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ニダヴェリール その⑦ 隠された事実

『勝者、レン・カザミネ!』


流石にここまで来ると相手も一筋縄ではいかない。

銃という未知の武器に対してもこれまでの戦いを見てそれなりの対策が立てられてきてる。

次は辺りからはそろそろやばそうだ。


「これで後3つ勝てば優勝ですね!

やっぱり、レンはやればできる子です!」


「残念だけど、優勝は私たちよ。

決勝戦、首を洗って待ってなさい」


「悪いな妹さん。

俺も負けっぱなしじゃ、いられない性質なんだ。

今回は勝たせてもらうぜ」


「そう言えば、アリスはどこに行ったのよ」


「私も詳しくは聞いてませんけど、やることができたからってレンを私に任せてどこかに行っちゃいました。」


「それは、決勝戦でのお楽しみだ。

真っ当に戦ってジンに勝てるとは思えないからな」


「ふ~ん、いいわよ。

どんな手でも使ってきなさい。

必ず、勝って見せるわ」


「……ふむ」


反応を見る限り、ミナは騙されてくれているようだが、フリュネは半信半疑ってところか……

相変わらず鋭すぎる直感だな。

だが、そろそろ俺も動かないとな。

アリスは上手くやっているだろうか……



side アリス


「お兄ちゃんはアリスがこんなに好きって言ってるのに全然なびいてくれないんだよ?

どうしたらいいと思う?」


「いくら血が繋がってはいないとはいえ、妹に手を出すことに抵抗感があるのでは?

それに、アリスはまだ外見的に幼いですし」


「アリスはお兄ちゃんが子供でもおじさんになっても、女になっても愛せるのにな~。

……いっそお兄ちゃんをお姉ちゃんにしていしまえばライバルが減るかな?」


「ほ、本当にお兄さんのこと好きなんですね……」


あれ、ちょっと引かれてる。

アルフヘイムの人は慣れちゃってるけど、やっぱり普通の人はこんな反応かな。

まぁ、それくらいでこの想いが変わるわけないんだけど。

それにしても、お兄ちゃんの性別を変えたらお姉ちゃんたち諦めてくれるかな?

……ちょっと考えとこ


「……!、目的地ってもうすぐだよね?」


「はい、どうかしました?」


「お仕事の時間みたい」


ふふっ、皆アリスの手の上。

上手に踊ってね?


side out


俺の計画はいたって単純。

ピンチに陥ったお姫様を助け、そのお礼を貰おうって魂胆だ。

今の俺の立ち位置はお世辞にも良いとは言えない。

フリュネの一言で簡単に揺らいでしまう。

ならば、フリュネの後ろ盾がなくとも発言権を持てるようになればいい。

その為には権力者からの支持が必要になってくる。

だが、フリュネと敵対した場合、王族やその関係者からの支持はほぼ0だと言っていい。

そこで、アースガルドを除く8つの街の街の支持を集めることにした。

この国において、街長の支持はかなりの影響力を持つからな。

ムスペルヘイム、ミズガルズは既に支持を貰うことができている。

両方とも知られれば失脚してしまうような弱みを握っているしな。

アルフヘイムはミナがいるからというわけにはいかない。

ミナも個人的には味方してくれるだろうが流石に政治が絡む以上個人的に動くことも難しいだろうしな。

だが、それでも中立的な位置にはいてくれるはずだ。

だからこそ、ここは確実に味方につけておきたいんだが


「欲に溺れた者の末路なんて決まっているのに、懲りない奴は何処にでもいるもんだな」


「何か言ったかね?」


「いや、それより貴方はいったいどういうつもりだ?

実の娘を野放しにするなんて正気の沙汰とは思えないんだが」


「噂の王子殿が訪ねてきたかと思えばそういう事か。

大方、恩を売るか弱みを握りに来たのだろう」


「人聞きが悪い、俺は友好を深める為に着たつもりだ。

偶々、襲われている貴方の娘を俺の妹が助けたからよかったものの、あれでは襲ってくださいと言ってるようなものだ。

この街の役員がならず者を雇ってリース・キュリスを捕まえようとしていることくらい知っているだろう?」


もっとも、今頃は『ニーズヘッグ』に全て追い払われているだろうがな。


「8年前、貴方の娘2人が誘拐され、奇跡的に無傷で生還した。

その事を知った人物はこう思ったはずだろう。

伝承の竜の力が蘇ったと。

そして、気絶した妹を背負い帰ったミーア・キュリスにその力があると踏んだ。

だが、どうすればその力を操れるか本人にすら分かっていない。

下手を打てば伝承の再来、厄災に見舞われる。

そこで、伝承で竜を静めた子供の願いを再現することにした。

大切な妹を人質にとれば思い通りに力を操れるかもしれないと。

これが、この件の全貌だ」


それでも、1つ納得できないことがある。

なぜ、娘が危険だと分かっていて何も手を打たない?

むしろ、1人にさせるように護衛を付けないところを見ると加勢しているようにすら見える……


「その若さで大したものだ。

だが、貴様は1つ勘違いをしている。

それは……」


っち、そういうことか!

その事実があれば不可解な点も全て納得がいく。

おそらく、アリスはこのことに気付いている。

だから、ああも簡単に俺のことをフリッグに任せたのか!

こうなった以上、フリッグの力を借りて強引にでも……


「残念、気付くのが少し遅かったね。」


「……っぐ、ア……リス……」


「お兄ちゃんは少し眠っててね。

まったく、お姉ちゃんがべったりで動けないと思ってたけど、保険をかけて置いて正解だったよ。

本当はアリスが介抱してあげたいけど、最後の詰めがあるからお姉ちゃんに任せておくね。

目を覚ましたら、全部終わらせておくから何も心配いらないよ。」


『貴様は勘違いをしている。

それは、リース・キュリスは8年前に死んでいる。』



明かされた事実、それから導かれる真実とは!?


8年前に姉妹に訪れた悲劇、ニダヴェリールで渦巻く思惑に終止符を打つアリスの目的とは!?


ニダヴェリール編もいよいよ大詰め!!


展開が読めてても心にそっと留めておいてください!


それではまた次回(。・ω・。)ノ~☆'・:*;'・:*'・:*'・:*;'・:*'バイバイ☆

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