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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第17話 同調実験(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


だが、違和感は“良い感触”として現れた。


リリア・フェルノアは、

自分の魔力が軽くなっていることに気づく。


重さがない。

詠唱が、引っかからない。


「……楽」


それは、今まで感じたことのない感覚だった。


隣に立つ生徒の魔力が、

自分の内側を通り抜けていくのが分かる。

逆に、自分の魔力も、

誰かの中へと溶け込んでいく。


怖くはない。

むしろ、心地いい。


だが――

区別が、薄れていく。


誰が強く、誰が弱いのか。

誰が詠唱しているのか。


それらが、

意味を失い始める。


観測水晶が、

一斉に安定値を示す。


「……中心点が、形成されている」


教師の一人が言った。


円環の中心。

そこに立つリリアの魔力が、

僅かに“引き受ける側”に回っている。


だが、誰も止めなかった。


均一化は、理論通り。

想定内だ。


――中心がなければ、

同調は維持できない。


それが、

この術式の前提だった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第17話 同調実験(3)へ続く

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