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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第16話 選ばれる理由(3)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


隔離区域。


ゼルは、

魔力の“寄り”を感じ取っていた。


中心を作ろうとする流れ。

均一化。

同調。


――選ばれたな。


それは、

誰かが悪いわけじゃない。


善意が、

正しく配置されただけだ。


だからこそ、

止められない。


リリアが断っても、

別の誰かが選ばれる。


条件に合う者は、

他にもいる。


だが、

“中心になれる者”は限られている。


彼女は、

近づきすぎた。


近づいたから、

安心してしまった。


「……すまない」


誰にも届かない声で、

ゼルは呟く。


ここで動けば、

彼女は守れる。


だが同時に、

世界は確信する。


――やはり、彼が基準だと。


だから、

動かない。


動かないことで、

世界に“選ばせる”。


それが、

彼女を選ばせた理由だとしても。


事故は、

もう止まらない。


選ばれる理由は、

才能でも、特別でもない。


断れなかったこと。

納得してしまったこと。

そして、

善意だった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第17話 同調実験(1)へ続く

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