なんですか、ぐすっ、また誤魔化そうとしてもそうはいきませんからね!」


「もう、しゃべるな」


「な、むっ!?」


突然のキスに驚いてるのか目が見開いてる。

何度見ても、こいつの眼は綺麗なんだよな。

……そろそろやばいな、これ以上続けてると舌を入れたくなってしまう。


「……っ、はぁはぁ、れ、レン?」


「後で、構ってやるから今は少しおとなしくしていてくれ。」


後は頭をなでなでてやればおとなしくなる。

その証拠に目を細めて、蕩けた表情になってる。

口から垂れている涎が微妙にエロい。


「……ふぁい。」


癒される、めんどくさいが非常に癒されるところが謎だな。


「見事じゃな。

月のない夜は気を付けることじゃ」


「余計なお世話だ。

さて、どこから話したものか」



「やはり、アリスの仕業じゃったか」


「あぁ、アリスの動向に目を光らせていたんだが見事に裏をかかれた。

確かに、リースの正体を考慮に入れればアリスの行動も間違いではないんだがな。」


「じゃろうな、もし、長の計画が失敗に終わってもこの街にフリッグとアリスがいれば最悪の事態は防げる。

妾では5分5分と言ったところかのう。

それでも、他にも屈強な者はこの街集まっておるわけじゃ、討伐も難しくは有れど不可能ではない。

態々、この時期に動き出したのも納得じゃな。」


「アリスのことだ、もしものことはないとは思うが相手が相手だ。

俺たちじゃ介入でなくてもフリッグなら……」


「レンからキス……しかも、あんなに強引に、ふふふ、頭も撫でられちゃいました……」


「フリュネ、今度はお前がどうにかしろ」


「断る、お主がやったことじゃ、責任は持て。」


にやにやしながら、何かぶつぶつと呟いている。

なんというか、身内だと思われたくないほど残念だな。

本当に黙ってそこにいれば文句なしの美少女だというのに……

だが、いつまで手をこまねいていても仕方がない。


「……おい、フリッグ?」


「ふぇ、にゃんですか?」


「……その、大丈夫か?」


「はい!

だから、その、いっぱい可愛がってくださいね……」


今度は急にもじもじと、訳のわからないことを……

これは相当重症なんじゃないか?


「あの、服は脱いだ方がいいですか?」


駄目だ、会話が成立していない。

どこをどう勘違いしたらこうなるんだ?


「いや、それはまだ早いだろ?

それより、アリスをだな……」


「そ、そうですよね!

ここにはフリュネもいますし、やっぱり最初は2人きりの方がいいですよね!」


頭が痛くなってきた。

あのとき、キスで黙らせようなんて安易な考えをした自分を殴り飛ばしたい。


「いや、だからな、今は緊急事態で……」


「体力には自信がありますから、レンの気が済むまで何度でも大丈夫ですよ!

私ドМですから、少し痛くても、というか少し痛い方が……」


結局、この後も訳の分からないやり取りが続き、ようやくフリッグが正気に戻ったのは1時間後だった……


side アリス


「……これは?」


「ようこそ、アリスの世界『月の庭』へ。

ここなら暴れても外には関係ないから思う存分やっていいよ。

それじゃあ、やろうか、リース、いや望食竜・ベルゼム」



全く進んでないですね、はい……


レンとフリッグのいちゃいちゃ?をちょっとだけ入れるつもりが長々とかいてしまいこんな結果に(/∀≦)


次回こそはアリスvsベルゼム、そしてアリスの目的が明らかに!!


ちなみにベルゼムの名前ですが、望食→暴食→7つの大罪→ベルゼブブ→ベルゼムという感じで決まりました。


グラトニーは…………って感じでベルゼブブそのままじゃ竜なのに蠅?って感じで、ちょっと名前変えてベルゼムみたいなっ!


ネーミングセンスのなさに絶望しますね!


全く関係ない話ですが『はつゆきさくら』というゲームをやって、このゲームを卒業前にやってたら卒業式の時泣いてたなーっと思い、感動やら自分の卒業式の味気なさやらいろいろな意味で涙しました。

泣ける作品を書ける人って凄いですよね!


それじゃまた次回(。・ω・。)ノ~☆'・:*;'・:*'・:*'・:*;'・:*'バイバイ☆



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ