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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第18話 事故の形(1)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


公開演習の日、学院は久しぶりに活気づいていた。


観覧席には生徒だけでなく、

上級生、研究員、外部の視察者まで集まっている。

理由は一つ――新しい安定化手法の披露だ。


「同調補助術式は、

 複数人の魔力を均一化し、

 暴走と失敗を未然に防ぐ」


教師の説明は、簡潔で、説得力があった。


事故は起きていない。

数値は安定している。

実験は成功している。


不安を覚える理由は、どこにもない。


円環状の陣に、新入生たちが立つ。

その中心に、リリア・フェルノア。


彼女は深く息を吸い、

周囲と視線を交わす。


緊張はある。

だが、恐怖はない。


――大丈夫。


そう信じられるだけの“実績”が、

すでに積み上がっていた。


詠唱が始まる。


声が重なり、

魔力が流れ、

陣が淡く光る。


完璧だった。


出力は揃い、

魔術は滑らかに立ち上がる。


観測水晶が、

一斉に安定値を示す。


「成功だ」


誰かが、

確信をもって呟いた。


その瞬間――

事故は、完成した。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第18話 事故の形(2)へ続く

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