表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/109

第26話 境界線(3)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


ゼルは、動かなかった。


代わりに、

ゆっくりと口を開く。


「……俺は、

 世界を救う存在じゃない」


ざわめき。


基準(ゼロコード)は、

 選択を“可能にする”だけだ」


誰も納得しない。

納得できるはずがない。


だが――

それが事実だ。


ゼルは、

一歩だけ、後ろに下がった。


その瞬間、

治癒魔術は、通らなかった。


誰かが、叫ぶ。

誰かが、泣く。

誰かが、地面を叩く。


ノクスは、

淡々と記録する。


基準(ゼロコード):関与範囲、固定》

《救済可能域:限定》

《境界線:確定》


ゼルは、胸の奥が

ゆっくりと冷えていくのを感じた。


助けなかった。

見捨てた。


その事実は、

何をどう言い換えても消えない。


だが――

無限に引き受けることも、できない。


境界線は、

世界のために引かれる。


そして同時に、

基準(ゼロコード)

守るためにも。


ゼルは、初めて理解した。


責任とは、

善意ではない。


線を引き、

 その外側を背負う覚悟だ。


夜風が吹き、

広場の喧騒が少しずつ遠ざかる。


境界線は、そこに残った。


見えないが、

確実に。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第27話 拒絶(1)へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ