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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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42/109

幕間  隔離という静寂

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


音が、ない。


正確には、あるはずの音が届かない。

廊下の足音も、遠くの鐘も、

結界に吸われて消えている。


隔離とは、

閉じ込めることじゃない。


世界から切り離すことだ。


ここでは、

何も起きない。

事故も、暴走も、衝突も。


安全だ。

少なくとも、表向きは。


だが――

安全であるほど、

選択肢は減っていく。


誰かが決める。

誰かが測る。

誰かが名前をつける。


その間、

俺は“何もしない存在”として、

静かに置かれている。


使えば終わる。

使わなければ、

誰かが終わらせに来る。


どちらも、

俺の意思とは関係なく。


だから考える。


使わないために、

何ができるのか。


壊さないために、

どこまで壊されればいいのか。


隔離は、

猶予だ。


だが猶予は、

準備期間でもある。


――次に動くのは、

世界じゃない。


俺だ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。


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