第27話 拒絶(2)
本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。
静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。
翌朝。
ゼルが街を歩くと、
視線が変わっていることに気づく。
昨日まであった期待が、
硬い警戒に変わっている。
誰も声をかけない。
だが、誰も目を逸らさない。
「……来るな」
小さな声が、背後から聞こえた。
振り向くと、
少年が立っている。
傷だらけの服。
泣き腫らした目。
「兄さんは……
あんたの境界の外だった」
言葉は、震えている。
怒りよりも、
恐怖が強い。
ゼルは、何も言えなかった。
説明すれば、
言い訳になる。
沈黙すれば、
肯定になる。
どちらも、
拒絶を深めるだけだ。
ノクスが、低く告げる。
「拒絶は、
基準に対する
自然な反応です」
「……自然?」
「人は、
制御できないものを
恐れます」
恐怖は、
やがて攻撃性を伴う。
それを、
ゼルは知っていた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。
続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。
第27話 拒絶(3)へ続く




