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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第17話 同調実験(3)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


隔離区域。


ゼルは、

はっきりと感じ取っていた。


魔力が、

“寄せられている”。


均され、削られ、

一箇所に集められていく。


――やったな。


それは、

実験の成功を意味している。


同時に、

越えてはいけない線を越えた

という感覚でもあった。


同調は、安定している。

だがそれは、

“止まらない安定”だ。


均され続ける限り、

誰かが、

ずっと引き受け続ける。


それが、

選ばれた中心だ。


ゼルは、目を閉じる。


今なら、

一歩踏み出せば止められる。


存在が重なれば、

流れは解ける。


だが、

ここで止めれば――

実験は「失敗」になる。


失敗になれば、

別の方法が試される。


より過激な代替が。


だから、

止めない。


教師たちは、

実験を「成功」と判断した。


数値が示している。

事故は起きていない。


誰も、

壊れていないように見える。


「本番投入は、可能だな」


その一言で、

全てが決まった。


同調実験は、

成功した。


そしてそれは、

事故が“起きる準備”が

すべて整った

という意味でもあった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第18話 事故の形(1)へ続く

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