【閲覧注意】商人が勇者パーティーから追放されて最強になったと思いきや……?
勇者パーティーのAが、俺に対して追放を宣言していた。
「お前のやり方で民衆が救われると思っているのか、しばらく謹慎処分を言い渡す!」
「おいA!いくら状況が緊急を要するものだったとしても、武力ばかり優先するというのか!」
商人だった俺は、そもそも水魔術に錬金術を合わせた水補給の兵站補給整備の提案をしていたはずだった。
なのにA率いる5人はそれを予算がでかい、辻褄が合わないという理由だけで俺を切り捨ててしまっていた。
◇
翌日、俺は路頭に迷う。
冷たい雨と薄暗い森は一層恐怖を増していた。
「はぁ……明日から食料はどうしよっか……」
そのように俺が悩む中、暗い空間の中に女神のような慈愛に満ちた女性が俺のもとへ訪れていた。
「あなた、おうちはどこ?」
子供に言い聞かせるようなおっとりとした口調が、俺の冷たい耳を刺激する。
「俺は、どこにも家がないんだよ……。そんなもの、自分で探す。ほっといてくれ……」
「そうね、じゃあ一緒に帰ろう……。お姉さんのもとに。お疲れ様。あーん」
彼女がスプーンに差し出したのは、高級そうな虹色のシロップだった。聞けば世界樹製のものらしい。
「おい、一口でも食べていいのか……?」
いただきます、と神経を強張らせた手でその金属をつかみ食べ始めた。
だが、これが恐るべきチートの入り口になるとは知らずに……。
◇
身体が、どんどん小さくなる。光に包まれ始めた。
「いいのよ。あなたは永遠にやんちゃでポカポカしているお日様がとってもお似合いなのよ……」
その呟きは、俺をどんどん呪いのような束縛となって、縮めていく。
――ボフッ。
「ばぶ~」
「今日からあなたはルルちゃんよ。かわいいねこちゃんね……」
「にゃーん」
ルル、おさんぽいきたくなっちゃった。ないてたら、もりがあかるく、おひさまもニコニコ。ぽかぽかしてるのしゅき。
「さぁおむつでもはきましょうね」
わーい。ルル、おててちっちゃいけどはけたよ。
「にゃあにゃあ!」
ルル、おねえちゃんにおさんぽいきたいってピョンピョコあまえる。
おねえちゃん、いってらっしゃいって言ってくれた。
ルルはきょうもおさんぽ。
とことこしてるだけでおはなさんがあしもとからはえてきちゃった。とことこ、とことこ。どんどん歩く。
あ、ひとのすがたをしたおっきなねこちゃんだ。
「あれ、このねこちゃんは?」
むぎゅ。ルルあそぼあそぼってあまえるの。そしたらね。
「にゃーん」
わーい。おともだちのねこちゃんが「リリアもあそぶあそぶ」ってシッポふりふりであまえてきたんでちゅ。
すりすり、すりすり。
「にゃーん」「にゃーん」
すっかりおともだちでちゅ。
あ、ちょうちょ。
ルル、おっきなちょうちょ、おいかける。ルルがおさんぽちたら、人がみんなもふもふのわんちゃん、ねこちゃん、うさぎさん、ことりさんとおともだちになっちゃった。
でも、なんかおとなのひとたちがなんかギスギスしてる。しっぽがないのはどうしてかな。
「クソ、魔王がいるってのに、資金が足りねぇ……」
「なぁ、A。この子、飼い主さんのもとに届けたらどうだ?」
なんか5にんのへんなおかざりをつけて、さけんでいるおっきなおともだちさんもいたけども……。
「ぱおーん」
「がおー」
おっきなおみみのぞうさんに、ふわふわちゃいろのくまさんにへんしん!みんなおともだち、ルル、ぞうさんもくまさんもだいしゅき。
ルル、ゆうがたになってもあるく。
おさんぽからおうちにかえったら、エへへっておねえたんがスリスリしてくれた。
「よかったね。ルルちゃん。みんなへいわになったわ……」
かいぬしのおねえたん、ルルのあたまなでなで。こわいおじさんも、まおうさんもみんないないいない。おそらのおひさまはぽかぽかしててよろこんでるよ。
でも、おみずさんすくないの?
「安心してね。ほら、おみずよ……。今日はちょうちょをいっぱい追いかけてきたのね……」
ごくごく。ルル、おねえたんのおみずだいしゅき。でもみるくがいちばんのしあわせ。
おひさま、ずっとぽっかぽか。おつきさま、でてこない。
そんなあるひ。ルルのもとにおそらからこわいのこわいのがきたんでちゅ。
「我は全宇宙最強の支配者・アバドンなり!」
こわいかいじゅうがガオーってさけんでる。でもね、おねえたんにぎゅってされたルルは、とつぜん。
こわいよ、おねえたん。ぶるぶる。
いっぱいえんえんなきました。
「あおーん!あおーん!」
すると、ルルがおもいっきりないたら、このかいじゅうさんはもふもふのハムスターになったんでしゅ。
「きゅー」
やったー。おともだちふえた。
ハムスターさんもおしりふりふり。おねえたんだいちゅき。
おそら、ピンク。
めでたしめでたし。




