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魔術学院の最下位だった俺に、世界が気づくまで  作者: じゃむ


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第12話 隔離措置(2)

本作は「魔術が当たり前の世界」で、ただ一人そこから外れた少年の物語です。

静かに歪み始める学院の日常と、気づいてはいけなかった違和感をお楽しみください。


新しい居場所は、

学院の外れにあった。


窓はあるが、

外はよく見えない。

結界が、景色を歪ませている。


部屋は清潔だ。

寝台、机、最低限の書棚。


不便はない。

だが――

自由もない。


見回りの足音が、

一定の間隔で響く。


観測装置が、

静かに稼働している。


俺は、椅子に座り、

指先を見つめた。


何もしていない。

何も変わっていない。


それなのに、

世界だけが、

俺を別の場所に押し出していく。


扉の向こうで、

短い会話が聞こえた。


「……新入生は?」


「接触を控えさせる。

 必要なら、配置換えも」


胸の奥が、

わずかに軋んだ。


――リリア。


近づかない方がいい。

それは分かっている。


だが、

彼女まで“管理対象”になるのは、

違う。


俺は、

初めて強く思った。


ここにいれば、

誰かが代わりに傷つく。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

善意や好奇心が、必ずしも優しさにならない世界を描いています。

続きもゆっくりと深まっていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

第12話 隔離措置(3)へ続く

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