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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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92/115

第28話 敵意(1)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


拒絶は、感情のままでは長く続かない。

やがて言葉になり、形になり、役割を持ち始める。


基準(ゼロコード)がいる場所は危険だ」

「近づけば、選ばれない側になる」

「排除すれば、元に戻る」


噂は、いつの間にか“説明”に変わっていた。


街の掲示板に、誰かが紙を貼る。

内容は稚拙だが、意図は明確だった。


――近づくな。追い出せ。


夜になると、人の集まり方が変わる。

救われた者は家に籠り、

救われなかった者が、外に出る。


恐怖は、仲間を欲しがる。

仲間は、正当性を欲しがる。


「自警だ」

「街を守るためだ」


そう名乗った瞬間、

敵意は“正義”の衣を得た。


ゼルが通る道の先で、

人影が増えていく。


ノクスは低く告げた。


「組織化が始まりました」


「……早いな」


「恐怖は、

 理解よりも早く伝播します」

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第28話 敵意(2)へ続く

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