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終わって、始まって、終わって、始まる人生

「さて、ここはどこだ?」


いつし意識を失ったかもよく思い出せず、目が覚めたら真っ白い空間で目を覚ましていた。


「俺は風峯蓮(かざみね れん)、16歳のごく普通の高校生・・・・・うん、たぶん俺だ。」


意識を失う直前までの記憶は問題ないと確認できたので改めて周りを見回してみるがどこをどう見ても真っ白い世界が広がっていた。


「誰かいませんか~。」


とりあえず叫んでみるが返答はないので


「寝るか。」


眠ろうとした時


「寝るな!!」


突然耳元で叫ばれた。

叫ばれた方を見ると銀髪の美少女が立っていた。


「こういう場面に瀕した時どういう行動を取るかと思えばまさか寝ようとするとは予想外だったわ。」


「それはすみません、所でここはどこであなたは誰?」


「ここは生と死の狭間の空間よ。」


「なぜ俺がそんなところに?」


これはまさか間違えて殺してしまったとか言うテンプレ的な


「その通りよ。」


「あ、やっぱり心読めるんですか。」


「これでも一応神様ですから。」


しかし改めて見るとすさまじい美少女だな


「見るな変態。」


「すみません、ところでこんなところに呼び出したってことは他の世界に転生させてやる的なべたな展開が待ってたりしますか。」


「まぁ、あなたが死んじゃったのはこっちの責任だからね、何か希望があれば受け付けるわよ。」


本当にテンプレだなぁ


「それじゃあ、抱かせ・・・」


最後まで言わない内に蹴り飛ばされ、感覚的に数十メートルは跳ばされた。


死んでも痛い物は痛いんだなぁ。


「と、突然なに言ってんのよ!!」


顔を赤くしながら叫ぶ女神。


やばい可愛すぎる。


「いや俺そういうのには興味ないし、完全に死ぬ前に一回くらいは経験してみたいなぁと。」


厳密に言えば、初めてではないんだが、まぁ、あれはノーカウントだ


「そ、そんなことできるわけないでしょ!!」


軽い冗談のつもりで言ったつもりっだが予想以上の反応を見せてくれた女神に対し加虐心が湧いた蓮は口の端を釣り上げる。


「つまり俺の命はその程度価値しかなかったってことか、そりゃ神様から見たら人1人なんてその程度だよな。」


「だ、だからお詫びに他の世界に転生させてあげるって言ってるでしょ。」


懸命に反論する女神を見てゾクゾクとしたものが背筋を走る。


やばい、楽しい。

俺ってこんなだったけ


「だから言ってるだろ、俺はそんなものに興味はない。

それとも神様は人の意思を無視して偽善を押し付けるものなのか。」


「そ、それは・・・」


「抱かせるつもりがないなら早く死の世界へ連れて行け、そんな偽善は迷惑だ。」


「うっ・・・ごめん・・・なさい・・・」


あれ? もしかして泣かせた?


「分かりました・・・ぐすっ・・・あなたがそれで満足するなら・・・」


そう言って本当に脱ぎだす女神。


あれ? どうしてこうなった?


「ちょ、ちょっと待て!! 冗談だ冗談!!」


俺に弱みに付け込んでやる趣味はない、まさか本気にするとは・・・・


「それじゃあ転生してください。」


どうして転生をお願いされなければならないのだろうか? 普通なら逆なのでは?


「分かった、分かったからもう泣くな。」


「ぐすっ・・・はい。」


ようやく泣きやんだか、自分で泣かせたとはいえやはり女を泣かせる奴は最低だな。


「何か転生する際に希望はありますか?」


最初の威厳などなくすっかりなくなり子犬キャラと化した女神


「とりあえず肉体はこのままで、あと武器を創造する力が欲しいかな。」


「分かりました、それでは転生させます。

本当にすみませんでした。」


足元に魔法陣のようなものが現れ体が足元から消えていき、風峯蓮の第二の人生が始まった。






「んっ、夢じゃなかったんだな。」


見渡す限り木に囲まれ、どこをどう見ても森である。


「ここなら大丈夫か。」


早速女神からもらった能力を使い拳銃を創造する。


「おお、本当に出てきた。

さて、それではさようなら。」


拳銃を頭に押し付け躊躇なく引き金を引いた。

こうして風峯連の第二の人生が終了した。






「なにやってるんですか!!!」


目を覚ますと先程までいた空間に戻っており、いかにもご立腹な女神が立っていた。


あぁ、これを見れたなら死んだ価値はあったかな。


「どうしてせっかく転生したのに、20行ももたずに死んじゃうんですか!!」


泣かれたら困るから今度は手加減して虐めるとしよう。


「真剣に言ってるときになんてこと考えてるんですか!!」


そう言えば心読まれてるんだった。

はぁ、人生最後の楽しみが・・・・


「そんなことを楽しまないで転生先で人生を楽しんでください!!」


「いやだから、俺はそんなものに興味はないって。

さっき転生を受けたのはそうでもしないと神様がまた泣きだすと思ったからで、俺には第2の人生になんて興味はない。」


「で、でも魔法とかに憧れたりしないんですか、あなたのいた世界では経験できないことですよ!!」


「興味がないと言えばうそになるがそういうのは本やゲームの中だけで十分。

もういいだろう、さっさと死の世界に連れてってくれ。」


「ぐすっ・・・」


はぁ!? なぜだ、なぜ泣きだす!?


「お願いです・・・ぐすっ・・・お願いですからちゃんと生きてください。」


「どうしてそこまで転生させたがるんだよ?

俺は別に間違って殺したことは恨むどころかむしろお礼を言いたいぐらいだ。

肉親はもういなかったがそれでもいろいろなしがらみがあったせいで自殺はできなかったからな。」


ようやく死ねたんだからさっさと永眠したいのに


「どうして・・・ひっく・・・そんなに死にたがるんですか?」


「端的に言えば人生に満足してしてたからだな。

そりゃ俺はまだ生まれて20年も生きてないが後悔はしないように生きてたし、それに思い出したが俺が死んだ時子供を助けることができたからな、それだけで俺は十分だ。」


はぁ、ようやく泣きやんでくれたか


「分かりました。

私も一緒に転生先で暮らします。」


ハ? ナニイッテノコイツ


「待て!! いったいどこをどうしたらその結論にたどり着く!!

俺はさっさと永眠したい、転生なんてまっぴらだ!!」


冗談じゃない、やっと生から解放されたってのに、それにこんな情緒不安定な奴と一緒に暮らすなんてごめんだ。


「でも、私を抱きたいって言ったじゃないですか!!」


「いちいち心を読むな!! それにあれは冗談だと言っただろうが!!」


「だってそうでもしないとまた転生した瞬間に自殺しちゃうじゃないですか!!」


「当然だ!! 俺はもうこれ以上生きるつもりはない、もしおまえが一緒に来たとしても隙を見て自殺してやる。」


ここまで言えば流石に引き下がるだろう


「それならあなたを限定的な不老不死にします。

100歳になったら死ねますから安心してください。」


「ふざけるな!! 転生する前にも言ったがそんな偽善の押し付けは迷惑だ!!」


100年だと、死ぬ前の世界でも後30年後にはひっそりと自殺するつもりだったのに


「偽善じゃありません!! 好きになった人には一緒にいて欲しいと思うのは当たり前です。」


幻聴か? 幻聴だよな? さっきこいつ俺のことを好きとか言ったのは幻聴だよな?


「幻聴じゃありません!! 乙女が勇気を振り絞って告白したのに幻聴扱いしないでください!!」


「知るか!! そもそもお前は神で俺は人間だ!! 俺にそんな趣味はない!!」


どこかの神話にはそんな話があったような気がするが今はそんなことどうでもいい


「そんなの関係ありません!! 私は神様でも生まれてまだ一万年くらいしか生きてない女の子です!!」


「神の尺度で考えるな!! 人間で一万年も生きてたら女の子どころか妖怪だ!!」


「私のこと可愛いって言ってくれたじゃないですか!! 見た目さえ女の子ならそれでいいんです!!」


「そもそもどこに俺のことを好きになる要素があった!!」


急に顔を赤くしやがって、くそ可愛い


「そ、その私が泣いた時に優しくしてくれたところです・・・」


まさかあの時、虐めたことがこんな形で帰ってくるとは・・・


「いいのか? 俺と一緒に来てみろ、本当に犯すぞ。」


優しくされたところに惚れたのなら、心苦しいが酷い態度を取れば熱も冷めるはず


「私初めてなので優しくしてくださいね……」


こいつMなのか? どうしてこう毎回裏目に出るんだ!!

それに顔を赤くして瞳を潤ませるな、本当に襲いたくなる。


「その、服は脱いだ方がいいでしょうか?」


「脱がなくていい!! それにお前を抱くつもりはない!!」


当然だ、ここで抱いてしまったら転生して100年間も生き続けることになってしまう。

言っておくが俺はへたれではないぞ。


「これから一緒に暮らす恋人をお前なんて呼ばないでください。

私の名はフリッグです。」


それって北欧神話の最高位の女神の名前だろ。

オーディーンはいいのか?


「そんな些細なことはいいんです!!

お願いします、私と一緒に生きましょう!!」


「だが断る!!」


どんな美女からのお願いだろうが知ったことじゃない。

俺は何も考える必要がない永眠に就くんだ。


「もういいです!! こうなったら無理矢理転生させます。」


「ふざけるな!! 俺はまだ納得してないぞ!!」


そう言っている間に足元に魔法陣が!!

俺の永眠が!!


「愛してます、レン。」


最後にとびっきりの笑顔を魅せられ後、3度目の人生が始まった。

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