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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第18話 事故の形(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


異変は、あまりにも静かだった。


魔術は、止まらない。


本来なら、

終了詠唱とともに沈静化するはずの魔力が、

その場に留まり続けている。


「……解除を」


指示が飛ぶ。


だが、

解除詠唱が通らない。


魔術陣は、崩れない。

だが、閉じもしない。


安定したまま、

“存在し続けている”。


観測水晶の数値が、

徐々に揺れ始める。


暴走ではない。

過剰でもない。


ただ、

終わらない。


リリアは、気づいていた。


魔力が、

自分を通り続けている。


誰かの分を、

引き受ける感覚。


重くはない。

痛くもない。


だが、

呼吸が少しずつ浅くなる。


「……あれ?」


声に出した瞬間、

自分の声が遠く感じられた。


周囲は騒ぎ始めている。

教師が結界を重ね、

補助陣を追加する。


だが、

それらは全て“上乗せ”だ。


均一化された流れは、

拒まない。


拒まないからこそ、

止まらない。


――事故は、

暴れない。


ただ、

静かに進行する。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第18話 事故の形(3)へ続く

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