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ニダヴェリール その② 初戦の相手は

『これより第136回、ニダヴェリール武闘大会を開催します!』


「やっぱり、人多いね。

はぐれないように手を繋いでおかないと。」


「アリスならはぐれても見つけられる気がするな。」


「お兄ちゃん、最近ちょっと冷たくない?」


「気のせいだろう。

ほら、行くぞ。」


「結局手を繋いでくれるお兄ちゃんってりツンデレだよね。

アリスにはデレていいけど、お姉ちゃんたちにはあんまりデレないでね。」


「本当に逞しくなったな・・・」


もう、出あった頃のアリスの面影すらない。

まぁ、それでも


「いこ、お兄ちゃん。」


大切な家族には変わりない。

だから、駄目だと分かっているがどうしても甘やかしてしまうんだよな・・・



「カザミネ様ですね。

リースト店からの出場で間違いありませんか?」


「ああ、間違いない。」


「それでは、これが本日ご使用される武具となります。

これらを、紛失、または破損した時点で失格となりますのでご注意ください。

トーナメント組み合わせはあちらに出ておりますのでご確認ください。

では、御健闘をお祈りします。」


「初戦はお昼からみたいだね。

それまでどうするの?」


フリッグとアリスの戦いを見慣れているし、試合を見ても楽しめないだろうな。

やるべき事と言えば、ジンとフリュネの情報を集めたいところだが、上手くいくとは思えないな。


「そうだな・・・・デートでもするか。」


「・・・・・・ふぇ!?」


アリスは直球的な言葉に弱い。

何処で教育を間違えたから分からないが変に捻くれてしまった為、下手に言いまわすより真っ直ぐな言葉の方がアリスには効く。


「え、えっと、その、デートって、デートって言ったの!?」


ご覧の通り、普段のアリスからは考えられない程動揺してる。

いい機会だ、日頃の仕返しと行くか。


「ああ、俺とじゃ嫌か?」


「い、嫌じゃない!!

うぅ、その・・・・・おねがいします。」


・・・・・この可愛い生き物は誰だ?

いや、確かにアリスは直線的な言葉に弱いとは言ったが、ここまで変わるのか。


「よし、それじゃあいくか。」


「うん!!」


これはまずいな。

贔屓目なしにしてもアリスは可愛い。

そのアリスが、頬を赤く染めておろおろした挙句、涙目上目づかいでこのセリフ。

そして、咲いた花が涙目になるような笑顔。

人として踏み越えてはいけない一線を軽く超えさせてしまいそうだ。

現に、周りのアリスを見る目がやばい。

しかも、老若男女関係なしの無差別ときてる。


「アリス、速くここから離れるぞ。」


side アリス


お兄ちゃんとデート、お兄ちゃんとデート♪

いつもみたいに、アリスからじゃなくてお兄ちゃんから。

もともと、お兄ちゃんと2人きりになれるからこの大会に参加させたんだけど、デートに誘ってくれるなんて思わなかった。


「ご機嫌だな、アリス」


「うん、だって、お兄ちゃんとデートだもん。」


「そうか。」


・・・・・・・・はっ


「どうかしたか?」


「な、なんでもない!」


うぅ、いつも表情から思考読ませないために基本無表情なお兄ちゃんが、あんな優しい笑みを浮かべるなんて反則だよぉ・・・・


「ちょっとぶらついて戻るつもりだったが、もう少しぶらついていくか。」


「うん!!」


負けっぱなしなのはアリスの主義に反するけど、今日くらいはいいかな。

後で、死ぬほど恥ずかしくなると思うけど、こんなにサービスしてくれるんだもん。

それくらいは、甘んじて受けとめよう。


「お兄ちゃん。」


「なんだ?」


「大好き。」


side out



「違う、違う、違う、あんなのアリスじゃない・・・・・」


「おーい、アリス、そろそろ試合なんだが・・・・」


デートが終わって正気に戻り、それまでの自分を思い出して身悶え始めた。

まぁ、確かにいつものアリスじゃありえないくらい素直だったしな。


「大体、お兄ちゃんが悪いんだよ!

いっつも、意地悪ばっかりするのに急に優しくするなんて!

そんなに、アリスを辱めて楽しいの!」


「言葉を選べ。

誰もいないからいいものの、誰かが聞いてたら牢獄に入れられても文句言えなくなるだろう。」


「うぅぅぅぅぅぅ・・・・・」


一転、あんなにご機嫌だったアリスが、こんなに突っぱねてくるとは。

まぁ、いつものように駆け引きをできるような状態じゃなくて、子供の癇癪みたいなものだがな。

アリスは聞き分けが良かったからこういう時の対処はどうやればいいんだろうか?

・・・・・・・・分からないな。

こういう時は素直に謝るのが一番か。


「アリス、俺が悪かった。

だから、機嫌を直してくれ。」


・・・・・だめか。

フリッグならこれでたいていのことは許してもらえるんだがアリスは違ったらしい。


「なぁ、アリス、楽しくなかったか?」


「・・・・・・っ」


「俺はアリスの新しい一面を見れて楽しかったぞ。

アリスは甘えると言っても、子供の部分は見せてくれないからな。

純粋に甘えてくれて、嬉しかった。」


「・・・・・・今日、一緒に寝る。」


「お安い御用だ。」


「・・・・ちょっと頭冷やしてくる。」



side アリス



「へへ、こいつは上玉だな。」


「い、いや、こないで!」


「諦めな、こんなところに誰も来やしない。」


「へぇ、楽しそうな事やってるね?」


「あん、だれ・・・・・お、おまえは!?」


「・・・・あぁ、ミズガルズの、まだ懲りてなかったんだ。

ちょうどいいや、今ねアリスすっごく機嫌が悪いから付き合ってもらうね。」


「ひっ・・・・・ぎやああああぁぁぁ・・・・」



「・・・・・ふぅ、よし!」


そろそろ試合も始まるだろうしお兄ちゃんのところに戻ろうかな。


「あ、あの・・・・」


「ああ、そういえば居たんだったけ?

よかったね、見た限り怪我もないみたいだし、もうこれに懲りたら人の少ないところには近づいちゃだめだよ。」


「助けていたいただきお礼申し上げます。

よろしければお名前を聞いてもよろしいですか?」


「アリス・カザミネだよ。

お姉さんはリース・キリュスだよね?」


「・・・・・どこかでお会いになりましたか?」


「会ったことはないけど、ニダヴェリールの街長の次女は放浪癖があるっていう噂があるし、冒険者にしては身なりが綺麗、言葉遣いも丁寧だしね。

それに、その眼は有名だしね。」


透き通るような蒼い双眼。

この地に眠る古龍種の眼と同じものらしくて、大きな力を宿してるとかないとか。

お兄ちゃんが巻き込まれそうなことは一通り調べてたけど、アリスがあうとは思わなかった。


「出会いがしらにこのような事を頼むは申し訳ないのですが、私を闘技場まで連れて行ってもらえませんか?

その、腰が抜けてしまって・・・・」


どうせ、巻き込まれるなら先手を打っておいた方がいいかな。


「いいよ。

しっかり捕まっててね、あと舌を噛まないように気を付けてね。」


「え、ちょっとまtt・・・・きゃあああああ!!」


side out


「お兄ちゃん、ただいま。」


「おかえり、そっちの人は?」


「この街の長の次女のリースだって。

偶然会ってここまで連れてきてほしいってことだから連れてきちゃった。」


巻き込まれるなら、先手を打っておこうってことか。

俺も調べてみたが、この街で突発な事がない限り巻き込まれるとしたら彼女達の事だろうと思っていたしな。


「それはいいんだが、どうして気絶してるんだ?」


「ちょっと急いでたからかな?」


「そういうことか。

そろそろ、試合が始まるんだが大丈夫か?」


「もちろん。

仕込みはばっちり、あとはお兄ちゃんが勝つだけだよ。」


本当に、味方になるとこれほど頼もしい奴はいないな。


「それじゃ、いってくる。」


「頑張ってね、お兄ちゃん!」



『それでは、5回戦、レン=カザミネvsフリュネ=セシリア

国で最強と謳われ、優勝候補筆頭の姫の登場です!!』



「早速当たるとは、相変わらず運がないのう。」


「ああ、認めたくないがな。

だからこそ、上手くいくように前々から手を打っておくんだよ。」


「ほぅ、面白いことを言うのう。

この組み合わせも、思惑通りというわけか。」


「さぁ、どうだろうな?」


「くっくっ、やはり貴様は妾を退屈させぬ。

いいじゃろう、どのような策があろうが妾が踏み潰してくれよう。」


『それでは5回戦レン・カザミネvsフリュネ・セシリア、開始!』




今回はデレ満載のアリスでした。


(・∀・)ニヤニヤ して頂けたら\(^o^)/ な感じになります。


次回はレンvsフリュネです。


とても主人公とは思えないくらいいろいろな手を使います。


そして、新たに登場したリース・・・・・はあんまり出てきません。


それではまた次回 (。・ω・。)ノ~☆'・:*;'・:*'・:*'・:*;'・:*'バイバイ☆

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